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『ファルコン&ウィンターソルジャー』(以下『バキ翼』)もバッチリ予習してから観に行った男 アメイジングRYOです。
昨年はMCU関係が『デッドプール&ウルヴァリン』しか無くて(個人的にあまりアレをMCUとは思ってないけど)供給過多は困るが、少ないなら少ないで寂しいという微妙な気持ちにされたが今年は本作を皮切りに『サンダーボルツ』『ファンタスティック・フォー』の公開が確定。
今年もMCUには楽しませてもらいましょう!
それでは二代目キャプテン・アメリカの活躍を描いた『ブレイブ・ニュー・ワールド』の感想と紹介をしていきます。
アッセンボォ!
あらすじ
ある時はハルクを追う怒れる男
またある時はソコヴィア協定制定に尽力しアベンジャーズを引き裂く要因の一つとなった男
そんなヒーロー達と敵対してきたサディアス・ロスがアメリカ合衆国大統領となった日から100日が経とうとしていたある日事件は起きた
インド洋に出現した巨大な物体から採取された未知の万能元素〝アダマンチウム〟がサイドワインダーと名乗るヴィランが率いるサーペントなる犯罪者グループによって盗まれてしまったのだ
メキシコの修道院に陣取ったサーペントはそこでアダマンチウムを正体不明の買い手に渡すつもりの様子。
この事態に立ち上がったのはその手にヴィブラニウムの盾を、その背に鋼の翼を携えた新たなる『象徴』
キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソン!
しかしこの事件は始まりに過ぎない
サム、そしてロスは巨大な困難とかつての過ちに直面する。
新生キャプテン・アメリカ始動!

今作は『エンドゲーム』でスティーブから盾とキャプテンの名を受け継いだサムが主役を務める新たなるキャプテン・アメリカの物語。
大統領となったロスの失脚を狙った何者かの計画にサムの友人が巻き込まれてしまい彼の無実を晴らすために黒幕を追うというのがストーリーの大筋で全体的にスパイ映画のような雰囲気に仕上がっていてマルチバースが関わって来たり、地球の危機!みたいな極端にスケールの大きい話ではない。
それが却って「スティーブじゃ無くなったけどキャップの映画が帰って来たなー」って感じにさせてくれた。
やはり気になるのは新生キャップがちゃんとかっこいいのか、というところだと思うが…
ここに関しては概ね文句なし!
無論スティーブとは全然違うがサムにはサムにしかない良さがあってそれを存分に感じられるようにもなっている。
本作を見てるとスティーブとサムのヒーロー性の違いは『仮面ライダー』における本郷と一文字の関係に近いのかもしれないと感じた。
高潔な精神を持つ絶対的ヒーローであるスティーブや本郷に対して、サムや一文字はヒーローだが優しいどこか気のいい近所の兄ちゃんみたいな親しみやすさがあると言うか。
バトルシーンに関してもスティーブとの差別化には成功している。
血清によって作られた強靭な肉体と盾を武器に多少のゴリ押しも可能な超人然とした戦い方が可能なスティーブに対し、サムはスティーブと共通のシールドスローを使いながらワカンダ制のメタルウィングも利用し空陸を自在に行き来し戦うので見栄えもいいし画的にスティーブより派手に感じる場面も多い。
なんといってもサムには空中戦があるからね。中盤のクライマックスである戦闘機とのハイスピードなバトルシーンはまさにファルコン+キャップという今のサムの全てが詰まったバトルシーンになっているので必見。
しかしながらサムはあくまで血清無しの常人なのでスティーブなら楽に乗り越えそうな場面でピンチになったりするシーンもあったりと2人の違いを明確に感じられるようになっている。
…まあサムってファルコン時代からヘルメット無しでビュンビュン空中飛んでバキバキ戦闘した上に『ファルコン&ウィンターソルジャー』で訓練したとはいえスティーブのシールドスローを完璧に体得したりしていて本当に常人なのかだいぶ怪しいんだけどなこの人。
血清打ってくれてる方が納得いくわ!ってシーンが多い。
今回ピンチの時に「血清を打つべきだった…」とサムが嘆くシーンがあるんだが今のスペックで血清まで打ったら化け物になるぞアンタ。
ちなみにワカンダ制ということでサムの新しい翼には「あの機能」が搭載されておりこれを使ったアクションにも注目して欲しい。
サムがスティーブに触れるシーンこそあれどそこまで先代のキャップを擦るような展開が無かったのも個人的には嬉しいポイント。あくまでサムの物語になっている。
自分はキャプテン・アメリカだがスティーブ・ロジャースじゃない。サム・ウィルソンとしてのキャプテン・アメリカを見せてくれる本作は新生キャプテン・アメリカの始まりとして上出来と感じた。
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名優ハリソンが魅せる!ロス大統領の苦悩

本作もう1人の主人公 サディアス・ロス大統領について。
初登場は『インクレディブル・ハルク』でその後『シビル・ウォー』に登場するなどしていたがメインに置かれることの無かったキャラクターだが今回ついに準主役とも言えるポジションを獲得した。
なお前2作でロスを演じたのはウィリアム・ハート氏だったが2022年に逝去。今作よりロス役は『インディ・ジョーンズ』などでお馴染みハリソン・フォード氏が引き継ぐことになった。
かつてはヒーローと敵対することの多かったロスだったが今作冒頭で大統領に就任。過激だった過去を反省して真の恒久的平和をもたらすよう尽力すると国民に宣言することから物語は始まる。
割と前振りなく突然将軍から大統領になるのだがこれにはもちろん秘密が。それも今作の肝となっている。
ロスのかつての行いを回想するシーンでは過去映像がまんま使われるのだが、まんま使われてるのでもちろんロスはウィリアム氏になっている。
違和感が生まれるのは承知だろうにそうした事には俳優へのリスペクトを感じる。
さて何より書きたいのはハリソン氏が魅せるロスの苦悩である。本作で割と1番気に入ってるポイントかも知れない。
大統領という凄まじい重圧に耐えながら、かつての自分の「間違い」に追い詰められながらもなんとか最悪の事態は避けようと戦うロスは見ていてこっちもしんどくなってくる。けどそうなるのも仕方ないくらいロス本人がやらかしてるので残当という救いの無さ。
しかしながら過去の自分を反省し良き人間になろうと頑張っているのもめちゃくちゃ伝わるようになってるしで胸を打たれる。そうかと思えば追い詰められると短期で攻撃的な生来の根っこが顔を出すから「お前…ほんま」って気持ちにもさせられるし。
とにかく株の乱高下がとんでもない。
複雑なキャラなのにハリソン氏の卓越した表情の演技でシーンごとのロスの心情が手に取るように分かるからこれまたとんでもない。
彼が過去を反省した理由には娘のベティの存在もあるのだがこの辺のドラマに関してもいい感じ。ラストシーンとかちょっと泣きそうになった。
ここでついでに今回のヴィランとして大々的に取り上げられているレッドハルクについても書いておこう。
その名の通り赤い肌のハルクで原作では怒るほどに体が熱を帯びるという設定があるのだが今作では赤いだけで能力に関してはハルクと概ね一緒で熱の設定は無くなっている…
と思いきやキャップvsレッドハルクの決着辺りでこの設定が結構上手い使われ方しているので注目して欲しい。
ズバリ、ポイントは「怒るほどに体が熱くなる」ということだ。
さてレッドハルクの戦いぶりはどうだったかというとこれはもうまさにハルクの再来。超パワーで理性なく守るべきものすらガンガン破壊するあのハルクが久しぶりに帰って来たのだ。
両手を思いっきり叩いて衝撃波を出す〝サンダークラップ〟までやってくれて嬉しい嬉しい…
バナーは『エンドゲーム』以降、理性とハルクの肉体を同居させるようになってしまい、みんなの大好きな怪物(ヒーロー)としてのハルクは実質消滅してしまいハルク不足だったんじゃない?
俺はそうだったぞ!
『シーハルク』もそんなめちゃくちゃハルクが暴れるって感じの話じゃなかったし。
なんでも配給会社の関係やら、映画権をユニバーサルが持ってるやらってややこしい事情で『ハルク』シリーズの単独作は作れない(ことはないが作っても会社的に旨みが少ない)状況らしいので『キャプテン・アメリカ』のタイトルでハルク映画をやったのが今作って見方も出来るかも?
ハルクと因縁深いロスを今回出してメインに据えたのもそう感じさせる要因だ。
ホワイトハウスを気前よくぶっ壊しながら暴れる久しぶりのハルクをみんなも観に行こう!
関連商品 マーベルレジェンド レッドハルク【ブレイブ・ニュー・ワールド】
事前知識が結構必要?履修作品はこれだ!

さて最後にMCUには常について回る「他作品との繋がり」について書いていこう。
大前提何にも知らなくても楽しめはする、というのは覚えておいて欲しいんだが詳しく知ろうとするなら結構観ておいた方が良い作品がある。
まずやはり『インクレディブル・ハルク』は観ておけるといいね。ロスが出てるからね。彼が元々どういう人なのか、そしてハルクとの因縁も知っておくとより本作に深みが出る。
次に見ておきたいのはドラマの『バキ翼』だ。私は未履修だったので一週間で全話観てから行ったがこれは大正解だった。
上記画像の2人を簡単に説明すると左がイザイア・ブラッドリー。忘れられた黒人の超人兵士。
右がホアキン・トレス。二代目ファルコンになろうとするサムのサイドキック。
それぞれサムの友であり協力者で初出が『バキ翼』なので観ておけるとスッと飲み込みやすい。2人共映画内で重要なポジションだし。
それとドラマにも登場したサムのドローン兵器であるレッドウィングちゃんもドラマに続き大活躍。ずっと有能。今回は空中戦で大役を果たす。
まあ『バキ翼』自体がサムがキャップの名を継承する物語で今作のエピソード0的な作りだし『サンダーボルツ』にも繋がってくるし観といて損のない話なんで時間があれば是非。全6話。トータル250分くらいじゃないかな。
あらすじで書いたインド洋に出現した巨大な塊ってのは『エターナルズ』の出来事なのでこれも観ておけるといいね。
にしてもついにMCUにもアダマンチウムが…。
あとは細かいとこだけど『ブラック・ウィドウ』も観とくとあるキャラの設定が飲み込みやすくなる。
とまあザッとこの辺知っておけるといいかな。
繰り返すけど「絶対見なさい!」じゃないよ?
知らなくても全然楽しめるからね。怖がらず行ってらっしゃい。
で、「めちゃくちゃ面白かった!もっと面白くなりたい!」って思ったのなら上の作品も観てみよう!
総評
というわけで『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』の紹介/感想でした。
新生キャプテン・アメリカ始動となる本作はちゃんとサムを好きになって貰えるように作っていて、クリエヴァの人気には負けないぞという気合いを感じる。
ストーリーはシンプル故分かりやすいし落ち着いた雰囲気で進むので見やすい。
ビジュアル的にやや地味、キャラ立ちがちょっと弱いと感じる場面はあるがアクションシーンになればそういった不安も消し飛ぶしレッドハルクが全てを破壊してくれるので安心だ。
新たなキャップ映画の皮を被ったハルク映画でもあるというある意味贅沢な本作を是非映画館で!
それではまた
次回 【サンダーボルツ】感想/紹介 これはファミリー映画だ!
余談
書くとこなかったんでここで書くけど今作の黒幕は原作ではそこそこポピュラーなヴィラン。
…なんだけど最大の特徴がオミットされている悲劇。
まああのビジュアルそのまま実写にしたらちょっと間抜けっぽくなりそうだし全然いいんだけどね。
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