インターネット・カネゴン【ウルトラマンアーク8話】感想 アクセースフラーッシュ!?
さよなら〇〇
このタイトルでガチで〇〇とさよならするのを見たことがない男 アメイジングRYOです
「城之内死す」だって死んではないからね
お気に入りのアーク9話を語っていきましょう
あらすじ
街に出現した透明怪獣ネロンガを討伐すべくSKIP本部怪獣分析班と協力する星元市分所メンバー
リンの作戦とユーの頑張りで見事ネロンガ討伐に成功しリンはかつての恩師で現在は怪獣分析班の管理責任者である山神サトルとの再会に喜ぶ
しかしリンにはただ再会を喜んでいるわけにはいかない事情があった
怪獣細胞の違法な売買…
海外への怪獣細胞横流しの疑惑が山神にかかっておりリンは親しい間柄ということで動向を探る任務を背負っていた
尊敬する山神に限ってそんなはず…
リンは揺れる思いの中で彼との思い出を辿っていく…
夕焼けの決戦!アークvsネロンガ&パゴス
まずはバトル部分から
ネロンガとパゴス。
2体の怪獣と夕焼けの舞台で戦うというシチュエーションが非常に『帰ってきたウルトラマン』的でナイス
元々アークは昭和2期、主に帰りマンオマージュと思しき描写が散見されているが今回は特にそれが顕著であった
そしてネロンガとパゴスという組み合わせも昭和ファンにはたまらない所
有名な話だが『ウルトラQ』で登場したパゴスのスーツは『ウルトラマン』でネロンガに改造され、その後マグラー、ガボラに改造されたという経緯があり要するにこの2(4)体はメタ的に見て元が同じ存在
その二体が肩を並べてウルトラマンと戦う日が来るとは…
山神が前半で「ネロンガ、ガボラ、マグラー、パゴスは先祖が同じ」と言っていたがこれもスーツが全て同じなことへの理由付けである
『シン・ウルトラマン』の方でもパゴス、ネロンガ、ガボラは首から下がほぼ同じと言及されておりあっちでは同じ素体の生物兵器で頭部部分はアタッチメントのようなものと説明されている。
マニアでなければ分からないスーツ流用にも最近はしっかり理由を付けるのが主流になって来てるよなあと。
話が逸れたのでバトル部分に戻して
ネロンガは透明に、パゴスは地底に身を潜め姿を隠しながら延々光線で攻撃するクソゲーを仕掛けてくる2体に追い込まれたアークがソリスアーマーで双方の攻撃を抑え込むシーンはパワー形態らしくてかっこいい
ならば直接!と殴りかかって来たのを見るやアーマーを解除して高く飛び2体が密着したところをアークアイソードにルーナアーマーキューブを装填して放つ月牙天衝染みた技でまとめて真っ二つにする一連の流れはソリスアーマーの力強いが鈍重であるデメリットを描きながらアークアイソードを使い、アーマーキューブの新たな使い方も見せていて非常に設定部分の描写、おもちゃの販促が上手く短いシーンながら完成度が高い
今回はドラマ部分がメインの回だったので怪獣やバトルにそこまで尺を裂けなかった感があったがそんな短い尺でもパゴスの金色の虹など怪獣の特徴を上手く展開に落とし込んでいたし、アークのバトルも見せ場が明確だったので不満はほとんど無いものになっていた
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哀しき暴走の果て…山神サトルという男
今回のメインであるゲストキャラクター山神サトル
リンの恩師であり劇中の描写からおそらく彼女に「想われていた」色んな意味で罪なやつ
子供がいるというバックボーンが語られた瞬間「(あ、これ本人が犯人じゃ無いパターン?)」と思ったりもしたのだが結局はブレーザーの横峯教授や、デッカーのシゲナガ博士に継ぐ罪犯し系恩師キャラの1人になってしまった
しかし個人的にこのタイプのキャラって結構好き。「枠」として固定で毎回出てこられると流石に食傷気味になるが、皆多かれ少なかれ狂っているなりに正義を持って行動していたりして嫌いになれないんだ
今回の山神も例によって私は好き寄りのキャラクターだった
まずこの手のキャラに家族、まして子供がいるのは珍しく感じた。だからこそ山神は犯人じゃないのかも…?と視聴中の私は思ったのだが実際にはその逆だったという事にびっくり
子供がいるから悪いことしないんじゃなく
子供が生まれたからこそ狂ってしまったのだった
数多の怪獣が頻出する世界で彼は怪獣を倒すのではなく利用し人にとってより住みやすい世界を作ろうと考えた
電気を出す怪獣から電気を、火を吹く怪獣から火を、塩を出す怪獣から塩を生み出せるようになれば地球の枯渇していくエネルギー問題や食品不足を解消できる筈
その問題は無視し続ければ未来を生きる今の子供達が代償を払うことになる。怪獣は皆が先送りにしている問題を解決する糸口になり得る筈。
なのに人々は怪獣が出たら倒すことしか考えない
怪獣を倒すことは「未来」を犠牲にしているのと同じと山神は感じた
「今」犠牲が出ようと我慢すればより良い未来を手に入れられるに違いない。そしてその良い未来を必ず自分の子に与えてみせる
そんな考えが暴走し怪獣細胞の横流しや違法な売買による研究資金の調達という悪事に手を出させた
歪な部分は間違いなくあるが先人達と同じく彼なりの正義で動いていたのも分かるし、いわば行きすぎた父性から暴走に至ったというのも独自色があって面白かった
結局逮捕され奥さんや何より一番守りたかった子供の「今」の平穏を奪うことになったのはなんとも皮肉な結末
ラストシーンではリンの思いを聞いて
「忘れたよ。そんな昔の話」
と残し投降する。しかし去り際に彼は嘘を吐く時にする癖を見せておりその言葉が偽りであると視聴者にだけ分かる形で見せてくるのもナイス
山神はおそらくリンの「本当の想い」にも気付いていたのだ。
そして彼もリンを大事に思う気持ちがあった。だからこそ道を外れた自分のことをいつまでも引き摺らないで欲しいという一心から出た優しい嘘だったのだろう
あまり後味のいい回では無かったがそれでも私は今回が好きだ
あと前半でほぼ無傷でネロンガを倒せた事に喜んでいた際の台詞から察するに山神は怪獣を粉々に消し飛ばすアークのことめっちゃ嫌ってたと思う
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リンの成長という「別れ」
4話もリンがメインだったがあちらは活躍回で今回はリンの掘り下げ回という感じ
彼女の過去やSKIPに入った経緯、学生時代のあれこれなどこれまで明かされなかった部分にもフォーカスが当たっていた
まずネロンガを捕まえるのにその4話で登場したダイモードを使ったというのが嬉しかった。リン回の繋がりを感じる
そして山神との過去回想では学生時代のリンが登場。可愛い。
図書館で同じ本を手に取るという使い古されすぎて逆に起源がなんなのか分からない少女漫画チックな出会いをしたリンと山神。リンは賢すぎていわゆる普通の子とは違っていてそれ故に周りと少し壁があったが山神はそんなリンを肯定してくれた
ちょっと浮いてるけど遊びに誘われるくらいは周りと馴染めてるリンさんは容量がいい
ところで今回リン役の水谷さんの表情の演技が光っていた
過去回想での山神が結婚することを知ったシーンでの寂しげな顔や、現在で山神の嘘をつく時にする癖を見たシーンの訝しむ表情など言葉はなくともその気持ちを過不足なく視聴者に伝えてくれてプロだなぁ…と
水谷さんはすでにドラマの出演歴も多くバリバリ名の知れた人なのでこの辺りはさすが
ラストシーンの山神の言葉に涙を流す姿に普段のユウマの姉貴分としての彼女の面影はなくそこにあるのは1人の少女だった頃のリン。
端的に書けば数年越しの失恋なのだがそう単純ではないと思うのよね
人はいつまでも過去に囚われるべきではなく傷ついても前に進まなくてはいけない。綺麗な思い出は思い出のままそっとしまって、昔の自分に別れを告げそうやってまた一歩大人になっていくもの
そういった意味では今回はリンの成長回でもあったのかも知れない
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次回
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それではまた
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