『80』怪獣ではギマイラとガモスが好きな男 アメイジングRYOです。
いつも作品を見ての感想ばかりだけどせっかく自分で作った大好きなヒーロー作品に好き勝手書く場なのだからもっと自由に色々やりたいと思い新しい形態での記事を投稿しようと思います。
ブログ開設して1年経つしな!
もうちょい間口を広げてみようということだ!
今回は「特撮オピニオン」と題して作品に対する勝手な見解をしていくコーナーです。
記念すべき第1回は今年で45周年を迎えるウルトラシリーズ第9作品目『ウルトラマン80』についての色々を一所懸命に書いていきます。
それではよろしく!
RYOは思った。
「このコーナー1回で終わる可能性全然あるな」と。
ポップアップストアに行って来ました!

まずはこちらから。
中野ブロードウェイの墓場の画廊にて『80』のポップアップストアが開催されていたので感想や様子を書いて行こう。
前には宇宙刑事シリーズの回を紹介したが墓場の画廊はこういった言ってしまうと(現代の観点からすると)ややマイナーな作品を特集してくれるのが嬉しい。
せっかく今謎に東映が推してくれてるし『怪傑ズバット』ポップアップストアとかやってくれると俺が喜ぶがどうかな?
では中の様子をちょっとだけ貼って行こう




ポップアップストアは5/19(月)までやっており現在は80の立像からユリアンの立像に切り替わっている。ユリアンの像なんて中々見れんぞ!
なんてことないデフォルメされたキャラクターシールセットなんだがそのラインナップが…
80!
ユリアン!
光の巨人!
光の巨人!?
あの8話の回想にだけ出て来た80のご先祖様(と思われる人)!?
ドマイナーなんて言い方じゃ「ド」が足りないくらいのマイナーキャラぞ!
抱き合わせとはいえアイツの商品出るのはもう『80』にのみフォーカス当てたこのポップアップストアだけだぞ間違いなく。
これは『80』が「俺たちのウルトラマンだ!」な人必見ですな。
そして更に今回のこのストアで2,000円以上お買い上げになると抽選券を一枚もらえて当たると後日お店で80orユリアンと握手できるという嬉しいおまけ付き。
ウルトラマンとの握手といえば『ウルサマ』や『ニューイヤーEXPO』などのウルトラショットがメジャーだがこの手のイベントのショットに80やユリアンが来たことって無い…と思うんだよ。やっぱりどうしてもちょっとマイナーだからなのかな。
つまりここで握手しとかんと次いつ80とウルトラショット出来るか分からんということ!!
我こそは桜ヶ丘中学OB、OGであるという方はやはりこちらも必見!
まあ中野ブロードウェイなんてオタクは一日中いれるくらいのおもちゃの森だから何か目的のついでにふらっと寄ってもいいんじゃ無いかな。
入場にお金とかはかからないし。
ウルトラマン80 教師編の魅力

続いて本編の話をしていきたいのだが、今回は『80』最大の売りであり特徴である1〜12話までの通称「教師編(学園編)」に焦点を絞りダラダラ書いていこう。
「今回のウルトラマンは中学校の先生だ!」って知った時の当時のちびっ子やオタクはどう思ったのだろうか。
それはもうまさしくセンセーショナルだったに違いない。
我々でいうとこの「次の仮面ライダーは果物と鎧だ!」くらいの衝撃だったのではなかろうか。
「光の国からやって来たウルトラマン80は人間の持つマイナスな感情から生まれるマイナスエネルギーが怪獣になると考え人間の先生 矢的猛の姿になり不安定で脆い心を持つ思春期の生徒達と交流を深めながら時にその心を救い、時に怪獣と戦い、マイナスエネルギー根絶の為にウルトラマン、先生、防衛隊の三足の草鞋で青春を駆け抜ける。」
というあらすじは今見ても斬新且つ魅力的。
怪獣とはなんなのか?という疑問に対し一つの答えを出したという意味ではこれまでのシリーズの総決算となっており人間の悪い感情が怪獣になる、怪獣を生むのは人間自身だという設定は後期平成仮面ライダーシリーズの先駆け的でもある。
子供の「心」を救う先生と人間の「命」を救うウルトラマンという取り合わせやマイナスな感情を取り締まるべく人格形成に重要な思春期の子供を見守る為に先生になったという理由付けも違和感はない。
教師×ウルトラマンという異色のドラマは良くも悪くもこれまでのシリーズとは一線を画し結果今なおどれともかぶらない強烈な個性を放つ作品になっている。
またこれは「教師編」に限った話ではないが『80』はとにかく特撮とアクションが凄い。まさしく運斤成風。業界内のウルトラシリーズファンにも「こと特撮に関しては80が最高」という人は少なくない。
UGMの主力機であるスカイハイヤーとシルバーガルはデザイン面のみならず出撃シーンもクオリティ高し。その他5話での四次元世界の表現や、11話の豪雨の中でガスを食べる怪獣メダンの不気味さの演出などが特に素晴らしい。
アクションに関して書くと有名なのは異常な打点のキックが挙げられる。第1話のクレッセントとの戦いでの両足キックをはじめ2話のギコギラーへの首キックなんかは多分中の人の顔に当たってないか?って位置に容赦ない蹴りが決まっていてビビる。
また着地のことを考えていないとしか思えないフォームでのキックが時折ありカットされてるだけで多分80背中から落ちてるだろって危険なキックも散見されこれも凄い…。マット敷いてあるにせよアレは怖いよ。
他にも3話のホー戦で見せるキックは相手を飛び越えながら後ろ足で蹴る(踏む)というスーパーマリオみたいな挙動を実際にやっていたり、ハイキック通り越してもはやただの落下みたいになってるキックもあり怪獣が心配でならないなど「教師編」だけでもアクションは話題に事欠かない。
スーツアクターは1〜8話までが赤坂順一さん、9.10.12話が奈良光一さん、11話のみ岩泉芳武さんが演じている。赤坂さんの動きは前述通り凄まじいんだが8話で降板している辺り怪我でもしてしまったのだろうか…
引き継いだ奈良さんの動きも見劣りしないくらい凄いんだけどね。
ではもう少しお話の内容についても触れていこう。
怪獣を中心にドラマが展開されるのが基本のウルトラシリーズだが『80』の「教師編」は猛と生徒達のドラマがメインという構成で怪獣は子供達の成長の為の試練、或いは子供達の「気付き」のきっかけになる為に登場するといった意味合いが強い。
学園ドラマとして見ると特に好きなのは
・失恋で傷ついたシンイチ少年のマイナスエネルギーから怪獣が誕生する3話「泣くな初恋怪獣」
・姉の結婚、父の再婚という環境の変化に心がついていかずグレてしまったスーパー(あだ名)にフォーカスを当てた4話「大空より愛をこめて」
・猛の教師としての成長も描きつつ本筋はSFボーイミーツガールに仕上げた12話「美しい転校生」
辺りがお気に入り。特に3話は貴重なマイナスエネルギーに関連する分かりやすいエピソードにもなっていて「ウルトラマン80という作品は本来全編こんな感じになるべきでは?」という気さえするエピソードだ。
3話の話をもう少しするとホーの硫酸の涙が地上に落ちてくるシーンの演出が好き。ドライアイスか何かを使ってるのかな?
4話はスーパーの姉として声優の島本須美さんが出演しているのが特筆するポイント。ジブリのナウシカとかクラリスとかコナンの新一のお母さんとかの人だね。声が異常に良くてすぐ分かると思う。
個人的にはイシズ姉さんのイメージ。
「お見せなさい瀬戸!」
またスーパーのお父さん役の武藤英二さんがめちゃくちゃいい味出してるのにも注目して欲しい。
12話は「教師編」のラストを飾る回だが最終回って見方をすると通常運転で肩透かしを喰らう。しかし普通にハカセにフォーカスした青春回と思えば悪くない。似たようなプロットの話はたくさんあるから『80』が学園ドラマだからこそ光る回になったと思う。
あと12話は怪獣ゴラとのバトルがかっこいいのよ。80と光線の撃ち合いをするんだけど怪獣がウルトラマンと光線の応酬をするのが珍しくって面白い。
11話と5話は特撮面で凄い回なんだがこの2つの話は普通のウルトラマンっぽいエピソードで学園ドラマや先生って要素がほとんど感じらない回なので一旦除外。どっちも面白いしおすすめではあるんだけどね。
怪獣ありきでドラマを作るのではなく、ドラマありきで怪獣が出てくる性質上学園ドラマパートはよく出来てるし、等身大の悩みを抱える子供達に向き合う猛の先生としての描写もおざなりじゃなくちゃんとウルトラマン先生をやれてる。
冗談みたいなメガネの厳しい女教頭、とぼけてるけど優しい校長、同僚の美人教師とキャラの配置が学園物の王道パターンで固められているのは古臭いとも、とっつきやすいとも言え生徒達についてもフォーカスされるのは基本4名だがあだ名でキャラ付けしているので飲み込みやすい。
総じてサブキャラは数はいるがキャラ立ちしていて把握は難しくない。
生徒達の悩みを解決し学園ドラマらしく爽やかに物語の幕が降りる様は他のシリーズにはない特徴だし、随所に流れるBGMが作品全体に独特の清涼感を漂わせている。
円谷もイロモノとしてではなく真面目にウルトラマン先生をやろうと真摯に作っていたんだなと今回改めて観て思った。
ウルトラマン80 教師編の問題点

次にこの「教師編」の問題点にも触れたい。
まず最初に触れたいのはやはり有名な事件から…
それはもちろん突然の「教師編」打ち切りについて
なんの前触れもなく12話を最後に劇中に学校は登場しなくなり生徒をはじめとした「教師編」にレギュラー出演していたキャラクター達は完全に黙殺され、以後UGMを中心としたドラマが展開される従来のウルトラシリーズのプロットになってしまったのだ!
昭和特撮で急に路線変わるのは珍しいことじゃないが問題はなんの事後処理もせず、区切りも付けずに突然物語のメインフィールドだった筈の学校が消えてなくなったこと。
マジで黙殺状態である意味ちゃんと全滅した『レオ』のMACの方が幸せだったのでは…?
『ウルトラマン』のホシノ少年みたいに初めからいなかったかのように完全に存在を無かったことにされるキャラはいても物語の軸がある日引っこ抜かれて別のとこに刺されるって流石にそうないぞ。
「フフ…下手だなあ昭和特撮くん。へたっぴさ…路線変更の隠し方がへた…。」
後年「思い出の先生」という「教師編」の最終回とも言える名作が生まれたのでなんとか供養出来たがあくまで『80』本編だけで考えるとこの終わり方はあまりに残念と言わざるを得ない。
次に「教師編」の中身について。
前述通りドラマありきの構成に怪獣を当てがう作りな関係上学園ドラマがしっかりする反面ウルトラシリーズ本来の持ち味たる怪獣ドラマ成分がかなり薄くなってしまっている点は感じたかな。
俺は怪獣が見たいんだ!って人からすると物足りないかも。
また大きな軸である筈のマイナスエネルギー設定を全然上手く使えてない点。
人々のマイナスな感情から生まれたマイナスエネルギーが怪獣になる。この基本設定が上手く使われているのは「教師編」に関しては3話のみと言ってもいい(てか全話で考えても多分マイナスエネルギー怪獣はせいぜい3〜4体)。
他の怪獣や宇宙人は正直どいつも普通のウルトラシリーズに出て来る怪獣と変わらないのよね。宇宙から来たとか山に封印されていたとか。
好意的に考えるならそうやって怪獣が現れるの自体人間の放つマイナスエネルギーのせい。マイナスエネルギーによって怪獣が東京に引き寄せられているとかって思えなくはないんだけど…
素直に「生徒達が悩みからマイナスエネルギーを出してしまいそれによって怪獣が出現してしまう。猛は生徒の悩みを解決し最後は怪獣倒しておしまい。」ってプロットを繰り返すんじゃ話の幅が狭いのは分かるんだが。
てかこれって『ウルトラマンギンガ』とか『仮面ライダーフォーゼ』じゃね?
80年にすでにこれらになり得る下地を作っていたとは先見の明が凄い。
マイナスエネルギー設定は色々と早すぎたのかもな。
なおこのマイナスエネルギーだが「教師編」終了と共に作中では一切触れられなくなる。どう考えてもマイナスエネルギーで誕生した怪獣である妄想ウルトラセブンが登場する回などでも頑なに言及しない。
なんでだ!
別に「教師編」捨てたからってマイナスエネルギーまで捨てるこたねぇだろうよ!!
より細かい話をすると生徒のレギュラーメンバーだったハカセ、落語、スーパー、ファッションの4人の中で紅一点のファッションだけメイン回がないまま終了してしまったことも残念ポイント。
それどころか「教師編」最終話である12話のファッションは物語の都合上凄い嫌なやつにされていてそれで「教師編」は終わってしまうので名誉挽回することもなく黙殺というあんまりな扱いに思わず涙の味。
ウルトラマン、教師、UGM隊員という要素を1人のキャラが持つのはしんどかったのか尺の都合もあって全体的に中途半端になってしまっている部分もありどれかに集中出来ればもっと面白いだろうにと惜しいと思う場面もチラホラ。
とまあ良いとこもあれば悪いとこもあるわけだが『80』の場合新しいことをやったことで扱いきれなかった部分が出た感じ。
それはある程度は仕方ないことでそれがノウハウになって次に繋がるのだからこれらの問題点もまた今日のウルトラシリーズは支えているのだ。
少なくとも「教師編」は前のめりにぶっ倒れたシリーズだと私は思う
ニュージェネならば…

ウルトラシリーズの主人公は防衛チームに所属しなければならない。
これは過去の常識だったが今は違う。
『ギンガ』から始まったニュージェネレーションでは防衛チームに所属しないウルトラマンは今や珍しくない。
『80』から45年でウルトラマンはさらに自由に進化した。
今ならば防衛チームの一員要素をオミットしてもう一度ウルトラマン先生をやれるんじゃないかと私は常々思っていたしやって欲しいともずっと思っている。
私はウルトラマンと先生という組み合わせにまだまだ可能性を感じているし今やノウハウは蓄積され『80』では扱いきれなかった数々の要素を昇華出来る下地がある筈。
主人公は学校とか塾の先生でウルトラマン、そして防衛チームには別のレギュラーキャラがいてそれぞれの軸で話が進み怪獣に対応していくとか、或いはもう防衛チームは無しで本当に純粋にウルトラマン先生をやるとか妄想は広がるばかり。
まあ題材的にTVドラマより単発作品とか映画とか向きな気はしないでもないがそれならそれでも良いからとにかくやって欲しい!
もう一度挑戦して欲しい!
このまま眠らせておきには惜しいと思うんだよ!
実際考えるとウルトラマンという巨大ヒーローと学園物って相性悪いんじゃね?とか過るんだけどまあそこは上手いことやっていただいて…
とにかくいつかまたウルトラマン先生が見れることに期待したい
おわりに
というわけで『ウルトラマン80』に関するアレコレでした。
長くなったので要約すると
「もっかいウルトラマン先生やって!」
これに尽きます。
あと今回は「教師編」の話をしたけどこれ以降も色々路線変更を繰り返しつつ面白いエピソードあるし個人的に『80』って割と打率高い作品だと思うのよ。
人類のウルトラマンからの卒業を描いた最終回はガチの名作だしな。サブタイは変だけど!
まだ観たことないって人は是非ツブイマ入って全話見てあなたも桜ヶ丘中学の生徒になって45周年をお祝いしよう!
それではまた


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