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とにかく金が欲しい男 アメイジングRYOです。
この最初に書く余談って一応記事の内容に因んでいたり、サブタイトルから連想したワードを使うようにしてるんですよ。なのでこのぶっちゃけもちゃんと映画の内容に因んでるのでご安心を。
乱心したわけではございません。
今年も来ました仮面ライダー&戦隊の夏映画!
まずは『ゴジュウジャー』の方から語ってしょう!
あらすじ
夏真っ盛りに浮かれて海にやってきたゴジュウジャーだが吠は1人海の家でバイトに勤しんでいた。
そんな中いつものように指輪を奪うべく現れたファイヤキャンドルとアーイー達。夏の海を舞台に両者の戦いに火花が散るがゴジュウジャーは突如として何処かにワープさせられてしまう。
辿り着いた場所で5人が見たものは無惨に固められたテガソードの姿…
かつてユニバース大戦でテガソードと戦隊ロボ達に倒された深淵なる厄災「クラディス」の1人 疫病のペスティスを名乗るその敵によってテガソードのコア指輪が奪われてしまったのだ。
ゴジュウジャー達はテガソードの体内に誘われそこでコア指輪を奪い返す為ペスティスの繰り出す刺客達とチームワーク対決をすることに。
果たしてゴジュウジャーはペスティスを破りテガソードを復活させることは出来るのか!
今語られるテガソード誕生の真実とは!?
世界を救うために今こそ全人類よ戦隊となれ!
まさしくこれはダメ人間讃歌!

「テーマはズバリ、スーパー戦隊が送る人間讃歌ならぬダメ人間讃歌」
これは松浦大悟Pの言葉で今作を見る上で覚えておきたいワードだ。
人間は醜く、身勝手で、いい加減で、弱くて、欲望に容易く飲まれる…
でもそんな人間ちゅわんが大好きだー!
スキダー…スキダー…スキダー…
そんな思いが迸る(というか劇中とあるキャラがまんま上記の台詞を叫んでる)今作はまさに言っていた通りの作品に仕上がっていたと感じた。
本編同様脚本は井上亜樹子先生だが、思えばお父上の敏樹の作品も人間の弱さや醜さを目一杯描く一方でなんかんや最後には「でもそんな人間がいいよね…」という結末にする事が多く根底には常に人間讃歌があったように思う。
テガソード誕生の秘密や彼が何故人間に願いを尋ねるのか。時に献身的なまで尽くすのはどうしてなのか。彼が内に秘める思いもその全てが今作で描かれていてテガソードというキャラクターの解像度が一気に上がる為テレビ本編を今後楽しむ上でも本作は是非見ておきたい作品だと思う。
作品のテーマである「願い」を深掘りしている作品でもあり徹底的なまでに人々が持つ願い・欲望、その大小や数を問わず全てを肯定し「誰がなんと言おうと願いを持つことは素晴らしい事なんだ!」と突っ走ったメッセージ性はどこか宗教的にすら映る。
「この作品宗教っぽいな」
「宗教っぽかったらどうなる?」
「知らんのか?テガソード様信者が増える」
♫い・や・さ・か テガソード \様っ!/
でもマジな話今作でテガソード好きな人は増えると思うのよね。
ちなみに胎内巡りをするパートでテガソードに「願いぶくろ」なる器官があることが判明した。怪獣解剖図鑑じゃねーんだぞお前。
「人々の願いの力でテガソードが復活するんでしょ?」と安易な想像をしてしまいやすい復活シーンだが実際には一捻り入れて来ていて亜樹子先生の「テガソードは自己完結型のお姫様」という考えが強く反映されている。
テガソードが目覚めるきっかけになった吠のテガソードへの言葉も1話の彼を思えば色んな意味で「成長したな…!」って思えるものになっていてグッとくるのよ。
今作はサンシャイン池崎さん、ゴー⭐︎ジャスさん、東海オンエアのてつやさんなどたくさんのゲストが登場することはCMでも散々宣伝しているがこれは「人間いいよね…」する為の前振りとして身勝手で欲深い人間をたくさん描く必要があったのでその枠に話題にもしやすい著名人を使ったって感じだね。
しかしゲストはただの賑やかしには終わらない!
ちゃんと見せ場があるしゲストにちなんだネタも映画後半の見どころになっている。
そしてまさかのサプライズゲストも…!
OPのクレジットで誰が出るか分かっちゃうんだけど一切宣伝してないゲストなんでちょっと面食らったね。そしてあの姿になるなんて…
一瞬不可解なんだけど、彼が何故あの姿になるのかは分かりやすく答え合わせしてくれるんでご安心を。
今作において願いを持つことはすなわち戦隊になる資格を持つことであり、ママもパパもお兄さんもお姉さんもおじいちゃんもおばあちゃんもお隣さんも誰もが戦隊になれる。
いや、なるべきである!という押し付けっぽさすらあるパワー理論で描かれるクライマックスの様相はさながらアカガニの繁殖期。あんなに画面が赤いのは久しぶりに見た。
支柱となるテーマが明確でしっかり描いてまとまっているし後半のフックも尺を考えれば十分で個人的には及第点はある作品だったと思う。
バラバラ上等!これがゴジュウジャーだ!

ではもう少し具体的に映画の中身を掘る話題を。
今作はあらすじの通り突如現れたクラディスの残党であるペスティスによりテガソードが倒されコア指輪を奪われてしまったのでゴジュウジャー達がテガソードの胎内を巡りながらペスティスの仕向ける刺客と指輪を取り戻す為に戦うという流れ。
で、このペスティスが仕掛ける戦いというのが「チームワーク対決」でありゴジュウジャーはチームゴジュウジャーとして様々な競技にチャレンジしていくことになる。
最初がバレーボール、次が月曜19時によく見る気がする5人で一つの答えを出すクイズ、大縄、ロッククライミング…とシチュエーションを変えながらチームワークの必要なゲームを色々やるんだけどこれってさ…
常夏冒険城と絵面が似過ぎてない?
いやまあ劇場版らしくロッククライミングとかはロケで撮ってたりするからだいぶ見栄えがいいんだけどクイズやら大縄は非常によく見る屋上でやってるもんだから特に規模感がせせこましく感じるしやってることはほぼ常夏冒険城だし正直序盤は「(映画がこれで大丈夫か…?)」と心配になった。
とはいえ前述通り後半はしっかり劇場版らしい派手な展開が待っているので前半は溜めとして見ればありっちゃありなのかな?
ペスティスは厳格で決して「個」を認めない性格。自分はクラディスという大いなる「全」の中の一で、あくまでも歯車の一つでしかないと考えており配下達やゴジュウジャーにもその考えを強いてくる。
エラーはいらない、自我はいらない、ただ巨大な意思の中に組み込まれたパーツのようにその意思を正確に実行する存在であれ。という極端な考えを持っていてそれこそが最高のチームワークを作ると考えている。
これは「チーム」や「一致団結」という考えの負の部分であり、前作のとあるキャラの台詞を借りるならば
「自分と違う色を持った人が一緒だと世界はカラフルでもっともっと面白くなるよ」
を否定するある意味でスーパー戦隊と対をなすスタンスと言ってもいい。
これに対し我らがゴジュウジャーは最初こそ敵の言うチームワーク対決に乗っ取り従い戦っていくのだが後半では自分達らしさを取り戻し、自分達の戦い方でペスティスに挑んでいく。
他人の押し付けるチームワークや戦隊らしさなどぶち抜いてこれが俺たちゴジュウジャーだ!と反撃に出る展開は結構お気に入りの部分。
全員でテガソードに乗り込んだ後の角乃の台詞もいいんだよ。ゴジュウジャーとはどういうチームなのかがあの台詞に詰まってる。
あと気に入ってる部分としてはいつもの応援団空間でゴジュウジャーが格ゲーコンボ決める件も良かったね。見慣れた特殊演出がアレンジされるのも凄く劇場版っぽい。
本作は誰か1人を重点的に掘り下げたというよりは戦隊としてのゴジュウジャー全体のあり方やスタンスにスポットを当てているという印象だ。
今後に大きく関わる話?

最後にTV本編に繋がりそうな要素に少し触れよう。
まず今回のブライダンは完全に味方サイドである。
世界を終わらせるクラディスの存在は完璧な世界を作りたいテガジューンにとっても危険な存在であり今回(尺の都合もあって)かなりあっさりとゴジュウジャーと手を組むことを決定している。
つまりはクラディスが敵になるんであればブライダンとは自然と和解ないし共闘ルートに入ることが確定した。
そしてそのクラディスはというとペスティスの台詞からなにも彼が最後の残党というわけではないことが仄めかされておりやはり番組後半は大方の予想通りクラディスが敵になってブライダンとは和解って話になりそうだなーって気がする。
ファイヤキャンドル、ブーケ、Mr.シャイニングナイフ&Ms.スイートケークはかなり可愛げが描かれてるし、テガジューンは出自とかを考えてもテガソードに救済されそうな気配あるからいいけどやはり最大のネックというか例外にされそうなのはクオンだよな。
あ、ちなみに今作のクオンは普通にクラディスと戦うかっこいいガリュードです。キモくないが結果あまり存在感もないという困ったことに…
ファイヤキャンドルは例によって三本木さんのアクションのレベル高い。スタント無しであんだけかっこよく動けんのは本当に凄いよ。
総じてブライダンの扱いはいい方なのでブライダン推しにもおすすめしたいね。
劇場版用にエピソード0の敵の残党を用意しつつ今後の展開の種まきも済ませると言った手法は『キングオージャー』や『ブンブンジャー』でも見られた最近のトレンドだね。
『新・初恋ヒーロー』?
あれは別に…いやまあ種まきしてたっちゃしてた…か(椎名ナオキ関連とか)?
まあそもそもあの映画というか『ドンブラ』という作品自体そういうんじゃないんで…
おわりに
というわけで『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』でした。
人間讃歌でありスーパー戦隊讃歌ともいえる本作の軸は概ね悪くないしいつもながらTV本編と変わらぬ尺でちゃんと「劇場版」をやれているのは凄い。
今作は久しぶりにロボ戦が復活ということでオープンセットでのロボ戦や新形態であるテガソードオリジンなどそっちも見どころとなっている。
前2作では解消されていた「夏映画、追加戦士の出番なさすぎ問題」がぶり返して真白が全然出番ないとか、前半がTVと変わらん規模感とか気になる部分もなくはないがテガソード様の新情報や今後の展開の前振りになる描写も見られる為やはり本編を追っている人には見て欲しいね。
それではまた


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