前回 まぶしくて戻れない瞬間【仮面ライダーガヴ 第44話】感想 子供の成長恐るべし
Switch2が手に入りましたので誰にも奪われないように気をつけている男 アメイジング RYOです。
電車ん中とかでやるのはまだ怖いので家でこっそりドンキーコング バナンザやってますね。
ショウマの決断に震えた45話を語っていきましょう
あらすじ
突如はぴぱれにニエルブがやって来てショウマに思わぬ提案を差し出した。
「君、ストマック家の新しい当主にならない?」
ショウマは自問する。
今ある自分の居場所を守るか、世界全部を救うために居場所を捨てるかを。
一方、ラキアのお見舞い行こうとしていた絆斗と同行する事にした幸果は初めてラキアのグラニュートとしての姿、そしてラキアの犯した罪を直視することとなる。
ショウマの選択 ニエルブの籠絡

「(どうする?このままここで暮らすか。それとも…」
これまで闇菓子に堕ちたバイトやストマック家に向けて来た問答、ショウマの決め台詞が自分に向けたものになるのいいよね…。
そして最後にはもう誰にも奪わせないために眩しい世界に戻らない事を決めただ1人歩き出す…
たまらんね。この悲哀に溢れたヒロイック!
この作品は本当に根っこが仮面ライダーだなって思うよ。
自己犠牲の高潔な精神だけじゃなく世界の幸せと自分の幸せを天秤にかけて苦悩し、どちらを選ぶべきかは明白ながらも心の中では「(でも俺、ここにいたいなぁ)」って素直に自分の幸せも捨て難いと思ってしまっているって描写も良かった。
ショウマは決して完璧なヒーローではないってのを表す為にもあの独白は必要。
久しぶりに出て来た一般闇菓子中毒バイトもただの賑やかしじゃなく、闇菓子欲しさに人間界に潜伏するグラニュートがいる事は日常である事を分からせてくれた。そしてそんな歪んだ日常を正すにはやはり誰かがグラニュート界を根から変えなければいけないとショウマの決断を固める要因となった。一般怪人を出すことにもシナリオ上で意味がちゃんとあるのが上手い。
一方、ショウマに選択を迫ったニエルブの巧みな交渉術にも触れたい。
まずショウマを赤ガヴではなくショウマと呼んで交渉を迫るところが既にいやらしい。
家族からの愛に飢えている部分があるショウマが兄のニエルブから急に嘲り混じりのあだ名じゃなくてちゃんと名前を呼んで貰ったら否が応にも話を聞こうって姿勢になっちゃうと思うんだよね。名前で呼んでくれたことに対して(え…?)ってなってるのはショウマの表情からもよく分かる。
そして多分ニエルブはそれを分かって名前で呼んでるのよ。いやらしいわーこの次男。
的確にショウマが望んでいる事を提示し、自分の求めるものはショウマからすれば些細なもので貴方にはメリットしかないよと思わせ、頭の回転が早いなど褒め、更に実は自分はずっと味方だったんだという秘密のカードを最高のタイミングで切って着々とショウマの警戒を解いていく。
特に最後のやつなんて正直ショウマの体質が面白いから実験がてらやった事じゃないの?って気がするんだけどショウマ側にはそれを否定する材料がないし、助けたという事実だけはある状態だからニエルブの言葉を今は飲み込むしか出来ない。
極め付けはショウマからのヒトプレスの解放の要求を飲んで即実行。これをされてはショウマとしてももう引き下がれない。僕と組めばメリットがあるよと即証明して来るのも実に巧み。
結果ショウマはニエルブの思惑通りの選択をしてしまった。頭脳キャラの見せ方としては抜群だったね今回の交渉は。
闇菓子がどうでもいいってのは本音だと思うんだよね。だからこそヒトプレスも手放した。でもストマックをグラニュートの支配者にしたいってのは多分詭弁だね。
ニエルブはただ自分の好きな研究をしたい、その為には後ろ盾が必要だが盾自体はストマック家だろうがジャルダック家だろうがショウマだろうがどうでもいい。
ジャルダック家よりは遥かにコントロールしやすいショウマが大統領にでもなってくれれば万々歳だ。研究資金はガッポガッポで仕事の無茶振りされる事も無くなり、どうでもいい闇菓子絡みの開発研究もせずに済むから好きな研究だけ出来る。
強かで狡猾、まさに蛇のようなこのいやらし次男と手を組んでショウマは本当に大丈夫なんだろうか…
ラキアの罪と幸果の許し

幸果さんって人間としてある程度完成してしまってる故に単独での悩み成長するみたいなドラマがほぼ無くてどうしても男共を見守り支えるママって役割が大半だから今回は久しぶりに迷う幸果さんが見れたね。
みんなの幸せを願うならば誰かの幸せを奪った罪人を許す事は正しいのかという難しいテーマだったが最終的には罪人を許し、かのものの贖罪を手伝っていくことが世界の幸せにつながるでしょうというまるでキリストか何かのような結論に落ち着いた。
聖母や…マリア様や…。
一体何食って育ったんだこのギャル…
「みんながみんな許せる訳じゃないと思う」という厳しい意見を添える事を忘れないのもいいね。被害者がいる以上全部が元通りってわけにゃいかないのよね。
ラキアが仲間になった頃「やったことが悪質過ぎて仲間にするならもうちょい悪事を抑えるべきだったのでは?」という意見を見たことがあるが今にして思えばやりすぎなくらいの悪事をさせたことにも意味があったって分かるね。
罪人としてのラキア・アマルガって作劇的に美味しいって言ったらアレだけど唯一無二だなら色んな場面で生きると思う。幸せをテーマにした作品のメインに罪人を置いてるのにも深い意味を感じざるを得ない。
今は正しく生きようと頑張ってるけどふとした時にかつての自分の過ちに苦しめられてしまうキャラってアメコミによくいるけど個人的に結構好きなんでラキアもそういうポジションなんだと思うとさらに魅力的に感じた。
酸賀の研究室ではどんよりした空気をなんとかしようと明るくラキアの姿や彼の発言が誤解を生まないようにフォローし、珍しく凹んで座り込んでしまった幸果には何を言うでもなくただ側に寄り添い、幸果が現場に行くといえば止めることをしないなどフォローの鬼と化していた絆斗も地味な役どころながら良かったよね。あの辺のバランサーとしての能力は実は絆斗が1番かも知れない。
リターンオブ蟹

蟹のスーツがリペイントされて蟹になってる…
改造やリペイントで元と全然違うモチーフのものになってる!スゲー!ってなるのが最近の改造スーツの定番だがマジで色変えただけでモチーフも塗り直す前と一緒ってここまで完全に塗り替えただけのモデルチェンジは却って珍しい気もする。
名前はグラニュート テ・ソー。
心なし改造元に名前まで似てない?
由来はもちろん手相から。手相占い師の怪人体が蟹なのってひょっとして手相を見てもらう人は手をパーにするのに対してこっちはチョキだぜ!刈り取っちゃうぜ!って意味が込められてる?
戦闘力は一般バイトなので全然ヘナチョコで気持ちいいほどボコられていたね。特に書くことがないほどとにかくボコボコに。
蟹モチーフの怪人だから語尾が「〜カニ」とかいくらなんでも安易すぎるキャラ付けをされている。
前述した通り一般怪人を出すこと自体に意味がある回なのでテ・ソー本人はキャラからスーツから凄まじくやっつけみたいなクオリティで笑いを誘う。
ただやっぱりケーキングはかっこいいよね。うん。
ブリザードソルベよりデザインも好きだし『ガヴ』全体の中の好きなライダーランキング作るなら五指には入るくらい好き。
次回
ショウマ、グラニュート界に!
ニエルブの授ける秘策でボッカを撃破せよ!
ランゴと幸果の邂逅で人間界もどうなる!
それではまた


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