最近好きなロボットアニメは『太陽の勇者ファイバード』な男 アメイジングRYOです。
huluで配信され出したんですけど面白いね。古き良き子供向けアニメって感じで。
さあ!今回はシンガポールから突如飛来した謎多き無名作品『メカバース:少年とロボット』を観てきたので感想、紹介をしていきたいと思います!
『ボルテスV:レガシー』もそうだけど今、海の向こうで実写ロボット映画が熱い!
よろしくお願いします
あらすじ
宇宙空間を自在に移動できるワープゲート「ヘブンズ」が開発された時代。
地球の豊富な水を求め侵略を開始した火星帝国の攻撃により更なる発展を遂げる筈だった地球は戦火に包まれ、ヘブンズの向こうでは地球と火星軍の持つ巨大ロボットが日夜ぶつかり合い激しい宇宙戦争が繰り広げられていた。
主人公のカイは幼い頃に地球軍のエースパイロットである父を火星軍との戦いで失い、母も仲間を救うべく土星に向かい消息を絶ち父の親友に育てられる。
成長したカイは父と同じ道を進むため、また死んだと決まっていない母を探すために兵士となるべくメカコープアカデミーの門を叩く。
そこで出会う仲間、上官、そして自身の専用機にして最良の友 リトルドラゴンと共にカイは激しい戦いに身を投じていく。
ど真ん中ストレート!子供向け作品の魅力

今作は一言で表すなら「子供向け作品」である。
もちろん、これは悪い意味で言っていない。
毎週、毎週『ガヴ』や『ゴジュウジャー』を楽しみにしているどころかブログまで立ち上げて長々感想書いている私が「子供向けw」なんて笑うわけがなかろう!
しかしながら「子供向け」と「子供騙し」 は違う。後者は子供が見るもんだからと侮って適当に作っているものへの苦言。
前者は子供が見る作品だからこそ本気で取り組み、配慮し、メッセージを仕込み、描くべきとことそうでないとこを精査し吟味し、かっこよさや可愛さを極め、楽しく、無垢なる瞳を引きつけられるよう尽力し子供を侮らず作った結果ターゲットは子供だが大人も虜に出来るような作品に仕上がっているものへの賞賛なのだ!
…まあ流石に言い過ぎたがなんにせよ「子供向け」と「子供騙し」は違うわけ。
そしてそう書いた上で改めて書くが今作は「子供向け作品」だ。
小学生とかが観に行ったらビンビンに刺さる予感がする。
このブログを読んでくれているお母さん、お父さんは是非お子さんと観に行ってあげて欲しい。
…いねえか!
人の親ってそんな暇じゃねえか!
さておき
今作はシンガポールで生まれた映画であり、監督のリッチ・ホーが脚本も手掛けている。
というかなんならこのホー監督、今作の撮影監督も視覚効果監修も美術監督も劇中曲の作曲もプロデューサーもぜーんぶ1人でやっていて、おまけに本編にも(かなり美味しい役で)役者として登場してたりする凄い人。
なんでも撮る筈だった作品の話が頓挫し、収入がピンチの時に本作を手掛けたそうなのでそれだけに人件費を割けなかったみたいな事情もあるのかも知れないがマルチタスクが凄い。
とはいえ、いわゆるZ級映画のように低予算丸見えとかじゃないのでご安心を。
ホー監督自身子供を持つ親であり、予告によれば自分の子供が楽しめる映画を、と考えて出来上がったのが今作のシナリオだそうだ。その目標は達成出来ていたと思うよ。
ストーリーは分かりやすくシンプル。
英雄の父を持つ頭はいいが喘息持ちの少年 カイが軍に入隊し訓練を受け、個性豊かな仲間や上官に囲まれながら成長し自分のロボットを与えられロボットとも絆を育み共に火星軍と戦う。
これだけ
カイのバックボーンについてはそこそこ語られるがそれ以外のキャラクターや世界観の掘り下げなどはあまりされず終始主人公が主人公でい続ける、サイドストーリー的なもんがない構成は良くも悪くも単純で目が散らない。
まあ90分くらいしか尺ないから他のことやってらんなかったのかなって気はする。
登場するキャラクターについてもかなり分かりやすい。
特にカイの所属する部隊の仲間達はそれぞれ
・超潔癖症でなんでも1番がいい奴
・ゲーム得意なやつ
・ギター弾くやつ
・ほぼゴリラなやつ
と、極めてキャラ付けが記号的で名前を覚える必要がなく、〇〇な奴で通じるくらい分かりやすく作られている。なんか夕方にテレ東でやってるアニメ観てるみたいな気分になったね。
ちなみにほぼゴリラな奴は力自慢でムキムキなんだがまともに共通言語を喋れず、謎の独自言語を使いそれでジョークを言ってくるから誰にも伝わらない陽気な男です。
なんでこんな奴が入隊試験受かったの?
そして主人公部隊を指導するチーフはちょび髭でぽっちゃり、凄く厳しくスパルタだが実は優しいツンデレ鬼軍曹というこれまたビジュアルから何まで大変分かりやすい。声が裏返る癖があるというダメ押しの個性までおまけで付いてくる。
吹き替えを担当するのはMARVEL世界にいすぎる声の森川智之さんだ。
森川さん以外にも今作は予告からやけに吹き替え声優を推している。
主演のカイの声は実は『ビーロボ カブタック』に子役時代出ていた小野賢章さん。
カイの相棒であるロボット リトルドラゴンの声はビュンディーが記憶に新しい花江夏樹さん。
謎多き地球軍のキャプテンの声は本作のナレーションも担当する津田健次郎さん。
ロボットのシステム音声の声は特撮だとまだ馴染みがないキュアサマーなファイルーズあいさん。
どうしてもマイナーな作品だし日本人には馴染みのある声優をガンガン推して声オタにも観にきて欲しいって狙いがあるのかも知れないが、それにしたってちょっと宣伝が露骨で気になっちゃったね…。
まあこれは本編の出来の良し悪しとは関係ないとこだけど。
日本語吹き替えに力入れてるし、日本版主題歌が用意されてるし、日本が世界最速上映国に選ばれてるしストーリーもロボットアニメに馴染みがある日本人向けな気がするし日本でヒットさせるぞ!って気持ちが強いのかも知れないな。
何はともあれ分かりやすいストーリーに分かりやすいキャラクターが揃っていてちびっ子にも飲み込みやすく出来ているのは間違い無いだろう。
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VFXで描かれるメカッコイイロボ達

今作の肝はもちろんロボットバトルだ。
美しいVFXで描かれたロボット達はメカメカしく、スタイリッシュやヒロイックなスーパーロボットというよりは『パシフィック・リム』や『アーマード・コア』みたいな重厚で無骨なリアルロボット系で刺さる人には深く刺さりそう。
ロボットの動きにはモーションキャプチャーが使われておりこれにより滑らかで人間的な無理のない動きを実現。ちなみにモーションアクターをやったのはホー監督だ。
個人的に好きだったのは前述のチーフが乗る専用機(上記画像)
横にデカく羽もあるボリューミーな姿で巨大な二丁のホバリングガンを武器に戦い、更に弾が切れると空にホバリングし待機させている予備の銃に持ち変えるという男心くすぐられるアクションにニヤリ。
火星軍の使う機体はなぜか鎧武者風の和なテイスト。斬新さは無いが無難にかっこいいぞ。刀とか全然使わずなんか手からエネルギー弾みたいのを投げるのはモチーフと噛み合ってない気もしたが。
カイの相棒であるリトルドラゴンは体力に難があるカイでも操れるように全身最小のパーツで組まれた最小の機体。
カイは頭はいいが喘息というハンデを抱えており他の訓練生に遅れを取る場面が多く、そんなカイに合わせて作られたリトルドラゴンも無論仲間内で1番弱い。
そんな1人と1機が一緒に強くなるというのが今作の主軸。
少ない武装を活かして2人で必殺技を考えたりするなどワクワクするシーンもある。もっともその必殺技があんまりかっこよくないのだが…
というか本作ちょこちょこ敵も味方も必殺技名と思しきものを叫ぶシーンがあるんだがリアルロボット系でそれはあまり噛み合わせが良くないようにも感じる。
「子供向け」という観点で見るなら必殺技は絶っっっ対あった方がいいんだけどさ。
まあいいか。
『パシフィック・リム』も「ロケットパーンチ!」って言ってたもんな。
ちなみに今作の操縦はエヴァンゲリオンみたいに操縦者とロボットがシンクロして操縦者の動きをロボットもやるってタイプだね。
ロボット自体に明確な意思が存在するので訓練生達の最終試験が「雲の空からパイロットは落下し、その落下中にロボットにシグナルを送り自分を見つけさせ搭乗する」というロボットとの絆を試されるような展開があるのは結構好き。
それとクライマックスでのラスボスの倒し方は結構新しいし燃える。
序盤の幼少期のカイの台詞が前振りになってい「少年の独り立ち」という今作のテーマにバッチリハマるフィニッシュになっていた。
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いくつかの問題点

しつこいようだが今作は「子供向け作品」。
そして「子供向け」として観れば及第点だと感じているのだがいくつか問題点も存在する。
まずはドラマ性の薄さ。
特に前項で描いた弱い1人と1機が一緒に強くなるというメインドラマがかなり薄味。あまり2人で強くなった感がない。
途中カイが挫折してしまう件があり、そんなカイをリトルドラゴンが再起させるというバディ物における見せ場とも言える場面があるのだがこれがあまりにもあっさり解決する上になんで立ち直ったのかがイマイチ掴めない。
良いところとして書いた同じ部隊の仲間達も分かりやすいキャラ付けこそされているが、ちゃんと目立つのは2人だけで残る2人はほとんど機能していないのも惜しい。更に書くと仲間達にも専用の機体があるのだがちゃんと活躍するシーンが絶無に近い。
結果まともに活躍するロボットはせいぜい3〜4機ってとこ。せっかくVFXは良い感じなんだからもっと色々観たかった。
ギャグシーンは子供なら多分笑うけど大人はさほど…になると思う。まあこれはターゲット層の違いから来るズレなのでしゃあない。子供が笑えば御の字よ。
どこまで行ってもカイを中心にしか物語が描かれない関係上壮大な設定に対して描かれる世界が狭く、非日常感あるワクワクするカットはあってもそれが深く言及されることがないのも少々残念。
大人が見るとそのシンプルさ故に物足りないと感じてしまうかも知れないね。
まあ娯楽作品なんだから辛気臭いドラマやシリアスは脇に置いて快活な少年とロボットの成長物にしようぜ!ってのは全然間違いじゃないんだけどさ。
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総評
というわけで『メカバース:少年とロボット』の感想/紹介でした。
相応に荒さはあるものの快活で分かりやすい良き子供向け作品になっていると思う。
とにかくかっこいいロボットが観たい!
というメカ好きも楽しめるんじゃないかな?
悪くない作品ながら上映館が少ないようで最寄りの映画館でやってないみたいなこともあり得そうなのが残念なところさん。
親子で行ける作品なので「夏はポケモン!」
ならぬ
「春隣(春がもうすぐ来る季節)はメカバス!」
それではまた
余談

公式アカウントがエゴサしているようでフォロワー全然少ない私のポストにまで反応してくれている。
大変なんだなあ…
それと今後は記事に困ったらマイナーヒーロー作品紹介とかやろうかなーと思ってるのでよろしくお願いします!


コメント