前回 夢へと走る道【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ36】感想 最短ルートじゃなくたっていい
『ミッション・イン・ポッシブル』観たことない男アメイジングRYOです
スパイものってあんまり知らないんですよね。
『M.I.B』シリーズとかは該当すんのかしら。アレは全部見てるんで好きよ。『Ⅲ』が特に。
全編クールに決まり過ぎの37話を語っていきましょう。
あらすじ
謝士郎の前に1人の美女が現れた。
その名はステア。かつて手を組み、時に戦ったこともある謝士郎の同業者 スパイであった
かつての同士との再会を喜ぶことなく、一瞬の隙を突かれステアに拘束されてしまう謝士郎。彼女の傍に現れた苦魔獣カメラグルマーによって謝士郎の偽物が焼き増しされてしまう。
本物のフリをしてブンブンジャー基地に侵入した偽謝士郎の目的とは…。そしてステアは誰に雇われこんな事をしたのか…。
今日の謝士郎は最後までCOOL!
おかしい…
謝士郎といえばメイン回ではおかしな事を1つはやって「おもしれー男」されるのが定石パターンの筈…
今日は最後まで超かっこよかったぞ!
な今回。
というか全編通して『ブンブンジャー』の大人っぽさが出まくってるアダルトな回になっていた。
その分湿気が凄かったが…
元々「爆上(バクアゲ)」なんてアホっぽい響きに反して『ブンブンジャー』って全体的にすごく落ち着いている作品で、登場人物も皆大人。明るいキャラはいても騒ぎ立てるうるさいキャラがおらず、すごくしっとりとしたそこから来る面白さが最大の売りよね。ちびっ子は憧れるし、大人は「ええがな…」ってなる感じ。
それを極めたのが今回。
かつてともに働いた同士と再会し対決する展開や、謎めいた美女の登場はスパイものの王道というイメージ。その真ん中を走ってたな。
常槍に雇われ、謝士郎を捕えた女スパイ ステアを演じたのは内藤好美さん。『ウルトラマンブレーザー』のアンリ隊員役だった方で極真空手の達人という凄い人。中盤の謝士郎とのアクションがめちゃくちゃ決まっていて感覚『ブレーザー』の時よりアクションがしっかり見れた印象。
今回特筆するポイントはやはり2カ所で行われた謝士郎の生身アクションだろう。
演じる葉山さんのスレンダーボディから繰り出される技の数々に目を奪われずにいられない。とにかく超動くしアクション一つ一つにも渡辺AC監督の「かっこよく見せる」というこだわりと外連味を感じ、それに葉山さん、井内さん、内藤さんが全力で応え本当にスパイもののアクションシーンを見ているようにさえ思えた。
大也との戦いでは壁を使って駆け上がり一回転するアクロバット、ステアとの戦いでは射撃を避けるシーンなど体をいっぱいに使ったシーンが特に印象的。
「かっこよく見せる」という気合いはキャラクター間でのやり取りにも感じた部分だ。
ステアの「今はなんと呼べばいいのかしら?」という一発で2人が旧知の仲且つ彼女がスパイであると分かる台詞に始まり、大也の
「終わりにしよう。君は…喋り過ぎだ」
というアバンでも使われた台詞もCOOL。
謝士郎はそんな喋んないよって意味以上のいろんなものを感じる言い回しになっている。
「俺は」
「あいつを」
「「信じてる!」」
なんてのはもうね。言うまでもなくね。
偽謝士郎を一目見て偽物と気付いた理由が「目」というのもありがちだがかっこいい。大也と謝士郎は言葉でなく目で通じ合うシーンも多く、転じてどこよりも相手の目を見ている。その大也が言うんだから間違いない。
ブンブンの居場所を把握していないというのが致命的と続けるのがまた良い。確かに謝士郎は19話で未来の給料日を把握していたり、錠が最近トレーニングマシーンを買って金がない事を知っていたり常日頃から仲間たちの情報も収集している怖い人。
ましてブンブンが不在だったのは単に買い物に行っただけで特別なことは何もない。謝士郎ならそれを知らないわけがないという納得せざるを得ない理由付け。
徹底したクールな空気はラスト付近まで変わらずだったがこれをぶっ壊すのは我らが未来。
多くを語らずともステアの「死」を確信し晴れない気分の謝士郎のほっぺをつねる未来に思わず
「痛った!なんだお前!」
と、不意をつかれたのもあってか普段以上に砕けた言葉遣いをする謝士郎に思わずニッコリの一堂。
やっぱり謝士郎のペースを乱すのは未来の仕事。あのまましっとり終わるんじゃ爆上戦隊の名が泣くもんな。
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明かされる大也の重すぎる過去
大也が人々の悲鳴を見過ごせなくなったオリジンがまた一つ明かされた。
余裕がないと誰かの悲鳴は聞こえない。だから余裕のある「大人」になって困っている人の声なき悲鳴も救えるようになりたいと彼が願ったのは幼少期のあまりに暗い過去が原因だった。
範道家のお隣から聞こえた子供の悲鳴。幼い大也には何も出来なかった。
しかし、ある日警察が尋ねてきてお隣で起きていた真実を知る…
聞こえていた筈の悲鳴を無視してしまった罪悪感。何も出来なかった無力感に打ちのめされ、恩人であるマヒロ先生に打ち明けるも
「大也君のせいじゃないよ。私達大人こそその声に動かなきゃいけないの。」
誰かの悲鳴を救うのは大人の役目。
なら早く大人になろう。大人になって今度こそ誰かを悲鳴から助けられる人になろう。そう誓った。
まあ、例によって詳細を描いてないが十中八九、範道家のお隣であったのは「虐待」と考えて間違いないだろう。
しかしそうなるとあの子の悲鳴は一日そこらじゃなかったんだろう。下手すりゃ毎日…
大也自身は学童保育に通っていたから日中ずっと家にいたわけではないだろうし「なんとなくよく泣き声聞こえる」くらいだったのかも知れない。
やだ…ちょっと…馬鹿重いんですけど…
マヒロ先生再登場は素直に嬉しいんだけどさ…
マヒロ先生の件といい本作は「大人なら分かるよね?」って感じのパスが多くてそれが魅力でもあるんだけどこれはかなりヘビー。
ちなみに今回の監督は葉山康一郎監督。24話を担当された方だ。
詳細に描かないからこそ出来る描写って感じよね。
そんな重すぎる大也の過去が垣間見たが彼の曇りはここから始まるのだ。内藤さん関連でガッツリ凹まされる準備万端といった感じ。やめてよ。楽しみだけどさ…
いかん俺の中のケケラが…
気分転換に一つ豆知識
回想で出てきた大也パパと大也ママを演じたのはブンレッドのスーツアクターの森博嗣さんと、イターシャのスーツアクトレスの宮澤雪さんなんだって!
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次回
ハシリヤン大番頭グランツ・リスク襲来!
そしてサンシーターの前に現れたエリートヤルカー族 ウェイウェイヤルカーとは何者!?
決断を迫られるサンシーター!まさかの電撃解散か!?
それではまた
次回 三下の誓い【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ38】感想 さよならヤルえもん
おまけ
話が濃すぎて記憶に残りにくいがカメラグルマーのデザイン凄い良い。
アンダースーツの質感がカメラ本体のざらざらっぽくなってるのも芸が細かい。
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