前回 夢咲き鳥【ウルトラマンアーク21話】感想 ギリギリまで頑張って
ウルトラマンダークとセブンダークってどっかでもう一回くらい出してもいいんじゃない?
と、思っている男 アメイジングRYOです
『ギンガ』に出て来たやつね。皆覚えてます?
さあ!
『ガッチャード』と同時公開でどっちを先に観にいくかな悩まされた『アーク』の劇場版を観て来たので感想と紹介をしていきたいと思いますよ!
シュウさんファン必見だぞぉ!
あらすじ
時は赤い玉事件の後まで遡る。
ある日、SKIPの皆と鍋パーティーをする為の材料を買いに行っていたユウマは道端で座り込んでいる老紳士を見つけ事務所に保護した。
しかしこの男、どうも様子がおかしい上になんとユウマがウルトラマンアークであることを知っていたのだ。
デュグル星人サスカル
そう名乗った男は時空すら操る強大な力を持つ宇宙賢者であり、今日はユウマが「勇者」の資格を持つに相応しい人物なのかを試練によって精査しに来たのだと言う。
しかももし試練をクリア出来なければユウマはアークの力を失ってしまうらしい…。
ユウマ、アークの意思など関係なく理不尽に繰り出されるサスカルの3つの試練。
果たしてユウマはその全てをクリアしサスカルに「勇者」の資格を証明出来るのか。
オムニバス形式で展開される「三つの試練」

今作の特徴は80分程度の尺の中で独立した物語が3つ展開されるというオムニバス形式の作品であると言うところ。
冒頭現れた宇宙賢者サスカル。ユウマはサスカルに突然三つの試練に挑むよう言い渡される。
するとサスカルは消えて他のSKIPのメンバーも事務所に帰って来る。
ここまでが三つの試練の共通の流れでありそれ以降の物語は別々のものに分岐していくのだ。
①事務所に仲間達が戻ってくる
②各試練の導入
③各試練のテーマに沿ったドラマが展開される
④怪獣を倒し事件解決
⑤サスカルが現れユウマに今回の試練で得た教訓を問う
⑥合格だった場合①に時間が戻り次の試練へ
を3回繰り返すという変則的な、一本の映画なのにまるでTVシリーズの新作を3本観たような満足感があるお得な映画だ。
ウルトラシリーズは元々大きな話の縦軸よりもそれ単体で完結している単発エピソードを得意としているシリーズであり、それは『アーク』本編でも存分に感じた部分だったがまさか映画まで変則的な単発エピソード×3の構築にしてくるとは。
しかしこの構成がめちゃくちゃハマっていて面白かったのよ。
第一の試練は怪獣との共存というシリーズ普遍のテーマを真っ直ぐに描き、第二の試練はホラーコメディ的な変わり種回、そしてシュウの掘り下げと共に描かれる最高に熱い第三の試練とそれぞれが全く違う話を同じ作品の中で楽めるのは今作の特筆すべき点だ。
個人的に第二の試練が笑えて好き。アークとまさかのあの人の戦いに注目!
第一の試練に登場する犬狼怪獣ムードン/ドグルフは情報解禁されたその日から散々言われていたが今作を担当する辻本監督の愛犬であるむーちゃんがモデル(という噂)
怪獣ではあるもののムードンの顔はデフォルメの少ない割とまんま芝犬なので非常に愛らしいし、表情のモデリングもかなり凝っていて愛犬家である監督の愛を一心に受ける怪獣になっている。
アークとの絡みにも注目。アレをああやって使うのか…なるほど想像力を解き放っておられる。
しかしその物語の結末はなんとも…これを辻本監督が撮ったと思うとなんか凄く胸に来るものがあるね。
どんなエピソードもどんなメッセージもどんな作風でもウルトラマンと怪獣でなら描けるというウルトラシリーズの懐の深さと強みが最大に発揮されている映画で個人的にかなりおすすめしたい逸品だ。
第三の試練に関しては次項に書くことにするとして今作のキーマンであるデュグル星人サスカルについても触れておこう。
演じるのはダンディなビジュアルとイケボからは想像出来ないくらいボケがパワー系な笑いながら怒る名優 竹中直人さん。
やはり特撮民なら『仮面ライダーゴースト』の仙人が印象的か。
サスカルは時空を操り時間を巻き戻すなど凄まじい力を持つ賢者だが時にシリアスに、時にエキセントリックなおふざけをかます大変いつもの竹中直人的キャラ。もはや安心感すら覚える。
絶対アドリブだろ!って動きがそこかしこに散見されるのも竹中節か。
銀河で話題になっている戦士の前に現れ、拒否権のない試練を課し失敗すれば力を奪うという非常に理不尽な上位存在だが一応「世界を救う力を持つものは時に世界を滅ぼす」という自分なりの考えを持っており、多分試練を超えられないようなやつが凄い力を持ってると今は世界を救っていてもいずれ使い方を誤るから没収しとこう、みたいな考えがあるんだと思う。
試練を終えた後のユウマに今の試練で得た「気付き」を答えよ、と厳正に問う割にユウマの答えが微妙だといい答えが出るまで待ってくれたり微妙に優しい面も度々描かれるので掴みどころのない愛嬌のあるキャラになっていて結構好き。
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闇戦士ギルアーク、その正体は…!

今作の目玉となる闇戦士ギルアークについても語っていきたい。
彼が登場するのは第三の試練であり物語のクライマックス。そして並行してシュウの過去についても掘り下げがなされ彼を中心としたドラマが展開される。
本編6話でヌマタさんを前に侵略者ではないかと疑いいつもの落ち着きを失って過激な面を覗かせたシュウ。それには事情がありかつてシュウは同僚を宇宙人により殺害されているという過去があったのだ。
実はこの情報、別に今作が初出という訳ではなく放送当時に公式がXで連載していた『石堂シュウの日記』にて載っていたりする。
『石堂シュウの日記』自体本編の補完的内容になっていて面白いし、今作を見る前に一通り読んでおくとより楽しめるので目を通してから劇場へ行けるといいね。
今作ではその事件の直後の極めて精神状態が不安定になっていた頃のシュウが作り出したある物がキーになってくる。
ちょっと『ネクサス』のリコを思い出したよアレは。
そしてその同僚を殺害したシュウにとっても因縁の相手である宇宙人も登場。かつて防衛隊に撃退されたことを恨んでシュウに卑劣な策略を仕掛けてくる。中々のクソっぷり&的確にシュウの古傷を抉る陰湿さに注目して欲しい。
本題のギルアークに話を移そう。
とにかくビジュアルはめちゃくちゃカッコイイし、アークとは違う全体的にぬるっとした動きも不気味でナイス。
ギルアークとの零距離光線撃ち合い中にアークが涙を流すシーンが予告にも流れていて印象的だがこの理由はもう凄く納得というか説得力がある。
本編でどんな辛い目に遭っても泣きはしなかったユウマとアークだけどあれはね…そりゃ泣くよ。
しかし最大の注目ポイントはそこではない!
ギルアークは単なる敵には終わらないキャラであり、ある意味『アーク』を見て来た我々の願いが具現化したような存在。
その最高に燃える展開の数々が怒涛のごとく押し寄せるクライマックスは是非劇場で!
俺はプレバンで予約受付中のアーツのギルアーク買うって決めたよ…
本編観た後ちゃんとおもちゃが欲しくなる。
特撮番組とはそうでなければならない!
最高の販促になっていてそういう意味でも大成功だぞ今作!
時系列は本編中。しかし!

最後に本作の時系列について。
本編の後のエクストラエピソードみたいな扱いが多い劇場版の中では珍しく本作はガッツリ本編中の出来事。
冒頭とラストで懇切丁寧にこの話は21話の後、22話の前ですよーと映像で見せてくれるので非常に分かりやすくありがたい。
しかし!
今作、実はそう単純ではない!
最後の最後になんと本作は…
本編中の出来事であると同時に本編後のエピローグだったことが判明するのだ!
意味わかんないでしょ??
しかし観れば分かる!
本作中「あのキャラ」に「そういうこと」が出来るのは描写しているので若干パワープレイながら納得の出来る結末になっていて最後の最後まで油断出来ない作品となっている。
『アーク』本編中の隠されたエピソードであると同時に本編後のゼ・ズーとの戦いのことまで分かってしまうというファン必見の映画だ!!
総評
というわけで『ウルトラマンアーク THE MVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク』の感想/紹介でした。
いや相当良かったよこれ!
新規怪獣多いしその全てが独立した物語に出てくるって構成も巧みだし何よりギルアーク関連がはなまるあげたいくらい最高。
これを観ずして『アーク』好きとは言わせないぜ?
絶対ネタバレ無しで観に行ってね!!
それではまた


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