どうも!アメイジングRYOです
映画作品の感想は今回が初ですね
感想と銘打っていますが最新映画なので過度にネタバレするのは避けつつ「こういう作品だよ」というのを皆さんに紹介がてら色々書いて行けたらと思います
そんな映画感想記事一発目は
MCU最新作のデッドプール&ウルヴァリン!
一時は乱発されていたMCU作品ですが最近の不調を理由にディズニーが映画、ドラマ共に数を減らす発表をしており年内に公開されるMCU作品はこのデップー&ウルヴィのみ(映画だけだと2022年には4本、2023年には3本が公開)。
つまり2024年最初で最後のMCU記事になります!
それではどんな作品なのか、注目ポイントを書いていきます
あらすじ
俳優ライアン・レイノルズが大作を前に何者かに殺害されてから数年
ウェイド・ウィルソンはヒーロー デッドプールを引退しカーディーラーに転職。普通な毎日を過ごしていた。
大事な仲間達に囲まれそれなりに楽しく生きていたウェイドだが愛するヴァネッサと恋人としては実質破局状態になっており何かを守れる存在になりたいと密かに悩む。
そんな折ウェイドは現れたTVA(時間変異取締局)に逮捕・連行されてしまう
パラドクスと名乗るTVA職員にウェイドはヒーローとして今の世界を捨て神聖時間軸(MCU世界)に行くという選択肢を与えられる。
ヴァネッサと復縁する為アベンジャーズに入ることを考えていたウェイドはすぐにこれを受け入れるが直後自分の世界に近いうち崩壊が訪れることを知ってしまう。
理由は世界にとっての「核」となる人物が死んでしまった為でその核とはローガン/ウルヴァリンであった。
映画『LOGAN(2017年公開)』でローガンが死んだことが世界崩壊の原因と知ったウェイドは再びデッドプールのコスチュームを身にまとい死んだ核の代わりになる別のローガンを探すべくマルチバースを駆ける!
メタ事情を作品に昇華させた20世紀FOXへの送辞
この作品を見る上で知っておいて欲しいことは映画『デッドプール』と『2』の話ではない。寧ろそこは知らなくてもなんとかなる範疇。
では何かというと
映画会社20世紀FOX映画は2019年にウォルト・ディズニーに買い取られた
ということだ。
は?
なんの話?
とお思いになるかもしれないがこの事情が今作の裏テーマとなっており非常に大事
今作はデップーとウルヴィがついにMCUに参戦というのをトピックとしているがそもそも何故彼らがMCUに出れたのかと言えばひとえに上記の買収があったから
『デッドプール』シリーズも『X-MEN』シリーズも元は全て20世紀FOX作品。更に言えば現在でこそディズニーが指揮を取るMCUという大樹が生まれマーベル作品は猫も杓子もMCUという感じだが元々MCU誕生以前のマーベル実写作品の多くを作っていたのはFOXだ
子供向けながら個人的に結構好きだがヴィランのクオリティに難ありな『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット』(後にキャプテン・アメリカになるクリス・エヴァンスが出演)
ウェズリー・スナイプスのスタイリッシュアクションが厨二心にガツンと来る『ブレイド』シリーズ(何気『3』にライアン・レイノルズが出演)
キング・ピンのクオリティがだいぶ気になる『デアデビル』(後にバットマンになるベン・アフレック主演)
そのスピンオフだが影が薄過ぎて敵がボブサップだったことしか覚えてない『エレクトラ』
などなどとりわけ有名な『X-MEN』シリーズの他にもいくつもの作品を手がけてきた
今回デップーがTVAによってMCU世界に来ないかと勧誘されるのはFOXからディズニーに来いというメタ事情を絡めたもの
つまりデップーの世界=FOXユニバースという図式でありその世界に崩壊が迫っているというのも買収に因んだメタネタなのだ
デップー世界が滅びる理由が『X-MEN』シリーズヒットの立役者であるウルヴァリンが(『LOGAN』で)死んだ(ヒュー・ジャックマンがシリーズより引退した)からというのもまた強烈
そしてそう言ったメタ事情を劇中で匂わせるだけではない。何故なら今回の主役はメタネタ全開でペラペラ喋ることを許されている我らがデッドプールなのだから!
その辺の事情にもガンガン突っ込むし色々ぶっ込んで来るのでMCUのみならずこれまでのマーベル映画に詳しければ詳しいほど笑えるだろう。
メタ事情を思いっきり弄り、思いっきり茶化すが一方で私は今作に「MCUじゃない世界にもヒーローがいたことを忘れないで欲しい」という茶化し無しのメッセージを感じた。
前述通りMCUの大ヒットにより今やMCUじゃないマーベル作品はかなり減りつつある。かつて実写化した作品をMCU作品としてリブートさせる動きも増えており現在もMCU版『ファンタスティック・フォー』が公開決定し、延期を度重ねているが『ブレイド』もMCU版を制作中(本作にこの事情を知ってると笑える部分があるのでご記憶を)
しかしリブートとは即ち、前の作品の世界の終わりではないだろうか。
新たなものが作られれば皆新しい方に目がいくし、なんと言っても天下のMCU作品だし。そうやって少しずつ昔の作品は古い物として見られなくなってしまう。
今作はそんなマーベルのMCU一極化を受け
「あの頃観たあの世界のヒーローは今もずっと戦っている」
と言いたいんではないかと感じた。
「MCUが出てくるまでマーベルヒーロー映画を支えたのは間違い無くFOXのマーベルヒーローなんだ!それを忘れないでくれよな!」というのを押し付けがましくない程度に作品に散りばめていて最後には「FOX…ありがとよ」と思わず呟いてしまいそうになる。
特にエンドロールで流れる「ある映像」は結構危なかった。デップーで泣かせようとしないでよ…
この映画は去るFOXへのMCUからの送辞
そして駆け巡るサプライズの嵐はかの
『劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer』
に匹敵すると言っていい!
出来れば前情報無しで劇場に急げ!
感想ブログなんか見るな!見た後来てね!
関連商品 デッドプールBlu-rayコレクション
安心してください。いつものデップーですよ
さて今作のテーマについては上記の通りだが『デッドプール3』としてはどうだったかと言うと
こちはもバッチリいつものデッドプールです。ご安心を
下ネタ、ドラッグネタにメタ発言、はちゃめちゃバトルで飛び散る血飛沫・人の四肢…お上品なヒーローに中指立てる作風はディズニーに来ても健在
今回冒頭でいつも通り無数の雑魚を相手にアクションをするのだがバックで流れるテーマに合わせてデップーが踊りながら無双するシーンで一気に気分が上がる上がる↑↑↑
その際に使う武器はデップーらしく型破りでナンセンス全開!不謹慎だがその爽快さに思わずニヤリとさせられる
例によって好き放題暴れたりそのやり方に疑問はあったりするが今回のデップーが戦う理由は上記のあらすじ通りまさに世界を救う為
無茶苦茶やりつつもしっかりヒーローなのも従来通りだ
今作のウェイドはヴァネッサとのギクシャクから彼女をもう一度振り向かせれるような偉大なヒーローになりたいと考えるようになっておりデッドプールを引退してなおもその気持ちが消えていない
そんな中とある男に「君は目標が高過ぎる」と言われるのだがこれが今回のデップーのストーリーの核たるポイント
偉大なものだけが、大義を成したものだけがヒーローなのか?
世界とは地球のことではなく、その人を取り巻く環境や一緒にいてくれる人のことではないか
物語が進むにつれてデップーが「世界」とはなんなのかを理解し、自分がどんなヒーローになりたいのかに気付いていく姿に注目して欲しい
帰ってきたぞ!我らがヒュー・ジャックマン!
最後に今回のもう1人の主人公・ローガン/ウルヴァリンについて
演じるのはもちろんヒュー・ジャックマン
7年振りとなるウルヴァリンだが微塵のブランクも感じさせない。何も変わらない。
あのワイルドで傷だらけで意外と繊細で割と湿度が高くて、ニヒルでぶっきらぼうだが本当は優しい最高にCOOLなヒュー・ジャックマンのウルヴァリンがスクリーンに帰ってきたのだ。
注目ポイントはその肉体美!
55歳とは思えぬそのボディは老若男女を魅力する!
それとビジュアル面で言うとついに本作で実写ウルヴァリンが原作の黄色いコスチュームを着ることに。
映画『X-MEN』シリーズではネタにもされていたあの衣装をヒューが着るというのが感慨深い。そしてちゃんとかっこいい。冷静に考えるとあのコス着て顔出しでなんでかっこいいんだよ…
終盤ではコスチュームに因んだあるサプライズもあるので注目。
今回のウルヴィは映画『X-MEN』シリーズに登場していたウルヴィとは別人。無数のマルチバースの一つからデップーに無理矢理連れてこられたたくさんいるウルヴァリンの1人。彼は初登場時点からその心には深い傷を抱えていた。
ちなみにデップーがマルチバースを周りながら様々なウルヴィに出会うが演じるのは全てヒューでしかもどの姿も原作コミックが元ネタ。分かる人には分かる。俺は分からなかった!
過去の過ちから仲間を失い、罪人として人々からも疎まれる存在になり果て自暴自棄からアルコールに溺れすっかりやさぐれ心折れてしまったウルヴィがデップーの事情に巻き込まれ行動を共にするようになり旅の中で喧嘩し、時に喧嘩し、またある時も喧嘩しながら再起していくのが彼のメインストーリー
そう。デップーとウルヴィ。とにかくよく喧嘩するのだがこの喧嘩が互いに〝ヒーリングファクター〟という実質不死身のような超再生能力を持っているので一切の容赦がなく本当に喧嘩というより殺し合い。これが見ていてまた痛快。
まだ色々書きたいが割愛。とにかく7年振りのウルヴァリン復活とヒュー・ジャックマンの帰還という面で観ても十分なクオリティの作品だ
関連商品 X-MENアダマンチウムBlu-rayコレクション
総評
デッドプールという第四の壁を超えることができる劇薬を使いディズニーによるFOX買収やウルヴァリンの出戻りを上手に作品に落とし込んでいながら時にそんなお膳立てをぶっ壊す勢い強烈に弄り倒す。
一方で照れくさそうにFOXの功績を讃えるようなメタフィクションな作風だからこそ出来る感動を与えてくれる逸品でもあり総じてバッチリおすすめ出来る作品だ!
MCUファン以上に「あの頃の」マーベルが好きだった貴方に是非観て欲しい
それではまた
コメント