君のハンドル【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲFINAL】感想 夢は始まったばかり

スーパー戦隊


前回 届け屋はひとりじゃない【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ47】感想 その結婚待った!

範道大也のような人になりたいと切に願う男 アメイジングRYOです。

「このヒーローかっこいい!」とかじゃなく、「大人としてこうありたい姿」をスーパー戦隊で見ることになるとは。

大人なスーパー戦隊『ブンブンジャー』も今回で本編は最終回!

大いに語っていきましょう!

あらすじ

ギャーソリンタンクとなるサルカーを失い大幅に弱体化したスピンドー

援軍も悉く粉砕し、もはやブンブンジャーの勝利は目前と思われたがそう容易くチェッカーフラッグを振らせてはくれない

立ち塞がるはハシリヤンのNo.2 大番頭グランツ・リスク

スピンドーに絶対の忠誠を誓うこの男に同じくブンブンジャーのNo.2 ブンブルー/鳴田謝士郎が挑む

そして走大将スピンドーもこのまま黙ってはいなかった…

ブンブンジャーvsハシリヤン

長き戦いが今、決着の時!

ブルーvsグランツ!No.2の握るハンドル

転載:https://www.toei.co.jp/entertainment/tv/boonboomger/episode-guide/detail/1244916_3963.html

最終回もまずはバトル、vsグランツの話からしていきたい。

グランツは初登場でチャンピオンブンブンジャーをまとめて吹き飛ばした以外にバトルシーンがなく本格的なバトルは今回のみとなってしまい少々残念だが、傘を武器にした毅然とした佇まいから繰り出されるパワフル技と殺陣はしっかり見応えがあった。

肩についている牛のペット ランボーは自立して攻撃も可能な他ショルダータックルの際にも鋭い武器になる。タックルで鍔迫り合いになるシーンの画がかっこいい。

これに挑むは前回やっとこさ戻ってきた謝士郎

謝士郎は最終回手前まで敵サイドにいたからブルーが長らく活躍出来てなかったし、最終回で戻って来てもメタ的に考えて活躍の場面確保が難しい。そこでグランツの存在が生きてくる訳だ。

おかげでvsグランツまでは短いながらも完全に謝士郎が主役で変身出来ずにいた期間の鬱憤を晴らすかの如き活躍だった。

惚れた男の為に戦うNo.2同士ながら助けられた日から自らの意思を捨てスピンドーの為に生きようと誓ったグランツと、大也や仲間の助けになりたいというあくまで自分の意思に従い大也達と行動し、時に大也達を裏切る事さえ出来る謝士郎の対比も良い。

回想でグランツスピンドーに言われた

「お前は俺だ」

という言葉は思えば「自分のハンドルを握る」とは対極にある言葉だ。

でも顔撫でながらあんな事言われたらこの人に付いていこうってなっちゃうよな…。

ブルーのアフレコは普段よりちょっと熱が入っていてCOOLからセミホットくらいになっていたが、この辺は謝士郎役の葉山さんが気合い入れすぎて謝士郎らしく無くなっちゃわないように中澤監督が上手く指導して絶妙な熱さを作ったんだとか。流石だぁ。

最後の〝バクアゲチャンピオンドライブ〟は剣の一撃をガードさせガラ空きの腹部を銃で撃ち抜く謝士郎らしいスマートなフィニッシュ。ナパーム爆破が連鎖するの気持ちいい!

米岡さんの殺陣も最後までかっこよかったし本当ブルーのアクションはメインの時はもちろん、そうじゃない時ですらずっとかっこよかったな。

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ハシリヤン走大将ワルイド・スピンドー散る

転載:https://www.toei.co.jp/entertainment/tv/boonboomger/episode-guide/detail/1244916_3963.html

次にvsスピンドー周りについて。

バトルシーンは短かったがスピンドーの圧倒的な強さは感じれるものになっていたと思う。ただまあもうちょい尺あればと思わないでもないが。

ブルーを吹っ飛ばした後すぐ後ろに回り込んで更に一撃与えて変身解除させるとことかかっこよかったしああいうのをもっと見たかった。スピンドー自体がかっこいいし魅力的だからこそこう思うんだろうな。

少しだけ語られたスピンドーのバックボーン。

悲鳴溢れる掃き溜めのような星で生まれた元は持たざるものだったスピンドー。そんな過酷な星で生きる中で彼はいつしか宇宙中に悲鳴を上げさせ、それを聞いていたいと願うようになっていた。

スピンドーもまた悲鳴が聞いて貰えなかった者の1人だったんだね。

・元は持たざるもの

・悲鳴をきっかけに行動した

・一代で力(富や組織)を築いた

・自分のハンドルを離さない

ブンブンと出会い彼に惚れた

・悲鳴を無くそうとする者/悲鳴を溢れさせようとする者

などやはり大也スピンドーは意図的に重なるように、対になるように作られていると分かる。

そんなスピンドーの独白から彼の“悲鳴”を聞いた大也は倒すべき敵にさえ手を差し伸べる。かつて地球に悲鳴を無視された先斗の声無き声も今更と捨て置かなかった大也ならそうするよなぁ。

直前の皆が啖呵を切りながら一人一人立ち上がるシーンもまさに最終回って感じで燃える。

誰かが悲鳴に駆けつければその誰かが次は自分がされたように別の悲鳴に駆けつける。そうやって1人が1人を救っていけば世界は変わり、悲鳴のない世界になることを信じる。シンプルだけどすごく素敵でちびっ子に覚えていて欲しい普遍の考え方じゃないかな。

「宇宙ではそれを…“愛”と呼ぶんだよねえ。」

こんな臭いサンボマスターみたいな台詞がしっくりくる玄蕃って凄いね。

ブンブンの復活劇に関してはまさに王道!

子供達から大人達に伝播した声援は力になってブンブンを蘇らせブンブンジャーに力を与えた。

「これは王道ヒーローの勝ちパターンだ!これで負けるヒーローはいない!」

この展開は制作が“悲鳴”の対義語とは何かと考えた末に“歓声”であると結論付けた為にこういった流れにしたんだとか。このとりあえずぶち込んでどきゃ間違いない王道パターンにもきちんと理由があるのはいいね。

マスクオフ名乗りは毎年のことながら目頭が熱くなる。終わっちゃうんだなあ…って寂しさと、一年ヒーローやってきた役者さん達が本当の意味でヒーロースーツを着ることに対する感慨深さと、シンプルに「熱さ」でもうね…。

最後のフィニッシュはレッドブンブン〝バクアゲチャンピオンブンブンドライブ〟

元祖爆上戦隊2人だけの技ってのがいいね。ブンブンジャーロボじゃなくブンブンの必殺技というのも満を持してって感じだ。

敗れたスピンドーに投降することを勧めるブンブン。一回自分を殺した相手に手を差し伸べられるのいいやつ過ぎる。

「あばよ、ブンの字」

砂となり消えたスピンドーの最後の言葉はやはりブンブンに向けたもの。

敵も味方も欺き掌の上で踊らせ自分の為だけに生きた男だったが、やはりブンブンに向けられていたその「想い」は本物だったのかも知れない。

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開かれた夢の道へ!ブンブンジャー宇宙へ!

転載:https://www.toei.co.jp/entertainment/tv/boonboomger/episode-guide/detail/1244916_3963.html

最後にバトル以外のドラマシーンについて。

まずは調、そして実はスパイだった舞美の活躍による常槍内藤。悪い大人達の逮捕劇。

しかしながら常槍は変に足掻かず最後まで大物感あって個人的には結構好きな散り方。

宇宙のテクノロジーを手に入れたいと考える前には出て来ない悪い大人達はまだまだたくさんいて常槍も所詮はその力にハンドルを取られ切り捨てられた1人でしかなく、ブンブンジャー調はこういった地球の中にいる悪とも今後は戦って行かなければいけないんだなという一朝一夕ではどうにも出来ない地球の問題の根の深さ感じさせられた。

調常槍に向けてブンブンチェンジャーを構えるシーンは嬉しかったね。変身はしないし戦えないけど彼女もブンブンジャーなんだってのを強調してくれる1シーンになってた。

内藤についても最後にフォローが入ったのは実に私好み。

最初からずーっと大也を利用しようと、丸々太らせてから食おうと育てて来た訳じゃなく最初は純粋な善意から大也を導きたくさんのことを教えて来たんだと判明。

しかしハシリヤンが現れ大チャンスに目が眩み、魔が刺して大也を利用するという方にハンドルを切ってしまった。

「もう来るな。お互い苦しいだけだ」

「お互い」ってとこに申し訳なさを感じる。

そうだよな…

子供達の悲鳴を無くしたいと沢山の余裕のあるの大人に声をかけたのに誰も動いてくれず、時に一笑に付される時さえあった大也の声をちゃんと聞いてくれた。

(採石場で)夢を語り合った

沢山のことを教えてくれた

なりたい大人の姿だった

そんな内藤さんが心の底から腐った悪党でしたなんて終わり方は寂し過ぎるもん。いい着地だと思うよ。

酷い裏切られ方したのに自分が夢の舞台に行くことを内藤さんに報告に行ってるのも好き。

大也 、ずるいわ…。

そして先斗が地球に残るエンドもナイスぅ!

地球をかつて捨てた男が仲間達が戻るまで地球の守護者となる終わり方は冨岡先生提案なんだとか。いやはやエモいを分かっておられる。

ブンブンジャー達と宇宙に行ったと見せかけてビュンディーは地球に残っており

「先斗にまだ見せてない小説があるのだ」

というこのお茶目な台詞。自作の恋愛小説を先斗が読まされてるって言ってたもんな

「なんだよ可愛いやつだな!」ってシーンの先斗。直前の旅立つ皆を見送ってるシーンの寂しそうな表情やトーンが一転するのめっちゃ好き。

ブンブンジャーBBGの為のチーム。ここからが本当のブンブンジャー

ハシリヤンとの戦いという長いプロローグは終わった。

彼らの夢は始まったばかり。

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おわりに

というわけで『爆上戦隊ブンブンジャー』最終回でした。

『キングオージャー』『ドンブラザーズ』と超個性派が続いた中で現れた王道で地に足のついた「こういうのがいいんだよ」な作品であり続けた本作。

「大人の戦隊」「余裕」「悲鳴」「自分のハンドル」というファクターがいずれも空中分解することなく終始綺麗にどの要素も上手に使っていて極めて見やすい逸品だったと思う。

極端なキャラ付けのキャラがいない割に敵も味方もしっかりキャラ立ちしてるのも良き。

総じて「落ち着いた雰囲気の王道戦隊」という感じ。

多分いつ誰が見ても常に一定レベルの面白さは保証されてるタイプの作品だ。

ファイナルライブツアー、そして『vsキングオージャー』も楽しみ!

FLTには調さんが全公演参加らしいがここだけの話、俺はFLTで調さん変身あると思ってるぜ?

来週からはまたしても味の濃そうなアニバーサリー作品『ゴジュウジャー』がスタート!もちろん感想もやっていくんでよろしく!

それではまた

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