前作 【キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド】感想/紹介 これハルクの新作じゃね?
豪雨が降り、サンダーボルト鳴り響く中今作を観に行った男 アメイジングRYOです。
ある意味最高のシチュエーションだったかも知れない!
バッグに入れてたモバイルバッテリーが水没したけど!あと入れてた買ったばっかの白いシャツがめちゃくちゃ汚れたけど!
さあ今回は2025年内MCU映画2作目にしてフェーズ5の最終作となる今作の感想/紹介をしていきますのでよろしくお願いします!
「その写真俺だよ!」
あらすじ
エレーナ・ベロワは姉(ブラックウィドウ/ナターシャ・ロマノフ)を失って以来虚無感に苛まれながらもCIA長官 ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌの依頼してくる闇の仕事を淡々とこなす日々を繰り返していた。
父 レッドガーディアン/アレクセイ・ロマノフとの久しぶりの再会を経てエレーナは次の仕事を最後にスパイとして闇の世界で生きる人生に区切りをつけることを決める。
そんなエレーナにヴァレンティーナが与えた最後のミッションはとある研究機関に潜むターゲットを暗殺すること。潜入に成功したエレーナはその機関が超人を生み出すためのセントリー計画なる実験をしていることを知るのだった。
ターゲットを探すエレーナの前に現れたのは同じく指定されたターゲットを始末するためにやって来た世間に悪人として知られる者達
USエージェント/ジョン・ウォーカー
ゴースト/エイヴァ・スター
タスクマスター/アントニア・ドレイコフ
そして何の力も持たない謎の青年 ボブ。
なぜ彼らが集められたのか…ボブの正体とは…
それら全てが繋がった先に誕生する最強ヴィランを倒すべくヒーローになれなかった者達が立ち上がる。
アベンジャーズのいなくなった世界で新たな『象徴』となるのは果たして…
負け犬達は新たなる希望になれるのか!?

MCU最新作にして前談通り『アントマン&ワスプ:クアントマニア』から始まったフェーズ5の最終作となる今作。
フェーズ6の開幕一発目となる7/25(金)公開の『ファンタスティックフォー:ファースト・ステップ』をめちゃくちゃ楽しみにしているので個人的にはその前哨戦となる今作にも期待していた。
ちなみにF4と『ガヴ&ゴジュウジャー』の公開日が被ってんのよね。日米問わないヒーローオタクには嬉しいやら悲しいやら。もちろん2作とも記事は上げるんでよろしく!
今作は予告などのイメージから詳しい人ならDCの『スーサイド・スクワッド』みたいな映画になるのかな?と思ったんじゃなかろうか。
私もそんなイメージで見に行ったんだ。元悪党だからこそできるヒーロー然とした振る舞いに唾を吐くようなムーブの数々を見れるのかなと思っていた。
いたのだが…。
実際蓋開けてみると全然そんなことはなく、かなり真っ当にヒーロー映画やっているいい意味でいつものMCUだったというのが率直な感想だ。
明確にヴィランが集められているからこそモラルもヒロイックもない大暴れが出来るスーサイドに対し、今作のサンダーボルツのメンバーはそれぞれ道を間違いはしたが基本的には善人だったり被害者だったり情状酌量のバックボーンがあったりといったメンバーなので根底が違うのよねそもそも。なのでスーサイドみたいになるって予想自体が実は的外れというか。
で、結局のところ今作が面白いか否か、という話なんだが…
難点はあれど面白い!!
と言っていいだろう。
難点に関しては後述するとしてザックリ面白かったポイントについて書いて行こう。
まず各キャラクターのキャラ立ちは非常にいいと感じた。メインとなるキャラは皆過去シリーズですでに登場しているので追っているファンならどういう奴らなのかをすぐ飲み込めると思うがそこから更なる掘り下げがなされていて既存のキャラ達の新たな一面に触れられたのは面白かった。
主人公となるエレーナは『ブラック・ウィドウ』で見せた姉へのウザ絡みキャラはすっかり鳴りを顰め自分自身の虚無感に苦しみながら戦い、時に弱さを曝け出し、同じく痛みを抱える新キャラであるボブを不器用ながら導くヒロイックなキャラクターに変化。一方でアレクセイへの塩対応や態度の悪いサンダーボルツのメンバーとは得意の憎まれ口で言い合いになる従来の性格も健在。
仲間達を導くリーダーというよりはサンダーボルツの長女のようなポジションに収まっているのがアベンジャーズの姐さんだったナターシャを思い出させ、総じて乙女な部分とヒロイックな部分のバランスが良いキャラになっていたと思う。
『ファルコン&ウィンターソルジャー』初出のジョンはドラマシリーズでは二代目キャプテン・アメリカとしての責務を全うしようと必死に先代のような善人を演じていたが、名声を失った本作では生来の嫌な奴っぷりを遺憾無く発揮。またスティーブと比べられるような発言をされるとノータイムでブチギレるなど分かりやすい弱点がある種の笑いどころにもなっている。
ジョンの闇となっている過去は結構生々しいというか…こういうご家庭ってありそうだよなと未婚ながら感じたね。
前作からイケメン議員というサムとは違う立場で世界を良くしようと頑張っているがどうも発言がふわふわしていてぶっちゃけ向いてない感半端ないバッキーは中盤のカーチェイスシーンでの活躍が目覚ましい。『ターミネーター2』とか『ミッションインポッシブル』感が凄い。
『ウィンターソルジャー』でフューリーの車を吹っ飛ばしたあのピタってくっ付く爆弾を使ってくれたシーンはアガったね。あのシーン好きなのよ。
なんやかんやチームで1番いい子ちゃんで能力的にも1番目立つエイヴァ、ある意味衝撃の出番のアントニアと他のメンバーもやはり個性的な活躍をしているがその中でも飛び抜けて良いキャラだったのアレクセイだろう。
今作のアレクセイはもう最高よホントに。
栄光を取り戻そう、アベンジャーズのようなヒーローになりたいと誰よりも名声に憧れを持ちながらも上手く行かず過去の栄光にすがり昔の自分のビデオを1人で見る毎日を送り、今は変なリムジンで運転手の仕事をしているのだがこんな境遇なのにとにかく明るい。チャンスが来るや飛びつくハングリー精神とバイタリティを持ち、過去の失敗や今の不遇を引きずらず前しか見ない姿には「いくつになってもこうありたい」と思わせられる魅力がある。
そして相変わらずの娘への溺愛っぷりと色々ズレてるぶっ飛んだ行動で絵面が地味になりがちな今作を彩り、笑いを誘う。それでいてメインとなるエレーナを食ったりはしないのがバランスがいい。
サンダーボルツは戦うためのチームというよりは「家族」なんだと感じさせられる場面が多いが、アレクセイはまさにチームの父。
同じく偽キャップなジョンとは揉めたりするかなと思っていたがなんのその。ジョンだけじゃなく失敗をして来た、傷を抱えた仲間達をべた褒めし肯定し受け入れる様は今作もっとも記憶に残ったポイントかも知れない。
あと吹き替えで見たから大塚明夫ボイスの陽気なおっちゃんって最高だなって。渋かっこいいおっさんよりこのタイプの明夫さんのが好きかも知れない。
それとサンダーボルツ以外のメンバーでいうとヘイト要因ながら飄々と立ち回って周囲を操り最後までやってくれるヴァレンティーナもこれまたキャラが立っていてナイス。人によってはムッとさせられるとは思うが。
さっき「そもそも物が違う」って話したばっかで恐縮だが割とまんまスーサイドのアマンダポジションなんだよな。
…ってことはいつかアニメになってEDで踊り出すってこと!?
とまあとにかくキャラクターは皆個性的でナイスなメンツだし、それぞれが傷を抱え誰もヒーローでも天才でもないというアンダードッグ感が共感を呼びきっと感情移入させられたり好きになれるキャラに出会える筈だ。
バラバラだった彼らが一丸となり共に戦い同じ方向を見て「家族」となるまでの物語は心に刺さった。
それと今作は度々「アベンジャーズはもういない」というのを宣伝文句に使っていて作中でもそれは言われている。
これは単に「ヒーローがいない今どうしようもない奴らがヒーローの代わりをやるしかない」という意味ではなく最後の最後に大きな意味を持つワードだったりする。
わざわざ「アベンジャーズ」って単語を使うことにそういう意味があったのね!と膝を打つこと請け合いのギミックにも注目してもらいたい。
今後の扱いに注目!最強ヒーロー その名はセントリー

今作登場の新キャラクター セントリー/ヴォイドについても触れておきたい。
セントリーはコミック『ワールド・ウォー・ハルク』で存在を元々知っていたので今回実写化されると知り楽しみだったキャラクター。
薬を飲んだら体内に太陽1000個分だか1000000個分だかのパワーを宿したという金髪とタイツにマントの前時代的ヒーロー像まんま(てかほぼスーパーマン)なコスチュームが特徴のスーパーヒーローで上記コミックでは最強ブチギレモードのハルクと互角に殴り合ったほどの強キャラだ。
…いや薬飲んだだけにしては強くなりすぎ!コスパも最強かよ!
圧倒的に強い反面、セントリーとなった青年の元々の人格が災いして悪の人格 ヴォイドが時折目覚めてしまうという弱点があり、そうなると途端に最強ヒーローから誰も止められない最強ヴィランになってしまうというなんとも難儀で取り扱いの難しいキャラクターである。
セントリー誕生からヴォイド周りの話は今作のドラマパートの主軸となっている部分であり、彼を救うことがサンダーボルツにとっての戦いとなる。また今作がメンタルヘルス映画と呼ばれる所以の大部分を占めている理由だ。
ここまで書くと分かるかもだがこのセントリーの性質はハルクに非常に近い。最強のヒーローにもヴィランにもなり得るという二面性は今作だけでなく今後も面白い使われ方をしていってくれそう。ってか当のハルクがもうそのポジションやれないから実質代替わりみたいなもんよね。
ある事情からセントリーとサンダーボルツが戦うことになるバトルシーンの怪力、超スピード、超反応、念動力を使っての圧倒的な強さは痛快。
人vs神に等しい超人という構図がワクワクするし、大苦戦を強いられるサンダーボルツ側の動きもかっこいいのでセントリーの強さだけじゃなくそちらにも注目して欲しい。
原爆によって地面に人影が焼きつく様をモデルにしたというヴォイドの人間を次々に影に変えるシーンもあまりにあっけなく人が消されていくのがゾッとするしその際のSEにも不安を掻き立てられてヒーロー映画ではあまり感じない気持ちになってこれもまた良き。
ただ今作はセントリーのオリジンを消化するのに終始していて暴れっぷりに関してはやや控えめに終わっているので本格的な活躍はフェーズ6に期待したい。
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ドラマ良し!キャラ良し!しかし…

最後に今作のイマイチポイントについて。
単刀直入に書いてアクションだね。
ヒーロー映画の肝たるアクションがかなり薄味気味だったと思う。
前述通りバッキーのカーチェイスやサンダーボルツvsセントリーなど記憶に残る場面が無いわけじゃないがそれでも全体的にパワー不足と感じた。
まあアクションシーン以上にドラマパートが濃かったとも言えるんだがそれでも「あそこのアレめっちゃかっこよかった!」ってのがあんまり浮かばないんだよな。
それとアベンジャーズは超人兵士がいて、ハイテクアーマーがいて、神様がいて、スパイがいて、アーチャーがいて、緑の怪物がいてって感じに色んなパワーソースを持つキャラが一つのチームになって戦うからアクションのバリエーションが多彩。X-MENはそれぞれの持つ特殊能力を使いながら戦うのが面白い。
しかしサンダーボルツのメンバーは見ての通り全員パワーソースが似たり寄ったりの超人属性ばかり。必然的にアクションに個性を持たせるのが難しく皆殴って撃つだけになりがちなので画が地味になってしまっていた。
唯一個性的な能力を持つエイヴァも基本的に「消えて殴る」みたいなことばかりなので多少見栄えが良くても全体の欠点をフォローするには至っていない感じだったか。
もっともこの辺りも含めて「誰もヒーローじゃない」という今作の大事なテーマに繋がってくるので否定ばかりは出来ないのだが。
後半は精神世界のようなところに飛び込むことになるのだがこの辺はドラマとしては良くてもアクションとして見るとちょっと…
そもそもこういう物理法則も何も関係ない特殊空間でのアクションって個人的になんでもありになり過ぎちゃっててちょっと乗れないのよね。
ただ、これまたやはり後半だがみんなが市民を助けようと頑張るシーンは凄いかっこいいしいいアクションにもなっている。
やっぱり「倒す」のではなく「救う」ことがヒーローを最も輝かせるんだなあと再認識する映画だった。
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総評
というわけで『サンダーボルツ』でした。
キャラクター◎
ストーリー◎
アクション△
ってのが個人的な最終評価かな。
意外とエグいシーンもないし話が話だけにファミリー映画として推していきたい逸品。
結構真面目にGW向けの作品だと思うよ。
まあ『マインクラフト』やら『コナン』やら差し置いてこれ行くかと言われるとアレだが面白いことは間違いないし想像以上にほっこりさせられるいい映画だぞ!
次回からついにフェーズ6!
F4超楽しみ!!
それではまた
余談

見終わったらタコスが食べたくなるよ。