遠くの君へ【ウルトラマンアーク10話】感想 ひとりぼっちの宇宙人

ウルトラマン

前回 さよなら、リン【ウルトラマンアーク9話】感想 少女だったといつの日か想う時がくるのさ

あやねるを堪能したいなら

『ごちうさ』より

『映画 王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘヴン』を勧める男アメイジングRYOです

ほぼあやねるの映画だよねアレ

またしても切ないお話だったアーク10話のことをペラペラ語らせてください

あらすじ

青年 木崎カズオはある日趣味のアマチュア無線で偶然にも宇宙人との交信に成功する

宇宙人の名はフィオ

人と関わることが苦手で、外界との繋がりを持たないカズオは無線の中でだけ言葉を交わせる顔も姿形も知らないフィオと友情を築き彼女との会話を楽しみな日課としていた

一方SKIP星元市分所のメンバーはここ最近地球の衛星軌道上を宇宙怪獣が通り過ぎたことに警戒を強める。

そんな折街で不審な電波が観測された。その受信元となっている家に調査に向かいそこでユウマは中学時代の同級生だったカズオに再会する


空中大決戦!アークvsノイズラー

転載:https://cocreco.kodansha.co.jp
/telemaga/news/feature/arc/PiY59

まずはバトルから

ここ最近のシリーズでは一回はやってる印象なCGを駆使した空中戦。ノイズラー「音を食べる」「特定の音を嫌う」という性質をバトルに落とし込みながらの息もつかせぬ戦いを展開していた。

まず地上に降り立ったノイズラーはその目で宇宙からの電波を受信しているカズオの自宅を発見。これをノイズラー視点で描くのが面白い。

アークとの戦いでは超音波によって攻撃しビルの窓ガラスが派手にぶっ壊れる!

この破壊演出は実際にジオラマを壊していて迫力がある。無くてもいいがあると嬉しいシーンだ。

ノイズラーは空を飛ぶ戦闘機の音に反応しそれを追って飛んで行ってしまう。その様を見ていたSKIPのメンバーはノイズラーの音波や電波を好む性質に気付くがそれをいつの間にやらすり寄って来ていたアークさんが聞いていた

ウルトラマンが近過ぎて驚くってあんまないよな

空中戦は基本カット割り無しのCG戦闘。このスピード感が良いのよ

今回のバリヤー工作は粉々にし空中に撒いて破片に〝アークエクサスラッシュ〟を反射させて音を立てたり、バリヤーに直接エクサスラッシュを当ててさながらガラスに爪立てて嫌な音を出すやつLV.99みたいなことをやったりと例によって活躍

しかし今回はバリヤー以上にエクサスラッシュの活躍が目覚ましかっただろう

八つ裂き光輪系の技は電気丸鋸みたいなもんだしそれに音が好きなノイズラーが引き寄せられるのは自然。発想の勝利だな。

空中戦でアークノイズラーに捕まりあわや目からビームを食らいそうになった瞬間、防衛隊の戦闘機MRFが助けてくれるシーンも良かった。防衛隊のキャラクターは今のところ実質SKIPシュウを除けば誰も登場していないにも関わらず防衛隊からアークが既に味方と認識されていること、一定の信頼を寄せられていることが分かる

「各機に通達!ウルトラマンアークを援護する!」みたいなやり取りが裏であったのかなあ

話を少し戻すが空中戦はカット割りなく技、アークアイソードキューブを出す時いずれもノンストップなのを見ているとやはりインナースペース排除は良い部分も多分にあると感じた

いちいちインナースペースで変身者がおもちゃをカチャカチャやる演出が入るとどうしてもテンポが良くないからね。とはいえインナースペース描写は何より大事な「おもちゃの宣伝」にはうって付けという強みもあるのでどっちが良いって決めれるもんではないんだが

ところで今回のノイズラーは夜戦の雰囲気や光る目、目からビームとこれまでのシリーズでも凶悪に描かれていた印象。その実態はこれまでと変わらず「好きな音があったから食べに来ちゃったうっかり屋さん」なんだけどね

最後はアークエクサスラッシュを追って地球を去って行った。フリスビー投げて犬にとって来いさせてそのままどっか行ってもらうみたいな退治の仕方だったが何はともあれ今回も死ぬことなく退場

…普通に爆散させられたデッカー個体が不憫でならない

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2人のひとりぼっち カズオとフィオ

転載:https://cocreco.kodansha.co.jp
/telemaga/news/feature/arc/PiY59

今回のゲストキャラクター 木崎カズオ

アマチュア無線が好きで、世間との関わりを持たない内向的な彼を演じたのは佐久間悠さん

仮面ライダージオウにて加古川飛流/アナザージオウを演じ、特撮に関わるのは今回で2度目の様子

祝え!

あまり使いたくない言葉だがかなり解像度の高い陰キャっぽさを好演されていた

ユウマが訪ねて来た際の発声や決して目を見ずに話す感じや、カーテンを閉め切っていて物が雑然と置かれた部屋は妙に生々しい

一方でユウマ側の対応も微妙にリアリティのある雰囲気で特に気に入ったのは話が盛り上がらないし、詳しいことも分からなそうなので帰ろうとする時のユウマの台詞

「いきなりごめんねー。何か変わったことあったらSKIPのホットラインに連絡してー」

ここのトーンを上げる姿が「はい!話は終わりまーす!帰りまーす!」って感じでクスっと来た

たまに家に来る営業の人がそれまで熱心に商品の説明してたのに私が買う見込みのない客だと分かるやトーン上げて「それではお時間とらせてしまってありがとうございましたー!」と一切気持ち込めずに言ってくるあの感じに似ている

カズオは内向的で友達もいないし、いらないと言う。人と話す時に目を見れず、言葉もボソボソ。反面、顔も分からないフィオに友情を感じ話す際には快活に喋るなどダブルスタンダードなリアリティある人物像で少なからず共感してしまう部分があるキャラクター。

カズオ絡みで言うとフィオとの最後のやり取りのシーンも書かずにはいられない

フィオとの別れで涙も鼻水も流しながら泣く姿はちょっと衝撃。鼻水は涙と一緒に出るもんだけどあそこまでガッツリ鼻垂らして泣くシーンは涙を美しいものとして描く傾向の強いドラマではあまり見ない。

しかしこれもまたリアリティ、リアリズム。

カズオは部屋で1人でフィオとの別れの悲しみに打ち付けられているのだ。

ならばそれは美しく描く必要はない

恥も外聞もなく汚かろうと思いっきり泣いて悲しむ姿こそがあの場面の正解ではないだろうか

そしてもう1人のゲストキャラクター

滅びゆく惑星に1人残され、最後に誰かと話していたいと電波を送信しそれをきっかけにカズオと出会った宇宙人 フィオ

姿は最後まで分からず登場は声のみ。声を担当したのは佐倉綾音さん

特撮民的には『王様戦隊キングオージャー』デボニカを女優として演じたのが記憶に新しい

フィオの容姿、フィオの惑星、それらは徹底して作中で描写されず本当に声でしか登場しない。惑星のイメージなども出そうと思えば出せる筈だがそれすらせず全てこちらの想像力に任せる構成だったのが今回のロマンス成分を引き立てた。

声はあやねるだし名前がフィオだし可愛い女の子に違いない。

もしかしたら男かも?

そもそもヒューマンタイプの宇宙人じゃないかも?

フィオの姿はきっと視聴者の数だけあることだろう

地球を退屈と言い誰とも繋がらないひとりぼっちのカズオ

環境汚染で滅びゆく惑星でひとりぼっちのフィオ

それぞれのひとりぼっちが孤独を慰め合う。傷の舐め合いのような友情を築くストーリーはケシミスティックながら美しいと思った。

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今度は君を1人にしない

最後に短いがユウマカズオの2人のラストシーンについて

フィオとの別れに悲しむカズオ

「悲しいのは別れた人が大切な人だったから。距離は関係ない」

と言うユウマ。幼くして大切な人を2人も失っているユウマからすればカズオは放っておけないし、きっと拒絶されても今度はそそくさと帰ることもしないだろう

「ありがとう」と今度ははっきりユウマを見ながら言うカズオの姿にも2人の関係の前進が伺える

2人は友達になれた

フィオにとっての最後の友達はカズオだったかも知れないが、フィオカズオの最初で最後の友達にはしない

というオチはフィオの悲しい結末にグッタリ来てしまった私を癒してくれる素敵なオチだった

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次回

宇宙からやって来た巨大ロボット ギヴァス

オカグビラ危機一髪!

宇宙怪獣の次は宇宙ロボットって物語のステージが進んだ感あるぞ!

それではまた

次回 メッセージ【ウルトラマンアーク11話】感想 ギヴァスのギヴァスは味方


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