前回 爪痕の謎を追え【ウルトラマンオメガ 4話】感想 好青年と好好爺
「釣っていた糸が切れてラドンが落下してしまったがそれが却ってリアルでドラマチックな画になったのでそのままラストシーンを撮った」という裏話が好きな男 アメイジングRYOです。
『空の大怪獣ラドン』は名作ですよ。
ゴマスリクソバードとかいい声のヘタレバード姿しか知らない皆様はぜひ見てね!
ラドンよりメガヌロンのが数倍怖いぞ!
夏の日にピッタリな良質ドラマだった5話を語っていきましょう。
あらすじ
ソラトが1人でおつかいに行くことになった。
コウセイがオーナーから頼まれていた知り合いへのプレゼントを送り忘れたのでそれを届けるためにひとり田舎にやってきたソラトはそこで母を亡くし親戚の家で世話になっている少女 ミコに出会う。
田舎に馴染めず、親戚にもどこか余所余所しい彼女が心の拠り所にしているものとはまだ小さな蛇の怪獣であった。
しかしその怪獣には危険な秘密が…
ソラトはミコとミコトを救うことが出来るのか。
操演の暖かさに浸れ!

今回の怪獣 伝説蛇獣オオクニノヌシノミコト 通称ミコトは全編に渡り操演によって描かれていた。
このブログじゃ何回か書いてるけど操演は近年では「CGでよくね?」感もあり数を減らしている技術であるが、操演特有の可愛らしさや暖かさ、実際のスーツを動かすことで生まれる生物感や出せる感情があると私は思う。
今回のミコトは蛇体系の怪獣でそれを操演するということもあり殊更に細かく、可愛く、生きているように見せる卓越した技術が必要であったがその分ミコと戯れているシーンをはじめ可愛く仕上がっていた。
ミコト一匹動かすのにもクレジットを見る限り補助含め5人ほどのスタッフが必要な様子。通常のスーツを動かすのに1人着る人がいればいいことを考えると大変な贅沢だ。頭が下がります。
ヤマさんから貰った鉄屑をミコトが棒から抜くシーンとか実はめっちゃ大変なんじゃないか?って場面もありそんな苦労をしてでも操演で魅せたいものがあると言う制作の想いに応え我々も一生懸命作品を楽しまないとな。
ミコトが可愛く見えた理由は無論スタッフ陣の力が大きいがそれだけで無くミコトと劇中最も絡むミコ役の土屋希乃さんの自然な演技もあってのことだろう。怪獣と絡む演技で違和感がないって凄いことだよ。
巨大化してからのバトルシーンの尻尾で突く攻撃は正直全く重さを感じず「効かねえだろそれ」感はある。これは操演特有の困りどころね。しかしそれをフォローするのがやられる側、つまりはオメガ役の岩田さんの演技力だ。
あっちが出ればこっちが引っ込む。ならば別のところでそこをフォローする。そうやって一本の作品ができ、技術のノウハウが積み重なって行くわけだ。
最近のウルトラマンではシリーズに一回くらいは操演怪獣回もあるが、今回は特に操演に浸れる回で特撮という意味でも見応えがあった。
少女の孤独と、ひとりじゃないと気付く時

続いてミコとその叔母 ササコをメインとしたドラマパートについて。
親を亡くし親戚に預けられたミコ。ササコは良くしてくれるがミコ自身は心を開けず、田舎にも馴染めずひとりぼっちな気がしてしまいそんな時に出会ったミコトをただ1人の友達だと思い心の拠り所としていた。
そんな彼女がミコトとの一件でササコが本当に自分を愛してくれていると知り、私はひとりぼっちなんかじゃないんだと気付くというジュブナイルもののような構成。田舎が舞台だったのもあって夏にピッタリなエピソードになっていたと思う。
ミコが去ろうとするミコトに「離れるなんて嫌だよ!」って叫ぶシーンとかいいよね…母のようにまた自分の元から大切な人がいなくなってしまうんじゃないかと、またひとりぼっちになってしまうんじゃないかと怯えてる。
このシーンはミコトの操演も素晴らしい。人が入ってないのにちゃんとスーツから感情を感じた。
ササコさんも最初からずっと良かった。
序盤の素朴な田舎のおばちゃんムーブから一転し、中盤からは子供がいないが故にミコとどう接していいか分からず心の距離に迷う大人ムーブまで幅広く見せてくれた。ああいう描写は大人になった今のが刺さるな。
最序盤でミコに「遠慮しないで」って言ってるけどその実ササコ自身もミコに遠慮してしまってるみたいな繊細な演技もグッと来たな。
大人も子供もそんなに変わらないのよ。きっと。
ところでソラトにお土産の野菜詰めるシーンでの
「野菜嫌いそうだったから大きいの入れとくか」
ってどういうこと?嫌いそうなんですけど?
嫌いそう→普段食べない→野菜足りてない→せっかくだからデカいのやったろ!
みたいなルーチン?
プレゼントされたお揃いの長靴が最初はピンと来ない感じだったのがラストシーンでは2人を繋ぐ物になるのも良いが、ミコトによってつけられた謂わば傷跡である白髪がお揃いになり2人の絆を深めてるのも好き。
ちなみにミコトに鉄分を吸われて2人が白髪になったのは白髪の原因に鉄分不足があるかららしい。倒れてしまうのは鉄欠乏性貧血が起きるからのようだ。
みんなも鉄分を摂ろう!
鉄棒見つけたらガンガン噛み付いていきましょう!
やはりオメガの「アレ」は…

最後に今回のオメガ/ソラト周りについて
見出しの「アレ」ってのはまあいつもやる怪獣に向けて手を伸ばし、グッと握りしめるルーティーンのことなんだが…
今回ミコトに向けてやろうとしたけど途中で止めたのから察するにやはりあのルーティーンは怪獣に対しての「今からぶっ飛ばしてやる覚悟しろ!」っていう戦線布告の意味があるんじゃないかと思うんだ(ちなみにこの予想前もしてます。)。
怪獣に対しての戦線布告が記憶を失くした今でもやってしまうほど染みついてることを考えるとオメガってやっぱり怪獣スレイヤー?
あと前回に引き続きミコトのことは知らなかったね。やはり太古の時代から地球に住んでるような怪獣は知らないというわけだ。
ってなると私的には1〜3話までの怪獣は地球外から持ち込まれてオメガがかつて宇宙で戦ったことのある怪獣説を推したいねー。
話を本編に戻すが、オメガがミコトを切り裂いて倒した後花びらが舞うシーンでその花びらがまるでオメガの涙みたいに見えるの素敵だったなアレ。狙ったのか、たまたまなのか分からんがとにかく素敵。
あとやっぱり人間と話す時は惚けたお兄ちゃんなのに怪獣と対話する時はめちゃキリッとするのかっこいいわソラト。今回はラストにミコトの気持ちを察することが出来るほど共感性も育っている様子。
普段は兄貴みたいな役のコウセイがいないから今回はミコにとってのお兄ちゃんみたいな役割になっていたのも新たな一面が見れてベタだが上手い作りだったね。
次回
山から変な怪獣出現!
舞台は山奥のトンネル工事現場ってゴメスとリトラを思い出す!
ゲドラゴの探し物とは何だ!?
それではまた


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