【ボルテスV:レガシー】感想/紹介 地球の夜明けはまだ遠い?

東映

最近古いロボットアニメにもハマってしまった男アメイジングRYOです

フィギュアやプラモで「かっこいい!」ってなりました。真ゲッターロボマジンガーZEROブラックオックスガオガイガーなどなど

TOKYO MXで『グレートマジンガー』がやってたりするのありがたいっすね

さあ今回はフィリピンで絶大な人気を誇りもはや「フィリピンで人気のアニメ」ということで今の日本人にもある程度知られることとなった『超電磁マシーン ボルテスV』の実写版を劇場で観てきたので語っていきます

Vトゥギャザー!!!!!


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あらすじ

平和な地球に迫る巨大な髑髏の宇宙船

それはボアザン星間帝国スカールーク。そして地球にやってきた目的は侵略であった。

プリンス・ザルドス率いるボアザン地球征服軍は瞬く間に主要都市に大打撃を与え地球防衛軍は苦戦を強いられることになる

しかしこうなることは分かっていた。

とある孤島に集められた5人の子供達は今日この日の為に厳しい鍛錬を積んできたのだ。

スティーヴ・アームストロング

マーク・ゴードン

ロバート・“ビッグ・バート”・アームストロング

“リトル・ジョン”・アームストロング

ジェイミー・ロビンソン

彼らは今、地球をボアザンの魔の手から救う為に超巨大ロボ ボルテスVに乗り込む!


本作の概要

転載:https://m.youtube.com/watch?v=wje-kG4qbyw&pp=ygUa44Oc

まずは本作の簡単な概要を

というのも今作若干ややこしいのでね

まず今作の原作となったのは日本で1977年から1年間放送されていたロボットアニメ

『超電磁マシーン ボルテスV』

である。

日本でも普通に評判が良かったようだがあくまで普通レベル。

『ボルテスV』が跳ねたのは放送開始の翌年1978年にフィリピンで放映が開始された時のこと。

当時まだフィリピンにはいかにも子供向けといった感じのアメリカ制作のアニメしかなかったのだがそんな中颯爽と現れた『ボルテスV』は衝撃だったという

侵略者との戦い、父との再会を軸にした骨太なストーリー、ボアザンサイドの濃いドラマ、多くの味方を失いながら苦闘していく若者達、そして多彩な武器や必殺技を使うスーパーロボット

アニメといやあカートゥーンみたいなとこにこれをぶち込まれたのだからそりゃあビビるわな

視聴率は58%を記録し、かつては子供がボルテスに夢中で勉強しないというのが問題になり転じてボルテスは教育に良くない!みたいな反対運動まで起きたりとまさに社会現象を巻き起こし、今なお再放送もあり愛され続けているのだという

そしてついにフィリピンの制作会社GMAネットワークと我らが東映が手を結びまさかの実写化!

それこそが本作『ボルテスV:レガシー』である

で、今回劇場で観てきたんだがまず断っておくと

本作、映画ではないのだ

フィリピンで月〜金のゴールデンタイムに毎日放送されている全90話のテレビドラマなのだ

…帯番組で特撮ヒーローものやってんのかよ!

『忍たま乱太郎』とか『おじゃる丸』くらいのポジションじゃん

それはさておき、本作は要するにフィリピンでやってたドラマのごく一部分を再編集して映画館で観れるってもの。TVアニメの特別総集編を映画でやったりするアレに近い感じなのだ。

ちなみにTOKYO MXで『ボルテスV:レガシー 超電磁リスペクトTV版』と題し、ドラマとしても11月から約半年の放送が決定している

こちらは90話ある本国版を再編集してなんと20話にまとめるらしい。だいぶ大胆なカットが行われるのは間違いないだろうがそっちも楽しみにしていきたい。

なので、ぶっちゃけるとMX観れる環境ならわざわざ今作は劇場行かなくてももうちょいまっとけば家で観れちまうんだなこれが

とはいえ!前述通り大胆なカットがある筈なので映画部分が丸々TV版で観れるとは限らないし、何より大スクリーンと映画館の音響で観る良さがあることは間違いない!

長くなったが概要を以上とし本作の感想を語っていこう

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レッツボルトイン!これがフィリピンの本気だ!

転載:https://m.youtube.com/watch?v=wje-kG4qbyw&pp=ygUa44Oc

まずは今作の良かったところから

まず何より大事なボルテスV、そしてボアザン帝国が送り込んでくるビーストファイター(獣士)のビジュアルだがこれはもう抜群

フィリピンの大きすぎる愛を一身に受けており非常に出来が良い。

「これ向こうじゃドラマでやってんの!?」ってビビるレベル

特に5機のボルトマシンが合体しボルテスVとなる一連のシーンのクオリティは極めて高く、本作の為にYouTubeで配信されている原作を履修しといた身なのでニヤニヤしっぱなし。

「レッツボルトイーン!の掛け声からOPが流れて合体シーケンスに入り最後に「ボールテースファーイブ!」の叫びで完成する原作の流れを完璧に実写化させている。最後にスティーヴ(健一)のコクピットがボルテスの目につくとこまでやるから隙がない

最大の見どころと言っていいレベルなのだがこのシーンは早くもYouTubeで公開されている。個人的には映画館の音で見て欲しいシーンなのだが…

バトルシーンも文句無し。〝超電磁ストリング〟〝超電磁ゴマ〟〝チェーンナックル〟といったお馴染みの武器も再現度高し

〝ボルテスバズーカ〟に関しては原作よりかなりかっこよくなっていて技術の進歩した令和の今実写化されたことに感謝したくなる

ここまでよく出来ているのだから必殺武器〝天空剣〟ももはや言うに及ばずと言ったクオリティ。

私は今作吹き替えで見てきたのだが主人公スティーヴの声を担当する小林千晃さん

「てぇぇぇんくぅぅぅぅけぇぇぇぇん!!」

という熱いシャウトも本家とは少し違うものの気に入った

『葬送のフリーレン』シュタルクなどを演じる今人気の声優さんだが流石と言った感じ

強いて言えば原作では〝Vの字斬り〟という技名を叫ぶ筈なのだが今作ではなぜか武器名しか叫ばないのでそこは不満か(〝Vの字斬り〟自体はしっかりやってる)

またキャラクターのビジュアルも大変ハイクオリティ

どのキャラも特徴を捉えている、或いは実写化ということを考えれば十分に見れるレベルになっている

日本の雑な実写化は見習って!

特に凄いのがビッグ・バート(大次郎)

原作で巨漢だったので本作でもそこをバッチリ再現。しかしそこだけではない。

このビッグ・バートは棒術の達人で原作でも初登場時、特訓相手を棒術で蹴散らすのだがこのシーンをガッツリ再現。ちょっと笑っちゃうレベル。

一方リトル・ジョン(日吉)の再現度がだいぶ残念なことに。てか特訓に見えないのよね。まあ原作だと素潜りでサメ倒すって意味わかんないことしてるからしゃあない。

私の好きなザルドス(ハイネル)ドラコ(ジャンギャル)も全然いいんじゃない?ってくらいになっていて安心。特にドラコは原作だと赤鬼のように顔が赤いのだがその要素をオミットしてなおドラコって分かる感じになっている。

ボアザンの幹部達が並ぶ姿は一昔前のスーパー戦隊の敵組織みたいなビジュアルで特オタには嬉しい。

敵戦力のビーストファイターのCGも力が入っている。今作で登場するのは原作1話に登場したドクガガと2話に登場したバイザンガの2体だがどちらも迫力があり超かっこいい

ちなみにビーストファイターという呼び名は初めからあるものではなくそう呼ばれ、呼ぶようになるまでにちょっとしたドラマがありこのシーン結構お気に入り

総じて(セットなどを含めた)ビジュアル面、CG、バトルシーンにはおよそ文句無し!

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間延び&間延びなやり取り

転載:https://m.youtube.com/watch?v=wje-kG4qbyw&pp=ygUa44Oc

今作はまさに愛に溢れた逸品なのだが明確な問題点がある。

それは間延びに間延びを重ねたような酷くテンポの悪いシーンが散見されることだ。

無駄なやり取りが多いというか「このシーンをこんなに長尺でやる意味ある?」みたいなとこが多い。

一つ一つのシーン自体は必要不可欠とまでは言わないまでもまあ有っても良いかな、と思えるものなのだが問題はそのシーンが無駄に長いこと

特にこれが上述で散々褒めたバトルシーンに挿入されてしまうことがあるのがかなり残念

今作では特にビッグ・バートリトル・ジョンボルトマシンに乗った後に無駄なやり取りをグダグダやることがある他そこかしこに

「………長いな!」ってなる場面がある

ボルテスVビーストファイターが戦い出した後も何かアクションあるたびにいちいちボアザンサイドに場面が切り替わるのだ

しかも全然大したやり取りなんかせずバトルに戻るので「今のお喋りの時間いらんわ!」ってなることが非常に多い

よって本作はテンポにはかなり難があると言っていい

また別の問題点として今作の密度である

私は今作を楽しむ為に前述通り原作を毎週見て備えていた。映画の中でどこまでの話をするか分からなかったしちょっとでも詳しくなってから行こうと思ってのことだったのだが…

今作、原作でいう1話と2話までの話しかやらないんだ

えー!!!!!

これはかなりの肩透かしだった。脱臼レベル。

なので今作気になる人で予習していくならYouTubeで1話と2話だけ見ていきゃ大丈夫。

1話と2話に関しては期間限定とかじゃなく一年中公開されてる状態なんでいつでも観れる。

そして考えてみると…

アニメの1、2話分ということはその尺は50分弱。

本作は97分

そしてどうやら元々のドラマ版『レガシー』も向こうのファンからいくらなんでもドラマパートがくどすぎると文句が出てるようなのだ

もうお分かりですね?

つまり本作は原作1、2話までのことしかやらないがそれだと尺が足りないので再編集版にも関わらずドラマ版にあった不要なシーンをそのままぶっ込んで尺を調整しているのだ!

そりゃあグダグダするわけだ

とはいえ擁護すると原作の2話ってめちゃくちゃインパクトあるイベント起きるし、序盤ながらクライマックスな展開も起きるしで映画にするにゃ悪くないとこだし話的に観ても切りがいいのよね。

なので最初から2話までしかやらないと分かってればここまで残念に感じなかったのかなと思う。

これから観にいく方は是非この辺にお気をつけていってらっしゃい

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総評

というわけで映画『ボルテスV:レガシー』の紹介及び感想でした

映像的クオリティは劇場で見ても見劣りしないレベルだしキャスティングにも愛を感じる

かっこいいスーパーロボットを、ボルテスVを観たいなら間違いなくおすすめ

しかし話は著しくテンポが悪くグダグダ、内容的にも原作好きからすると物足りなさがあるかも

話の範囲的にメイン格のマーク(一平)ジェイミー(めぐみ)がろくな出番なく終わるのも残念

映画だけだと「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドなので地球の夜明けはドラマ版まで待つことになりそうだ

それではまた


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