その男、忍び【仮面の忍者 赤影(2025)1話】感想 だいじょ〜ぶ…か?

単発作品

今日の日に備えてきちんと昔の『仮面の忍者 赤影』を見ておいた男 アメイジングRYOです。

金目教編だけだけどね!でも作品の面白さは理解したつもりです。

去年の『ウイングマン』に続いて年末に単発シリーズ特撮作品が放送開始!嬉しい限りだ!

令和の赤影、語っていきましょう。

あらすじ

天正3年

かの有名な長篠の戦い織田信長武田家を滅ぼし天下統一に王手をかけていたその頃、琵琶湖の南で金目教という怪しい宗教が蔓延っていた。

それを信じない者は恐ろしい祟りに見舞われるという。

民草に邪教の教えが広がるのを恐れた織田家家臣滝川一益飛騨の国より人質として連れてこられていた1人の忍金目教の調査を依頼しようとするがこの男、一筋縄では行かないようで…

一方、金目教教祖 幻妖斎は配下の霞谷七人衆と呼ばれる手練れの忍達を使い信長暗殺を企てていたのだった。

かなりあるぞ!旧特撮版との変更点

転載:https://m.youtube.com/watch?v=w1t85Aif244&pp=

まずは現時点で分かっている旧特撮版(以下 昭和版)との違いから触れていきたい。

せっかく昭和版見たんでね。

『赤影』といえば

「まだ豊臣秀吉が木下藤吉郎だった頃〜」というナレーションが毎回OP前に入るので履修した人ならとても印象的だと思う。秀吉藤吉郎だった頃というと大体1550〜1570年くらいまでの期間であり、従って物語の舞台になる時代背景もその辺りのはずである。

しかしあらすじの通り今作の時系列は長篠の戦いの後。つまりは1575年以降ということになる。そしてこの頃の藤吉郎は既に羽柴秀吉に名前を変えてる時期なんだな。

…いきなり有名なナレーションがぶち壊されてる!

「まだ豊臣秀吉が羽柴秀吉だった頃」になってる!

更にいうと昭和版では赤影の主人は藤吉郎だったのに対し今作は一益が連れてきた信長に従う忍ってことに変更されている。

昭和版における藤吉郎のポジションが信長になった影響で秀吉一益昭和版でいうとこの竹中半兵衛ポジションになってしまった上、赤影と積極的に絡むのは一益の方。よって昭和版の主人である秀吉は出番の多いネームドキャラくらいの扱いに降格されてしまった。

昭和版ファンはまず有名なナレーションから弄ったことに眉を顰めるかもしれない。まずそれ何のための変更点なの?ってなる。

一応これには意味があるようで今作は主従の絆みたいのを描こうとしてるっぽいのよね。

他人を欺く忍を嫌う信長と比叡山延暦寺の焼き討ちをはじめとした信長の過激なやり方を嫌う赤影。2人は一益の強引な手で引き合わされ現時点では互いに信頼の薄い状態で止むを得ず協力していくことになった。多分ここから金目教との戦いを通じて互いの見えてなかった部分に触れ信頼を深めていくみたいなドラマをやりたいんだと思う。

確かに昭和版の赤影は言うなれば最初からレベル100みたいなもんで藤吉郎への忠誠も完全な状態から始まるから主人との絆ができるまでの過程を描くのは決して悪い変更じゃないと思うんだけど…

それ信長にしなきゃダメ?藤吉郎でもやれるっちゃやれるのでは?

信長のが派手で過激なエピソード多いから赤影が反感を持ってるって描写を作りやすいのは分かるんだけどさ。

赤影のキャラもかなり違う。

昭和版は完全無欠のスーパー忍者であり、強くて優しくて頭がよく常に余裕のあるみんなの憧れみたいなおじさんだったが、今作は多くの悩みや辛い過去を抱える人見知りの激しい無口な若者という実に今風なキャラ付けをされている。

昭和の時代のヒーロー像って本郷猛とかハヤタ隊員とかを見れば分かるが完璧超人が求められていたと思う。ヒーローとしてこの上ない造形なのは間違いないが、一方で判で押したような「ヒーローらしさ」しかないこの時代のヒーローって後年の視点で見るとキャラが薄いとも感じる。

昨今はヒーローであっても人間性に問題があったり、人間らしい弱さやずるさや暗さのある人物像のが好まれる傾向にある。よって赤影もそう言う造形になるのはさもありなんってとこか。

ただ赤影さんの魅力はやはり圧倒的な頼り甲斐だとも思うから昭和版を見てしまったが故に正直不満はある。

他の変更点でいうと青影だね。

青影赤影の仲間の少年忍者であり、鼻に親指を当てて残りの指を開きながら「だいじょ〜ぶ」と言う特徴的な仕草が有名。

私と同じ90年生まれ辺りの人にとっては『めちゃイケ』色とり忍者でやってたやつって言った方が伝わるんじゃなかろうか。あの頃はずーっとフジテレビ観てた気がする。

昭和版青影の魅力はなんといっても演じる金子さんの子役と思えぬ演技力の高さと劇中における活躍っぷり。

前者の話からすると当時の特撮に出るような子役って今ほど演技のレベルが高くなかったのよ。時に「その辺の子供ふん掴まえてやらせてんのか…?」ってレベルの子さえいるんだが金子さんは抜群に演技が上手くて安定感が凄い。

後者の話をすると子供キャラって作劇上便利に使われることが多いんだが、その多くは子供故に思慮の足りない行動をしてしまいヒーローを却って窮地に立たせてしまうみたいなネガティブな使い方なんだ。大人からすりゃお話の都合と割り切れるが、子供視点だと「おめーのせいじゃねぇか!」ってなって結果子供キャラは子供に嫌われる傾向にある(と私は思う)。

だが青影は違う。足を引っ張るどころかめちゃ有能で赤影の指示をきちんと守って1人でも任務を達成するし、雑魚の一蹴は朝飯前で霞谷七人衆すら欺く活躍を見せてくれるなど戦力として申し分ないのだ。

で、令和の青影はどうかと言うとまずめっちゃ大人です。うん…嫌がる人は嫌がりそうな変更かな。

ただ演じるのはFANTASTICS木村慧人さんだ。

木村さん『劇場版 仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』で劇中4人目のマッドサイエンティスト クラープを演じており演技力の高い方なのは分かっているのでそこは安心だろう。子供じゃないが子供っぽい雰囲気は出てるし1話から赤影と戦ったり手練れなのも確約済みだし、そもそもまだ出番が少ないので判断しかねる。

また昭和版ではスタートから赤影の仲間だったが今作では例によって赤影との出会いから描いている。

とまあ1話時点で分かった変更点はこの辺りだ。

少々〇〇◯な映像

転載:https://m.youtube.com/watch?v=w1t85Aif244&pp=

続いて今んとこ感じてる部分について諸々。

まずちょっと映像がチープだなってのは感じたね。

1話から結構CGが多用されてるんだが最近のライダー戦隊に比べてかなり甘いというかクオリティの高いCGじゃない。

あとこれは『赤影』のせいじゃないしあくまで個人的に思うことなんだけどさ。今の映像技術と時代劇ってジャンルが噛み合ってないのかなってのをちょこちょこ感じてしまう場面があった。

私は今年の頭に生まれて初めて『暴れん坊将軍』をちゃんと観てみたんだ。ちなみに五色田介人ライダーマンと物語の結末を決めそうな人が出てた。

そんでその時にも感じたんだけどあまりに映像が綺麗過ぎて「嘘っぽくなり過ぎ」てしまってるような気がするのよね。昔の時代劇(というか映像全体が)はもっと汚ったなかったでしょ?でもそれが過去の話っぽさを演出していたと思う。

まして私は昭和版を観たばかりだから余計に比較してしまう部分がある。

これに関しては慣れが必要な部分なのかなとは思うね。別に映像が綺麗になり出したのなんてここ数年ってわけじゃないし、単に私が今の時代劇に慣れてないってだけな気もするし。

三池監督のスタイルなんだと思うけど登場人物が突然現代的な砕けた言い回しをするというシーンに代表されるコメディ演出全般がなんかちょっとハマらないんだよな。これも慣れかなとは思うんだけど。

必殺技を使う時にテロップが出るのも子供っぽくて浮いてるような…いや、そもそも子供向け特撮のリメイクなんだからなんら変じゃ無いのでは?

とも思ったが時間帯が深夜+58年前の作品のリメイクのターゲットなんぞどう考えたって今のちびっ子じゃなく、かつてちびっ子だったおじ様や私のような筋金入りの特撮好きだと思うしやはりこの演出はちょっと違うと思う。

これらの要素が繋がって初見の現段階では作品全体がややチープに見えてしまっていると思う。

ここは素直にいい感じ!令和の 霞谷七人衆

転載:https://m.youtube.com/watch?v=w1t85Aif244&pp=

逆にいいなと思う部分について。

令和に蘇った霞谷七人衆のビジュアルは原作の要素を残しつつ独自のアレンジもありいい感じのリメイクだと思う。

傀儡甚内〝顔盗み〟はCGが良い方向に生きてるし、『赤影』の序盤で印象的な蟇法師千年蟇はきちんとスーツを用意してたのも好印象。

あと流石にLDH JAPANの佐藤さんを主演にしただけありアクションはスピーディーでかっこいい。特撮においてアクションかっこいいって割と他のネガティブを消しとばすくらいでかい要因なのでこれはいいよ。

それだけに技テロップが邪魔な気がしちゃうんだけど。

三池監督はバイオレンス描写にかなり定評のある方だが今回もガマ怪獣に殺されたと思われる織田家の兵士達の四肢が飛び散ってるみたいなカットがあり得意技を繰り出している。これも悪くないと思うよ。

1話の段階でいいと思ったのはマジでこの辺かな。

まあ最後まで見ていけばもっともっといいとこを見つけられると思うのでちゃんと追っていこう。

次回

ガマに食われた赤影の運命は!

青影が仲間に!

そして捕まった2人!なぜ!?

それではまた

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