前回 歓喜の島【デアデビル:ボーン・アゲイン】8話感想 三つ巴のダンスパーティー
『デアデビル:ボーン・アゲイン』は全10話だと言ったな?
アレは嘘だ。ウワアアア!
これって『コマンドー』が元ネタって知らなかった男 アメイジングRYOです。
そうです。散々このブログで10話って書いたのに実際には全9話でした!
全何話かなど作品の面白さにはなんら関係ないので最終話を語って行きましょう
あらすじ
ポインデクスターの弾丸から咄嗟にフィスクを守ったマットは病院で目を覚ます。
フィスクはこの一大事を利用しマットを含めた自警団をまとめて街から排除するべく電力会社を取り込みNYから光を奪った。
闇に閉ざされたNYでは特殊部隊が我が物顔で暴力を行使し、機に乗じて盗みを働く者も現れ、弱き人々は震え怯える地獄絵図と化す。
そしてマットはフィスク夫婦の恐るべき真の目的に辿り着く…
今デアデビルが、キングピンが蘇る
まさに地獄のバッドエンド!?

改めて言うまでもないことだが『デアデビル』はヒーロー作品だ。
普通のMARVEL作品に比べてレーティングが上がっているし、エグい描写も多く報われずにスッキリしない陰鬱な展開もてんこ盛り。
それは事実だがそれでもヒーロー作品。傷だらけになろうとも犠牲を払おうとも最後は形の上ではヒーローが悪を倒して一旦の区切りは付くものだと思っていた。
が!しかし!だがしかし(全11巻)!!
そんな甘ちゃんな私の予想など見事に粉々にしてくれたぞ『ボーン・アゲイン』!!!
シーズン2が来年に来ることは確定しているしこのまま終わる訳はないのは分かっているが、それでも今作に限って言うならその最終回は文句なしのバッドエンドだったと言っていいだろう。
ヒーローは敗れ、仲間は捕まり、正しき人は無惨にも殺され、敵の目論見は見事なされ、この人は味方してくれそう!と思っていた人は悪に屈し、街には無法に暴力を振るう国家権力がのさばり、力なき人々は怯えるばかり…
結末だけ書くと誇張なしでこんな感じ。
ちょっと見終わった後脱力感が凄かったね…
これでS2が一年後だってんだから勘弁してよ。
向こう一年はこの敗北感を私まで引きづらなきゃいけないのかよ。
無論、デアデビルの活躍はあるしあのヒーロー(後述)が助けに来てくれる熱い展開もあるんだがそれでもまるでヒーローの力が巨大すぎる悪に届かない様は絶望感すら漂う。敵も倒される時に無様に取り乱してくれれば少しは溜飲も下がるんだが
「俺は信念に従ってやったんだ。殺すなら殺せ!」
みたいなテンションだから倒してもモヤモヤ…
やはりヒーローは敵の心も砕かなければ真の勝利とは呼べないのか。
強いて言えば今回は最終回だからなのかグロ描写のレーティングがこれまでより更に上がっているので胸糞悪い特殊部隊をブシャブシャ倒す様はなかなか痛快ではある。あるんだが…
正直このレーティングアップの恩恵を1番受けてるのって今作の巨悪たるフィスクなのよね…
今作のフィスクは市長という立場を使い暗躍を続けてきたが今回ついに「暴力」と「殺し」を完全解禁!
フィスクに敵対してきたとあるキャラクターをその剛腕で文字通り「潰す」んだがこのシーンは強烈の一言。これまでグロに関しては割と抑え目だっただけに余計にね。
多少希望の生まれる展開はあれど(マットがフィスクの目的に気付くなど)基本的には完全にフィスクの独壇場。マットは無情にも完膚なきまでの敗北を期して物語は幕が降りる。
全体的にダークでスッキリしない回の多い本作だが最終回は殊更にそれが顕著。普通スッキリしない回が多かったらそれが振りになって最終回は希望ビンビンになるもんじゃないのか!
なにモヤモヤ更新してんだよ!
『ウルトラマンネクサス』とか観たことねーのか!
…ねーか!ごめんな!
まあ個人的にヒーロー作品があまりに希望なく終わるってのはどうなんだと思わないでもないが、この1シーズン丸々どん底ってのがそれこそ振りになってシーズン2、シーズン3がめちゃくちゃ盛り上がると信じよう。
あと断っておくけど面白いは面白いんでね。
そこは間違い無いぞ!
関連商品 マーベル/デアデビル シーズン1
パニッシャーボーンアゲイン!?

とにかく死ぬほどダークな結末となったことは前項で書いたので今回数少ないスカッとなバトルシーンについて。
4話で登場して以来音沙汰の無かった必殺のヒーロー パニッシャーが自宅で包囲されたマットを助けに来る熱い展開が!
待ってました!最終回はこうでなくっちゃ!
反りの合わない2人の皮肉を交えたやり取りからの共闘という男はみんな好きなやつをバッチリ見せてくれる。
2人が立ち向かうのはフィスクの私兵でパニッシャーを崇拝するイカれた警察 特殊部隊の面々。こいつらとパニッシャーの対面は見たかったやつだ。
フィールドが闇夜の室内というシチュエーションもいかにも今作っぽいフィルム・ノワールな映像に仕上がっていて特殊部隊の銃のマズルフラッシュが映えるのもクールだ。
デアデビルはいつも通りスティックとワイヤー、体術を使っての戦いなのだがパニッシャーは一味違う!今作では初バトルってのもあって大いに暴れてくれた。
背中からショットガンでズドン!
顔を掴んでテーブルの角にガン!してからゼロ距離でバンバン!
ナイフで滅多刺しにした後に首チョンパー!
これぞパニッシャー/フランク・キャッスルの真骨彫。
やりたい放題の悪党を観てこっちのフラストレーションが溜まったところで一切の慈悲も情けもなく悪即殺のバイオレンスアクション。
今作を最初から観ている人なら特殊部隊に絶対ムカついてるはずなのでスッキリすること間違いなしなパニッシャーの大立ち回りに注目して欲しい。
まあ相変わらずデアデビルからは「そういうのやめろ!」って怒られるんだけどね。そこはもうしゃあない。
またこのバトルシーンでもう一つ印象的な場面があった。
それは2人が協力し特殊部隊を倒した後生き残った特殊部隊の1人が放った弾丸に髑髏のマークが入っているのを見つけるシーン。
弾丸がヘクターを殺したものと同じと分かり男をヘクター殺しの犯人と断定。デアデビルは男を殴りつけて気絶させるがパニッシャーは「殺れ」と命を奪うことを勧める。
この時のデアデビルの答えは
「殺す価値もない」
言葉だけ見るとこの手の不殺ヒーローの模範的な答えだがマスクをしていても分かるマットの表情からそれが本心でないことがよく伝わる。
大切な人を奪われてポインデクスターを殺そうとしてしまった1話と同じようにマットは許せない悪党を前に本当はパニッシャーのように報復してやりたいという思いが過ぎる。しかしその一線は超えてはならないと必死に自分自身を止める為に自分に言い聞かせるように上記の台詞を言ったんじゃないかと思う。
言葉だけ見るとありふれた台詞でも演技やシチュエーションで全然深みが違うんだよな。
パニッシャーのが捨て身のバイオレンスアクションはここ以外にもあるのでぜひそちらもお楽しみに。
しかし最後は…!!!
関連商品 マーベル/デアデビル シーズン2
総評
というわけで『デアデビル:ボーン・アゲイン』全9話でした。
圧倒的にダークで救いがなく観てるとすごく疲れるけどめちゃくちゃ面白い!という評価はネトフリ版『デアデビル』と変わっていないポイント。
Disneyに来た途端めちゃくちゃ規制入ってあの頃の『デアデビル』じゃ無くなっちゃうんじゃ…という不安の声もあったが蓋を開けてみれば杞憂も杞憂だった。これは旧作ファンも絶対満足出来る逸品だ。
『ボーン・アゲイン』というタイトル通りマットがデアデビルを引退するところから始まり、再び蘇るまでが肝の本作は9話という尺で「こりゃヒーロー活動再開するわな」と観てる側も納得しかない話作りに仕上げてくれている。
あまりにも絶望的な最終回で少々落ち込むが最後にはヒーローが必ず勝つと信じて待ち続けよう。
シーズン2は2026年3月に配信決定!
みんなも観よう『デアデビル:ボーン・アゲイン』!
それではまた