前回 受け継がれるもの【ウルトラマンアーク20話】感想 新・ゴメス?
鳥系怪獣なら『80』のバレバドンが好きな男アメイジングRYOです。
『80』は後期の話がかなりぶっ飛んでるツッコミどころ満載な話が多いんだけどそれはそれとして怪獣の造形は終始いい感じなんですよね。
25年ぶり!TVシリーズには初登場のキングオブモンスが大暴れな21話を語っていきましょう
あらすじ
編集プロダクション 綺羅星社に勤める芝アオイはSF作家になる夢を持つが作品はなかなか当たらず、仕方なくこなす興味のない記事の作成作業に忙殺されそうな日々に疲れていた。
学生時代の友人の夏目リンはSKIPで活躍し、また別の友人は結婚報告を送ってくる。ただ1人取り残されたような感覚に襲われる中、彼女はある日喋る赤い玉に出会う。
「私はあなたの願いを叶えにやって来た」
不思議な存在に戸惑いながらもアオイは自信が夢で見た「夢咲き鳥」に会いたいと願う。
赤い球、そして夢咲き鳥との出会いは彼女の人生を変えていく
キングオブモンス登場!助けに来たのは…
今回の目玉は最強合体怪獣キングオブモンスの登場だ。
アオイの歪んだ願いを聞き入れた赤い玉がアオイのイメージを元に変化して出現するという原作『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』と概ね同様の流れで出現し、圧倒的な力で街とアークを蹂躙。
強さに関しても原作並みと見ていいだろう。
そして大ピンチのアークを観て多くの視聴者の脳裏に過ったであろう予想。それは…
ウルトラマンガイアの客演
これである。キングオブモンスが初めてTVシリーズに登場するって時点で期待の声もあったこの展開。
最近円谷イマジネーションがガイアを推してたりしたのもブーストになり「マジで来るんじゃないか…!?」とファンの胸の高鳴りがマックスになる中、作中でアオイが叫ぶ
「誰かウルトラマンを助けて!」
その叫びに応えるようにやって来たのは…!
ギヴァス「ギヴァース」
お前かい!!!!!!!!!!!!
いや失礼。ギヴァスが嫌いなわけじゃないんだがちょっと予想の斜め上過ぎてね。
しかしまあ考えてみれば、伏線も何もなくここで唐突にガイアが助けに来るよりは『アーク』劇中で絆を結び友となったギヴァスが助けに来る方が遥かに地に足が着いているし、何よりガイアが来るのとはベクトルは違えどちゃんと「熱い」。
「ガイア」に比べて「地」に足が着くとはこれいかに。
闇の中で頭と目だけが爛々と輝き、差した光に照らされてその全容が明らかになるギヴァスの登場シーンとかめちゃくちゃかっこよかったし満足よ。
ここからアーク&ギヴァスvsキングオブモンスについて語っていこう。
ギヴァスは11、12話で見せたグラップルモードによるクローの拘束技でキングオブモンスをガッチリ捕らえてそこをアークがソリスアーマーでボコる連携プレーを発揮。その他一度受けた攻撃をカウンターする能力もフル活用してキングオブモンスに食い下がる。既に描いた既存の能力とかを再登場時に余すことなく使ってくれるのは嬉しい。
ビームを吸収→刃を形成しグラップルモード解除→アークアイソードを持つアークと並んで剣を構える一連のシーンもかっこいい
しかし!そこはかつてTDGと戦ったこともあるキングオブモンス。易々とは行かない。
まずアーク達の次々に繰り出す攻撃が効いてるのか分からんほどの異次元のHP。タフすぎる。加えて2人がかりのヒーローを抑え込むほどの怪力に強力な破壊光線、広範囲電撃攻撃、2人の光線をなんなく防ぐバリア〝ボーンシールド〟と流石は元ぼくのかんがえたさいきょうかいじゅう。
ヒーロー側の熱い展開なぞ知ったことかとばかりに暴れまくる。
ちなみに〝ボーンシールド〟は原作だと羽が横に広がるギミックの後に発動する技だったのだがそこは端折られてたね。
その他バジリス、スキューラというキングオブモンスを形成する怪獣達を召喚する能力もあるのだがそこも今回は無し。そこまでやっちゃうと色々足りないのでしゃあないね。
そもそも今回のキングオブモンスの出自は原作と違うので色々違ったり、無かったりするのは何もおかしくない。
ギヴァスがキングオブモンスを背中のクローで捕まえて光線を構えるアークに叫ぶ
「ギヴァース!」
ギヴァスには「敵」と「友」という意味があるのは分かっていたが「俺に構わず撃てー!」って意味もあったんですね!
シチュエーション的にどう考えてもそう言ってたよね?やっぱり使い難くない?その言語
とまあそんなこんなで下馬評通りのガイア回とはならなかったもののキングオブモンスの暴れっぷりは正味25分尺のなかでは充分だったし、アークとギヴァスの共闘も熱かったので総じて満足度の高い回だった。
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夢追い人の傷と赤い玉
次にドラマパートについて
夢を追う人の痛みや挫折を描く回ということで最近だと『ブンブンジャー』36話などでもやっていたテーマ。
今回の実質主役の芝アオイを演じたのは辻凪子さん。若いながらかなり色々な作品に出ておられる女優さんだ。声色が独特で存在感あったな。
アオイは一見明るく気丈なようで実際には周囲との差を気にする劣等感に苛まれ、夢に手が届かない現実に苦しんでいる夢追い人の「負」の面を強く押し出したキャラになっていた。
やめてくれ『アーク』。その設定は俺に効く。
まあ私はアオイさんほど「やりたくない仕事」を頑張ってないので彼女ほどキツイ思いをしていないとは思うが。
勤めている綺羅星社は社員が少ないが故にアオイにかかる仕事のウェイトが尋常じゃなく冒頭の台詞も鑑みるとアオイは自宅に帰ることすら稀という酷い勤務形態の会社。それでいて社長ともう1人の社員は定時上がりっぽいからまあブラック企業と言って差し支えないかな。
心苦しいが頑張れてしまう人って貧乏くじ引かされ気味ってのはあるよね。
社長を演じたのはチャンス大城さん。いい感じにおべんちゃらだけで容量良く面倒ごとをかわしてきたおっさん感が出ていてナイス。
アオイが赤い玉への願いで生み出したのは夢咲き鳥ことベビーザンドリアス。ちなみに今回の個体の別名は「夢咲き鳥怪獣」だったりする。
クックドリドゥーというアメリカの鶏みたいな鳴き声だが声優さんの演技で非常に可愛らしくなっていた。
今回の話の肝は「友達の在り方」である。
赤い玉、そしてベビーザンドリアスのドリちゃんは周りに取り残されてひとりぼっちだったアオイを助けてくれる友達。彼女の願いなら文字通り「なんでも聞いてくれる」存在だがその出どころは結局アオイ自身。すなわちイマジナリーフレンドの一種。
一方でリンはドリちゃんや赤い玉に依存するアオイに厳しいことを言ってでも目を覚まそうとするリアルの友達。アオイから生まれていないからこそアオイの間違いを指摘してくれる存在。
全てにYESと答える友達と時にNOと言ってくれる友達。本当に良い友とはどちらなのか。
というのが今回のテーマだったわけだ。
子供に喜んでもらえる本を書きたかったはずなのに自分の願いでその子供を危険に晒し、アオイが間違いに気付くシーンがお気に入り。
それと今回の赤い玉。設定周りは原作通りだったなと。
物質文明の究極点にして全ての望みを叶える存在という台詞も映画にあったし、玉=ドリちゃんって構図も映画の玉=七瀬さんってのと同様。
最後は玉自体が消えることを願ってもらって消滅するのも完全に同じだ。
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次回
ウルトラシリーズらしい不可思議回?
子供がビビりそうなビジュアル 白い仮面の男は何者か!?
余談だが次週は多分更新が放送当日に出来ません!!
それではまた
次回 白い仮面の男【ウルトラマンアーク22話】感想 ジェネリック実相寺回
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