バットマンよりスーパーマン
モロボシ・ダンよりハヤタ・シン
一文字隼人より本郷猛
が好きな男 アメイジングRYOです。
王道・正道・光属性・絶対的ヒーローみたいなキャラが好きなんだよね。
無論ダークヒーローや人間臭いヒーローの良さも分かってるつもりだけど。
スーパーヒーローという概念そのもの。全てのヒーローの祖にして永遠に語り継がれる偉大な赤パンツ
『スーパーマン』を観てきたので紹介と感想をしていきましょう…!
あらすじ
地球より遠く離れた惑星クリプトンからやって来た赤ん坊は善良なケント夫妻に育てられ成長し地球最強の超人 スーパーマンとなった。
愛され信頼されるヒーローになろうと努力するスーパーマンだったがある日国外の戦争に独断で介入し矛を納めさせたことで国際問題を引き起こしてしまい政府から猜疑の目を向けられてしまう。
更に戦争を止めた報復として“ボラビアのハンマー”を名乗る恐るべき強さのヴィランがメトロポリスを襲いこれに立ち向かうも初めての敗北を期することに。
この戦いの先にスーパーマンは自分が地球に来た「本当の意味」を知り自らの使命に向き合うことになる…
宿敵 レックス・ルーサーとの戦いの行方は…
心を、体を打ちのめされようと鋼の男(マンオブスティール)は何度でも立ち上がる。
空を見ろ
鳥だ!飛行機だ!
アレはスーパーマンだ!!
スーパーだけど誰よりも人間(マン)。等身大で描かれる新しいスーパーマン

結論から書くと本作は凄いです。面白い。
新しい角度でスーパーマンという絶対的善のヒーローを掘り下げ、ある種ジェームズ・ガン監督らしくない光の物語をやりつつ細部にやはり得意のエグさをエッセンスに加えた作りで人を選ぶ傾向にある監督の作品としては珍しく万人受けしそうなスーパーヒーロー映画に仕上がっていたなと思う。
あとやはり監督はキャラ作り・キャラ付けが上手すぎる。メインキャラのみならず端っこに出てくるような脇役にすら特徴があり愛着が湧いてしまう。キャラ萌え派もガッツリ釣れること間違いなし。
書きたいことは色々あるが冗長にならないように焦点を絞って書いていきたい。
まずは主人公。世界で一番有名なスーパーヒーロー スーパーマン/クラーク・ケントについて書いていきたい。
普段はうだつの上がらないボサーっとしたウドの大木がメガネを外すと途端に顔つきも変わって弾丸より早く飛んで人を助けるスーパーマンに早変わりというエポックイメージ通り演じたデヴィッド・コレンスウェット氏のビジュアルは個人的にかなり満足。クラークの時はちゃんとパッとしないのがいい。
「スーパーマンの脚本を書くのは現代では不可能だ。強すぎる、正しすぎる、本質的すぎる彼の物語はあまりに陳腐で、古臭く、ひねくれた今の時代には適さない」
DCコミックスのライターの間ではそんな話がしばしば上がるらしい。ちなみにこれは本作の公開に際して翻訳されたコミック『スーパーマン:アップ・イン・ザ・スカイ』での作者トム・キングの序文だ(ちなみにこの後トム・キングは「そんな意見はデタラメもいいところだ」と続けている。)。
これは確かにその通りでこのヒーロー戦国時代に完全無欠のいい子ちゃんヒーローが圧倒的強さで人々を救い悪をくじくだけの物語では埋もれてしまうことになるだろう。それがたとえヒーローの祖であるスーパーマンであっても。
そこで今作のスーパーマンはそれはもう徹底的に人間的に描かれている。その様は非常に現代的で「ヒーローだって人間だよ」という昨今では珍しくもなくなった掘り下げ方だがそれは安易に今時のトレンドに迎合したわけじゃない。
スーパーマンの人間(マン)の部分を掘り下げることで誰もが彼のようになり得ることを描いたのだ。誕生から87年経った今でもスーパーマンが人々の憧れであれるように
鋼の体をもちながら心はそうではなく、エイリアンである自分が余所者であるという事実と周りからのバッシングに胸を痛め、間違いを犯し、孤独の要塞で両親のホログラムを見て孤独を紛らわせ、SNSのスーパーマン叩きに怒るけど自分を好きでいてくれる人がいるのが嬉しくて、だからまた立ち上がり人を救う。
そんなどうしようもなく人間過ぎるほど人間として描かれるスーパーマンの姿は魅力的だし「かっこ悪いがかっこいい」というガンらしいアプローチもいい感じ。
今回何より注目したいのはスーパーマンの土台がひっくり返される要素だ。
「地球より遠く離れたクリプトン星は崩壊の危機に瀕しており星が滅ぶ前にクリプトンの指導者の1人ジョー=エルが自分の息子カル・エルを宇宙船に乗せ星から脱出させ宇宙船は地球のスモールヴィルに落下しそこで善良な農夫のケント夫妻にカルは拾われクラークという名を与えられた」
有名なスーパーマンのオリジンだが今作ではこのオリジンのある部分に大きな秘密を仕込んでおりこれが非常に大事なところ。
そしてそれこそが常に正しいのではなく、正しくあろうとするスーパーマンを、彼の善性とその源を最高に引き立たせるスパイスになっている。
物語終盤での地球の父 ジョナサンとクラークのやり取りは泣いたね…絶対劇場で見てほしい。
スーパーマンが心身ともにコテンパンにされるパートが多いもののラストでは溜まったヘイトを一気にぶち破ってくれる爽快な無双シーンもあり、シリアスな展開はあっても決して暗い映画という印象にはならないのも『スーパーマン』という作品を光として扱ってくれていて嬉しい。
あと私は常々スーパーマンは敵を倒すというよりは人を救うヒーローだと思うので出来ればそういうシーンをたくさん入れて欲しいと思っていたので今回の巨大怪獣と戦う場面は最高だったね。
このパートはジャスティスギャングというスーパーマンより先輩のヒーローチームが怪獣と戦いその余波で広がる被害から人々を救うのにスーパーマンが終始するというまさに私の求めていたものが詰まったシーン。
予告でも流れたスローモーションで少女を救うとこもこのパートだし、倒壊するビルを支えて車に乗る女性を逃し土埃の中から現れるスーパーマンは現代の神話のような美しさすらある名シーン。
あとリスも助けます。ここも最高。どんな命も救うのがスーパーマンだ。
怪力、飛行、耐久力、透視、ヒートビジョン、スーパーブレスとスーパーマンの能力もおよそ全部使ってくれたし登場人物も有名どころは抑えてるしスーパーマンを何も知らない人も今作さえ見ればほぼ全ての基本的情報が分かるので教科書としても最適。
『スーパーマン』玄人も初見も必ず満足できる。
そして今作のスーパーマンを見れば少しだけ良い人間であろうと思えるはずだ。
名犬?バカ犬?愛すべきクリプト

今作を犬映画としても最高と言う人がいる。
意外と否定できないんだなこれが。
と言うことで続いて初の実写化となるスーパーマンの飼い犬 クリプトについて。
クリプトといえば私のイメージではスーパーマンが大好きで忠実な空飛ぶ相棒でジュースのフレーバーみたいな名前の必殺技も持ってるスーパードッグって感じなんだが今作のクリプトはとにかく言うこと聞かない暴れん坊として描かれていてスーパーマンも終始手を焼くことになる。
この「犬が全然言うこと聞かねぇ!」で振り回されるスーパーマンもまたいい味を出してる。そう言う意味じゃスーパーマンの掘り下げにこの子も大きく貢献している。
実はスーパーマンの言うことを聞かないのには理由がある。それは「預かっているから」なんだとか。
誰から?もちろんその答えは劇場にある!
意外な事実に俺はちょっと声出たぞ!
敵からも味方からも厄介がられながらたまーにちゃんと仕事するクリプトはなんだか憎めないし何より可愛く、辛い展開も多い今作で一服の清涼剤として居なきゃならない存在として活躍。
ガン作品の犬って言えば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のコスモもいるがあいつも可愛かった。声が悠木碧だし。
クリプトは喋らないんだけどそれはそれで可愛い。ガンの飼い犬が非常に暴れん坊で触れるようになるまで時間がかかったという思い出がありそこを膨らませていって今作のクリプトが完成したと話している。
ちなみに俳優がモーションキャプチャーで作ったCGのクリプトと本物の犬のクリプトがそれぞれいるらしいがどこが本物でどこがCGかは全く分からない。動き一つ取ってもとにかくリアルで噛みつき方など細部にも拘り抜いて作られているのは監督が愛犬家故か。
スモールヴィルの実家にクラークが戻った場面で牛と遊んでる姿が最強に可愛いのでぜひ注目して欲しい。
中盤スーパーマンがピンチに陥りメタ的に見ても「これは絶対クリプトの活躍チャンス!頼むよ!」って場面があるんだがそこで最後まで特に役に立たずスーパーマンが自力で解決したシーンは笑った。
お前ここで頑張んないでどうするんだ!?ってなった。
しかし最後にクリプトやってくれます。
あの野郎をけちょんけちょんにしてくれちゃってまあ溜飲が下がる下がる。ある意味でスーパーマンの出来ないことをやってくれた。
キュートでおバカでごくたまに役にたつクリプトの活躍を見ない手はないぞ世の愛犬家ども!
ちなみに当初はもっとクリプトがボコられるシーンとか用意してたらしいんだけど試写会でマジで嫌がられたのでカットしたらしい。
なのでクリプトはあんまり酷い目には遭わないんでそこはご安心を。
最低・狭量・クソ人間!しかしこれぞレックス・ルーサー!

スーパーマンには様々なヴィランがいるがやはり最大の宿敵、作品を代表するヴィランといえばレックス・ルーサーだ。
今作は前述通りどのキャラもとにかく魅力的でこのレックスとて例外ではない。
天才で世界的な大富豪、一代でレックスコープを創り上げた誰もが認めるだけの力を持ちながらスーパーマンを貶めることに人生とその才能の全て向ける歪んだ精神を持つこの男もスーパーマン同様何度も実写化されてきたが個人的に今作のレックスが一番好きかも知れない。
クリストファー・リーヴ版の比較的珍しいコミカルなレックスも好きだったんだけど私が思うレックスを構成する要素の全てが過不足なく詰まった今回のニコラス・ホルト演じるレックスは凄い。
どう考えてもやり過ぎなレベルの大掛かりな仕掛けを作って徹底的にスーパーマンを貶め、苦しめ、追い詰める。スーパーマンを超えるためならなんでもするという狂気の中にあるのはひとえにスーパーマンへのコンプレックスだ。
絶大な才能を持ち自分は選ばれしもので世界の人々は自分を称賛するはずと信じていたのに、ある日現れた派手なマントとパンツの男に話題を掻っ攫われて気付けば自分を見る筈だった人々の目はスーパーマンしか見ていない。
「なんであんなやつが」「俺の方が凄いのに」そう思う一方でそんな気に入らないスーパーマンに自分が敵わないことがたくさんあるのも知っていてそこに苦しみ狂ったのがレックスというキャラクター。
思えば凄く現代的なキャラだ。誰しもに覚えがある劣等感や、SNSの普及で今や市民権を得た「承認欲求」というワードがびっくりするほどピタリと当てはまる。
「知能は力に勝る!」と強く叫ぶシーンなどはスーパーマンコンプ丸出しで好きな場面。
「1A!1A!!1A!!!」も好き。ぜひ劇場で。
見た人はスーパーマンにも共感出来るけどレックスにもどこか共感してしまう筈。そんな弱さをガンガンに推してるから今回のレックスを私は気に入ってしまった。
とはいえ悪事自体は基本酷いし特に中盤この映画を見た人全員が
「(なんてことを…このクソハゲ!)」
と思うであろう非道も働く。こうして可哀想な悪役にはせずちゃんと倒すべきクソ野郎としても入念な描写があり悪役として振り切っているのも好印象だ。
反面、悪事とも呼べないような嫌がらせレベルのこともしていてこれはちょっと笑える。「器ちっせ!」ってなる。
そして最後の最後。スーパーマンとの戦いに決着がついた後レックスは意外な行動に出る…というより意外な行動をしてしまうんだがこれにやられたね。
なんか不思議な気持ちになった。「可愛い」って肯定的な気持ちと「ええ…」っ引いてしまう否定的な気持ちが合体した複雑な気持ち。でもなんかアレで好きになっちゃったんだよなあ今作のレックス。
スーパーマンと同じくらい「これぞレックス・ルーサー!」が詰まった映画なのでヴィラン好きも必見だ。
総評
というわけで『スーパーマン』の感想/紹介でした。
いや語り尽くせないよ。
何度も書くけど好きなシーン、キャラ多すぎてもっと色々書きたかった。
スーパーマンを支えるサンドイッチ屋のおっちゃん
嫌な奴に見えて可愛げが凄い変な髪型のガイ・ガードナー
1番地味と見せかけて1番活躍するMr.テリフィック
素顔可愛過ぎるしやる時はやるホークガール
いつも通りのブロンドバカ女と見せかけて…なイヴ・テシュマッカー
ジミー・オルセンはじめ戦えないけど頼りになるデイリープラネットの同僚達
永遠のヒロイン ロイス・レーン
本当にどのキャラクターも魅力的で大好きになれるし見た後顔が空を向く希望に満ちた一作です。
ここから始まるDCユニバース!一緒に追っていきましょう!
それではまた


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