前回 豪快なハンドル【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ43】感想 欲しけりゃその手で掴め
『ブンブンジャー』ファイナルライブツアーも行くつもりの男 アメイジングRYOです。
新幹線に乗るのがマジで年一回、スーパー戦隊のFLT行く時だけなんすよ…
ライブ前に食う崎陽軒のシウマイ弁当のうめえこと。うめえこと。
スーパー爆下展開に息が詰まった…44話を語って行きましょう…!
あらすじ
大也の持つ個人資産と全ての特許権が突如内藤が代表を勤めるLighttning Tech.へ名義変更されてしまう。
しかし何故か最終承認の処理だけがなされておらず、今はまだ全て大也の物という首の皮が一枚繋がっている状況で踏みとどまっていた。
大也はすぐさま内藤にこの行動の真意を問いただすべく2人の思い出の場所に向かう
一方、未来にも寝耳に水の事態が。勤めていたバイトの全てで解雇を言い渡されたというのだ。
「世界の全てが敵になる」
謝士郎の残した言葉通りブンブンジャーはじわじわと、しかし確実に世界から追い詰められて行くことに
そして大也の進む道にも過酷極まる「壁」が立ち塞がろうとしていた…
富も名誉も恩師も友も…底知れぬ絶望の果てに大也は…

若くして資産家で、大人で、信頼できる仲間も譲れない夢も持ち、子供の笑顔が好きで、どんな危機も不敵に笑って乗り越え、決して自分の進むべき道を見失わず、誰かの悲鳴を聞いて手を差し伸べられる「余裕」がある。
観ている誰もがあんな大人になりたい思える男。
そんな範道大也というヒーローから何もかもを奪うのに30分の尺をフルに使ったのが今回…。
凄かったね。最近の特撮って昔よりヒーローのピンチが容赦ない気がする。
しかしメタ的なこと書くとこっから逆転する訳だからその前振りとして限界ギリギリまで沈めるのってめちゃくちゃ大事だと思うんだよね。
では今回の大也、そしてキーマンの内藤の話をしていこう。
かつて隣室から聞こえて来た小さな悲鳴を無視してしまったことで起きた悲しい事件から早く余裕のある大人になって誰の悲鳴も無視しない人になりたいと願った大也は内藤に師事し多くを学んだ。
大也は内藤のようになりたいと願い、内藤もまた大也の可能性に期待していた。互いを尊重する素敵な師弟だったんだろうな。内藤が悪い大人になってしまったのはいつからなのか…個人的に昔から悪い人では無かったと思うんだけどね。
そんな2人を隔たのはただ一つの考え方の違い。
悲鳴を取り除き人を幸せにしようとした大也と、悲鳴が人の幸せを作ると考える内藤。
内藤の考えは決して否定できない一つの彼が言うところの真理である。劇中で言ったように自分より不幸な人間を指差し自分の幸福を実感することは誰にでも経験があることだろう。
利根川先生の名台詞「安全という名の愉悦をな!!」に通ずる。
大なり小なり人の不幸や悲鳴が金を生むってこともままある。最近話題の退職代行サービスみたいのだって言ってみりゃその延長みたいなもんだし。
社長である内藤は事業を拡大するのに他者の悲鳴につけ込むような真似をしたこともきっとあっただろうし、それは断罪されるような事じゃない。寧ろ大人の社会で勝ち抜くにはそうやって人の足元を見るやり方をすべきだと内藤は考えている。
だからこそ悲鳴を消そうと考える大也は内藤からすれば真理から目を逸らしている夢見がちな、無力だったあの頃となんら変わらない“少年”のままなのだ。
ここに気付くと内藤が一貫して大也を“少年”と呼び続けているのが一気にめちゃくちゃ悪辣に感じてくるから凄い。
11話で初登場した際の台詞
「(大也の「少年って歳じゃない」という言葉を受け)私にとっちゃあの頃のイメージのままだよ。少年!」
これも今となっちゃ嫌〜な感じに聞こえる…。
スピンドーの圧倒的な力を前に打ちのめされ、仲間を傷つけられ、目の前でブンブンがズタボロにされる大也。そんな大也に内藤は二択を迫る。
「相手に提示されたルートに従うしかない状況」自体が大也の「自分のハンドルは自分で握る」ポリシーを踏み躙る行為になっているのもポイント高い。冨岡脚本やべえ…
「全部くれてやる!」って大也にわざわざ言わせたのは言質をとって正式に大也の資産や特許を貰い受ける為。後から強引に奪われた!って騒がれないための計略。どこまでも悪い大人だ…。
「バクアゲだなぁ!…“少年”」
ここ痺れたね。大也虐めも極まった…
ブロリー「と思っていたのか?」
大也虐めはここからが本番!マジかよ!
全てを失う代わりに今すぐブンブンを助けるか、ブンブンを見捨て資産を守りこの先にある人々の悲鳴を救うか…
目の前の悲鳴を無視したことがトラウマになっている大也は前者を選ぶしかない。この行為も多分内藤からすれば子供の選択なんだろうな。
しかし助けに行けてもそれが間に合うかは別問題。届け屋が友に必死に伸ばした手は届くことなくブンブンは無惨にもゲキトツバスターの直撃を受けてしまう。
動かなくなったブンブンを前に大也はついに自ら悲鳴を上げてしまう…。まさに悲痛の演出、そして井内さん渾身の1シーンとなっていた。
内藤がハシリヤンと繋がっているって知った時のすんごい小さく表情動かして驚愕の感情を出すシーンも良かったなあ。
ちなみに今回の監督を務めたのは宮崎駿さん。もちろんジブリとは関係ない同姓同名の人ね。メイン監督やるのは今回が初だったんだとか…
初でこれ!?
助監督とかで参加自体はしていたらしいけどそれでも初メインでこれほどのものを…
『ゴジュウジャー』でも是非やって撮って欲しいもんだ。
攻略不可能!?ハシリヤン走大将の実力

ブンブン殺してブンブンと同じカラーになるスピンドー様キモいな…
まあモチーフはマイケル・ジャクソンのSmooth Criminalのスーツなんだろうけど。てかよく考えると元の姿は赤でこれもブンブンのカラーと被るな。
ついに本格的にバトルに参戦したスピンドーについても語って行こう。
元ネタらしく踊るように戦う様が敵ながら華麗で美しくそれでいて圧倒的。ごく小さい動きでもキレキレでアクターさんの演技が光る。
戦闘中にも度々やる帽子をグッと抑える仕草も超COOL!
重力を操ると思しき能力も披露。これがマッドレックスが言っていた「スピードの向こう側にいる」ってことなのか。それともまだ隠し玉があるのか。
攻撃を当てるたびに相手の上げた悲鳴をギャーソリン化し吸収。それによりパワーアップするという能力を持っているらしく、はやい話が殴るほど強くなるラスボスらしいチート臭い能力持っている。
『ポケモン』なら〝くろいきり〟。『ペルソナ』なら〝デカジャ〟持ち連れてこないとあかんやつだ。
ところで中盤のスピンドーの台詞
「苦しめて 泣かせて ぐっちゃぐちゃのササラモサラにしてやるわ。」
「ササラモサラ」とは静岡や山間部辺りで使われている方言で「めちゃくちゃ」「しっちゃかめっちゃか」という意味なんだとか。
「〇〇さね」とか日本の方言よく使うなスピンドー。
モデルがマイケル・ジャクソンで名前『ワイルド・スピード』で日本の方言使いまくるってだいぶササラモサラなキャラっすね。
それでちゃんとかっこよくてセクシーなんだから凄い。
キラーロボに乗り込み因縁のブンブンとの決戦も内藤の仕込み込みではあるが圧倒。ブンブンにトドメを刺したゲキトツバスターは40話ラストで内藤がスピンドーに説明していた高濃度のエネルギー体を使用した新兵器。
ちなみにその高濃度のエネルギー体とは10話で玄蕃と未来が(実際には調さんが)運んだアレのことなんだとか。あの頃から既に…!
これまで撒いてきた色んな種が花開く終盤っていいよなぁ。今回は悪者側の花が開いたけど、ブンブンジャーが今までやって来たこともまた花開くと信じてるぞ!
ところで少しズレるがちょっと思ったこと。
ブンブンキラーロボはキャノンボーグが宇宙の技術を用いて作ってLighttning Tech. がそれを量産したんだと思っていたんだけど、今回でキラーロボは内藤が作ったと発言していた。
つまり13話のキャノンボーグは人が作ったキラーロボをさも自分が作った感出して、やったことと言えばキラーロボの胸にクソデカラジカセ付けただけってことよね?
いよいよ残念な感じになったな改造隊長…
いや実際〝逆転アゲサゲ音頭〟は有効だったし、改造隊長なんだから既存のものを改造してパワーアップするのは何もおかしくないんだけどさ。
なんか…ね?
関連商品 マイケル・ジャクソン スリラー
次回
ブンブンの死を受け入れられない大也…
ブンブンジャーに迫る民衆達!
その時立ち上がったのは、かつて地球を捨てた男だった!
それではまた
次回 地球の敵【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ45】感想 他人のハンドル
余談
テロップ「CMの後はみんなで踊ろう!」
我々「いや踊ってる場合じゃねーだろ!」
みたいな流れってEDダンスがある戦隊の終盤あるあるだったけど、実際制作が空気読んで
「踊ってる場合じゃないんでダンスは無しにしました!」
ってされるとめちゃくちゃ気持ちが重いまま終わるからあの空気の読めないダンスって必要だったんだなって…
(EDダンス)踊れや。ブンの字…!
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