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冬映画ないのは仕方ないとして『ガッチャード』と『ガヴ』のコラボ映画はやって欲しい男 アメイジングRYOです。
宝太郎の創作料理を食べるショウマとか色々相性良さそうな気がするんだよなこの2作。どっちも好きってのもあるけど。
りんね参戦の『ガールズリミックス』が発表されたおかげで最後発ということにはならなかったものの『ガッチャード』単品のスピンオフ作品としてはやっぱり最後になりそうな今作を語っていきますわよ!
あらすじ
これは一ノ瀬宝太郎が仮面ライダーガッチャードとなる10年前の話。
歌を愛し、トップアーティストになることを夢見る有栖川リサは今日も路上でのパフォーマンスで数人の客を前に歌い続けながら夢にまるで届かない現状に悶々としていた。
そんなある日リサは音楽界の帝王と呼ばれる敏腕プロデューサー 銅神デュポンに声をかけられついに夢の舞台への切符を手にする。
しかしそれは終わりの始まり。
始まるための終わりの幕開けだった。
狂ったように暴れる人間、それを殴り殺す黒衣の女とそれを従える怪しげなモノクルの男、リサの封印された記憶…
それら全てが繋がる時、リサは新たな自分となる。
救いなきラケシス誕生の物語

今作は冥黒の三姉妹 ラケシスの誕生を描いた『ガッチャード』のスピンオフ作品だ。
あらすじでも書いたが時系列的には本編開始よりもかなり前の話なので劇中に仮面ライダーは1人も出てこない、完全にラケシスが主役のストーリーだ。まあこの頃すでに存在していた可能性がある仮面ライダーってウインドくらいだろうしな。
話の流れを大雑把に書くと「夢を持っていた路上ミュージシャンの少女が急にダンディ系粘着型の変態とジョーカー系異常者型の変態に目をつけられ特に抵抗できぬまま殺され、生ける屍にされる」というもの。
凄い!救いが一つもない!!こりゃTTFCじゃなきゃ無理だ!!!
とはいえこういう話になるだろうなってのはあらすじの時点で分かっていたことではあるんだけどね。
主人公のリサは夢を追い直向きに努力をしつつも現状に不満を持つ若人。膨れ上がる内に秘めた思いを「お嬢様言葉」を使うことで宥め自身の感情をコントロールしているというラケシスのお嬢様言葉の起源に触れる描写があったりするのは作品の補完として嬉しいところ。
内心で不満があろうと数人のファンを蔑ろにするようなことはせずにお嬢様言葉で優雅に振る舞い全力で歌唱するのは好感度高いし更に歌手を目指したのは亡き母との約束を守る為という理由付けまであってとにかくめっちゃいい子。
そしてそんないい子が変態ども(と襟草市民)に理不尽に踏み躙られるのでまあお辛いのよ…
…ん?
なんかおかしくないか?
何がおかしいかというとそれは『ガッチャード』45話での台詞のこと。この回は加治木の話がメインテーマだがサイドストーリーでラケシスの人間化計画が動いた回。
ラケシスは人間だった頃の、すなわちリサの記憶を取り戻してこんな事を言っていた
「やっぱり嫌な女だった…見栄っ張りで欲深くて冷酷で…でも嫌いにはなれなかった。」
そう。実は作中でチラッとだけリサの人物像に触れているシーンがあったのだ。
しかし今作を見る限り前述通りリサは基本良い子でしかなくラケシスの言っていた人物像と矛盾しているのだ!
これに気づいた人は結構いたようでXでも意見が飛び交ったのか今作の脚本を務めた長谷川先生がこんなことをポストしていた。


とのこと。
ただでさえバッドエンド確定の話で主人公まで性格がクソだと作品の先味も中味も後味も悪くなりすぎてTTFC作品とはいえ流石にそれは…と考えての配慮ということか。
まあ仕方ない部分ではあるよね。
明るく元気にをモットーに、例え辛い展開があってもそれはその後のぶち上がる光の展開の為の前振りでしかないという作風を一年やり続けた『ガッチャード』本編に対し、今作は徹頭徹尾リサが打ちのめされ悪党への制裁はあってもどこかスッキリはせず最後まで救いのない本編とは真逆の作風となっている為『ガッチャード』ファンであっても楽しめるかは微妙な部分。
しかしながら本編の補完や、錬金アカデミーで働いていた頃のグリオン、それを慕う学生時代のミナト、まだ2人の冥黒姉妹などなど本編が始まる前の世界を堪能できるという部分は間違いなく今作の強みの一つ。
短いがグリオンとミナトのやり取りは本編のことを思うと思わずニヤリとできる。
あと微妙にシュールな笑いどころが多いのは本編と符合する部分だ。
個人的に好きなシーンを一つ。
グリオンがリサに目をつけアトロポス、クロトーの意見を聞く場面のやり取り
グリオン「アトロポス。もう1人妹が欲しいか?」
アトロポス「僕はどっちでも」
グリオン「クロトーはどうだ?」
クロトー「欲しいです(即答)」
笑ったね。早いのよ答えんのが。でもこれだけ妹を待望していたんなら本編でのクロトーのラケシスへの入れ込み方も納得出来るしそういう意味でもいいシーンだと思う。
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プロの悪役演技に注目!怪演!銅神デュポン

続いて今作のゲストキャラクター 銅神デュポンについて。
いやなんだその名前!
ふざけてるのか!(鉛先ボルトを見なかったことにしながら)
まあ音楽界の帝王って呼ばれてる業界人なんでそういう芸名なんだろうな…
ざーんねん!本名でーす!!
デュポンを演じるのはウルトラマンジード/朝倉リク役でお馴染み。重度のウルトラマンオタクなことでも知られる濵田龍臣さん。
我々の間では「プロ」の愛称でお馴染みだね。
さてこのデュポン、具体的に何をするかは伏せるがハッキリ書くと今作のメインヴィランである。
濵田さんといえば『ジード』もそうだが正義の味方役をよくやる印象なんでデュポンの悪役演技は中々新鮮だった。
しかもヴィランのベクトルがDCコミックのジョーカーとかの方向なんでこれまた強烈。プロの怪演に注目して欲しい。
ヒーロー役やっていた人は悪役を演じるのが楽しいと聞く。やっぱりヒーロー役は色々律しながらやらなきゃならないけど、悪役はある程度自由に弾けられるからなのかな。
ただデュポンの悪行に関しては一部なんでそんなことしたのか分からないものがあり詳細が語られる事もないのでやはり尺の足りなさを痛感する場面があった。キャラ付けも死ぬほど擦られてるよく見る紋切り型なものだし、グリオンなどに比べると悪役としては少々大味なキャラクターになってしまっていてキャラの薄さをプロの演技でカバーした感じになっていたのが残念な部分だ。
まあグリオンに比べるのは酷なんだけどさ。あのレベルの濃い悪役ってしばらくお目にかかれないと思う。
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血飛沫舞うバトルシーン!セクシーもひと摘み!?

今作は予告の時点でも分かっていたがTTFC定番の血液ブッシャー!が解禁されている作品。
なので最後にその辺りの話を。
敵は生身の人間が強化されたバーサーカーと呼ばれる戦士たち。彼らはもちろんスーツなどはないのでそれとパッと見人間の冥黒の三姉妹がやり合う為仮面ライダーっぽさが全然ない。一応ドクターマルガムは出るけどね。
バトルシーンでの血飛沫はほとんどがCGであまりリアリティはなくその為グロって感じが緩和されている。なので苦手って人でもバトルシーンに関してはあんまり気にならないかも。
中盤、クロトーがバーサーカーと戦う場面で腕をへし折るみたいなシーンのが痛々しかったな。
総じてグロに関してはあんまり構えなくていいと思う。
そして今作は仮面ライダーにしては珍しいセクシーシーンが!!
ハッキリ書くと女性の全裸が映るのだ!!
が!無論TTFCだからって無修正じゃ無理なんでどうなるかというと…
聖なる光が差します。
そう。あのアニメとかでよく見る大事な部分を隠すためだけに突如差し込む光源不明の光のことだ。
ちょっとこの場面シュールで笑っちゃうのよね。
実写であんまりやんないだろあの演出。
めちゃくちゃ余談だが『真・仮面ライダー 序章』では完全なる無修正の女性の乳房を見れることは覚えておくといつか役に立つぞ
総評
というわけで『冥黒の黙示録ラケシス』の感想でした。
終始ダークな空気で展開される仮面ライダーという救いのない物語りは『ガッチャード』本編と比較するべくもなくとにかく暗い。
あまり気にならないとはいえグロ、そして微エロと人を選ぶ要素が多くシリーズファンなら見ておけば間違いない!っておすすめもしにくい。
何より全体的に尺の足りなさを感じる場面が多くリサやデュポンなど特に今回が初登場のキャラの掘り下げがかなり薄い。
しかしながら『ガッチャード』のエピソード0なのでファンなら抑えておきたいし、シリアスなのに妙に笑えるシュールな場面は本編に通じる部分もある。
単品作品としては難ありなのでやはり『ガッチャード』好きなら見ておこうって感じかな。
それではまた


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