前回 幸せのディストピア【仮面ライダーガヴ 第47話】感想 策士策に溺れルブ
アメイジングRYOという名前はスパイダーマンを意識したわけでも、クウガを意識したわけでもなく勢いでつけた男 アメイジングRYOです。
アメイジングって響きと意味が好きなんですよ。
グレートでもスーパーでもスペクタキュラーでもなくアメイジングが良いのです。
赤ガヴが赤いガヴに!な48話を語っていきましょう!
あらすじ
ニエルブの全てを賭けた渾身の一計は虚しく空を切りボッカに届くことは無かった。
絆斗は人間界牧場化計画を少しでも妨害するべくばら撒かれたダミーゴチゾウの捕獲を、ラキアはデンテの残した研究から幸福ガスの中和剤の開発を進める中ショウマはボッカを倒すために宿敵にして実兄のランゴを頼ることを決意する。
4人の力は果たして最強の大統領 ボッカ・ジャルダックに届くのか
石食ってでも強くなる!燃える闘志のアメイジングミフォーム

まずはこの最終回でもない最終回まで残り2話という微妙なタイミングで登場した新形態 アメイジングミフォームの話題から。
令和ライダーは「見た目は基本形態だがスペックの上がっている別物形態」を出すのがお約束だがそれを出すのは最終回だしこんなタイミングで、しかもリデコとはいえ見た目もちゃんと違う形態を出すのは前例がない。
ボッカの力に打ちのめされようとも不屈の精神と闘志を熱く激らせ砂利ごとグミを食うほどの気合いをショウマが見せたその時、その思いに反応するように誕生したアメイジングミゴチゾウ。
公式サイトによれば「不屈の闘志でグミを食べた際にのみ出現する極めて再現性の低い希少なゴチゾウ」と説明があるがこれは急に最強アイテムが出てくる理由としては中々上手いと思う。
赤ガヴのゴチゾウ生成には「ショウマが何を食べたか」以上に「ショウマがそれを食べて何を感じたか」が重要であることは作中で描かれてきたし、ショウマの気持ち次第で食べるものがなんであれゴチゾウに変化が及ぶことは納得できる。
また急に最強のゴチゾウが生まれたとしても原則ゴチゾウは使い捨て。なのでアメイジングミを次回以降持ち越すことは出来ない。こうすることで暫定ラスボスのランゴとパワーバランスが崩れる事もないというわけだ。
ついでに言えば気持ち次第で様々なゴチゾウが生まれるのだからファイナルステージやVシネマなんかで新形態も出し放題というおまけ付き。何から何まで上手いこと出来てるわ。
本編リアタイ時はグラニュートの主食の石も一緒に食べたことが重要なのかと思ったがそうじゃなかったのね。でも石をバリバリ食うショウマの執念も良かったよ。まさに石に齧りついてもってやつだな。
変身時の顔のアップからのいつもの両目が紫に光るシーン。傷メイクと知念さんの表情もあっていつもより迫力があったな。背景ナパーム爆発で爆炎バックの変身も燃える。
かくして誕生したアメイジングミフォーム。その能力はお菓子の天敵「熱」であり、体に秘めた莫大なエネルギーの余剰放出によって周囲の空気を歪ませてしまう。
そして空気の歪みによってボッカの得意とする言霊は通用しなくなり両者をイーブンの関係にした。
音とは空気の振動によって聞こえるものなので空気自体が歪んでしまえば振動がうまく伝わらず聞こえにくくなるという理屈だと思われる。多分。文系だから分からん。
ってことはヴラムの「ショウマ!」とかランゴの「やれ!赤ガヴ!」とかも聞こえてなかった可能性が?
流石に全く聞こえないわけじゃないんだろうな。多分しっかり声張れば聞こえるのかも。
ボッカも囁くように言うんじゃなく若手芸人くらい声張り上げて!「ひ・れ・伏・せ・え・ー!!!」くらい言ってれば効いた可能性あるな。
ボッカの体に触れるだけでその部位を融解させるほどの熱を帯びてのワイルドな格闘戦、ヴァレンとヴラム、そしてランゴのアシストを経てついにボッカを打ち破った。
何気にアメイジングミのライダーキックってあんまり見ないフォームの蹴りだったような気がする。ジャンピングサッカーキックみたいなさ。
元は出す予定のなかったフォームとのことだがボッカの強キャラムーブが凄過ぎたし「こんな強いやつどうやって倒すの…?」って思ってたから観ている我々を納得させる為にもこの戦いのためだけの奇跡の究極形態であるアメイジングミは必要なものだったと思う。
アクションに関しては直前の4人vsボッカのが色々凝っている感はあったものの久しぶりのTV本編での究極形態を楽しめて満足だ。
革命の時は来たれり 大統領ボッカ・ジャルダック倒る

続いてボッカ周りの話題を。
3クール始まりくらいにぬるっと出てきてそれまでのメインヴィラン組織をしっちゃかめっちゃかにしだしたこの男は別にライダー達と深い因縁があったりはせず、特別なバックボーンがあるわけでもない。
『ガヴ』という作品の本筋や根幹に全く関わっていないスーパー部外者。ただひたすらに悪くて強いだけ。
しかしその悪さと強さだけで驚異的な存在感を発揮し続け、結構真面目に「(あれ?ランゴとか差し置いてマジでこいつがラスボス?)」と思わせハラハラさせてくれた。
そんな稀代の大物ポッと出大統領ボッカもついに年貢の納め時。
しかしながら最後まで変に格を下げたりせず、ちょっとあっさり感はあれど不自然な弱体化もなく綺麗に散っていったと思う。
リゼルを困った娘と思ってはいるがランゴに攫われたと分かり単身で助けに来るなど最後まで子煩悩っぷりもブレなかったし嫌いじゃないよそういうところ。
フォーマルに決めてる男のスーツの下が筋肉バッキバキってのは好きな人たくさんいるだろうけどボッカのそれはもはやあの細いスーツのどこにそのマッスルを隠してたんだい?ってレベルのムキムキで笑った。
両腕と両足と胸部の金の武装みたいなアレもあくまで肌ってことだよね多分。腕はまだしも手がスーツ着る前と後で全然違うってどういうことなの…?
本気出すと手が拳に固定されるのは暴力の化身って感じで好きだけど。
ランゴを含めた4人との戦いではアメイジングミが出てくるまで4人を圧倒。というよりアメイジングミ出てきて以降も別にめちゃくちゃ押されてたわけじゃないよね。
命令を効かせる言霊が封じられただけでシンプルな殴り合いなら下手すればまだボッカにイニシアチブがあったようにすら思える。風向きが変わったのはランゴの奇襲があってこそ。
そう考えると作中タイマン最強は倒されはしたがボッカで決まりかな。
前半のバトルでの地面を叩いての衝撃波は爆破をガンガン使って演出されており非常に派手。それだけじゃなくマスターガヴの攻撃をかわしながらのオーバーヘッドキックなどボッカの強さがパワーだけじゃない事を今回も描いてくれている。
あとその直後のボッカの拳が光る時の起動音(?)みたいなSEがなんか心地よくて好き。
3人を拳でまとめて振り回すシーンはワイヤーを使ってのものだろう。広い空間だからこそ出来て且つあまり見ない演出に目を奪われた。
力が全てのグラニュート界において力なき者に価値はなく、そんな価値の無い者は自分の肥やしになる事で僅かばかりの価値を手に入れる。それを幸せだと思えというボッカ。
他者を虐げ幸せを奪うだけじゃなく、人それぞれにあるはずの幸せの形、その在り方すら決めつけようとするボッカに3ライダーが怒る件はグッと来る。
ショウマの「何が幸せかは自分で決める…!」って台詞も好きだなあ。
分かり合えない価値観、絶対的強さ、邪悪さ、憎たらしさ、底知れなさ、ブレなさ、同情の余地の無さ、ほんの少しの人間臭さ、最期の断末魔に至るまでスタンダードな造形ながら割と理想的な「ぶっ飛ばされて欲しい」悪役だったボッカは間違いなく本作を彩る悪役だった。
祝!ラスボス復帰!やはり最後はこの男だ

やはりラスボスはこの男!
返り咲いたぞこのポジションに!
というわけで最後はランゴ兄さんの話題。
傷を負い帰って来てからもその強さは健在で結構手強いバトラーを楽にボコリ追い返し、実力不明だがこちらもかなり強いはずのリゼルを拘束し、真正面からボッカとタイマンしてもそれなりに拮抗してみせた。
よく考えると大統領の娘誘拐ってハリウッド映画みたいな事してるなランゴ兄さん。
ボッカとの戦い前のニヤリと笑った後にキリッとした顔になるシーンの表情の演技が素敵。かっこいい。
ボッカの隙をつき文字通り背中を刺すシーンはただ刺すんじゃなく、刺されたボッカが浮かび上がるダイナミックな演出にしていて良かったね。勢いとか大剣だからとかランゴの強さとか色んなもんを感じられる。
ショウマとの約束を反故にしてボッカの人間界牧場化計画をそっくりそのまま頂いちゃう悪役らしい卑劣な手に出ていよいよ和解とかはあり得ない感じになって来たがまあ香村先生は最初からストマックをちゃんと倒されて欲しいって思えるキャラにすると答えていたらしいので既定路線だね。
どこまで行ってもランゴの目的は会社を盛り立ててグラニュート界でのしあがる事であり闇菓子はその手段でしか無い。闇菓子に執着する理由はないが、手放すならのしあがるための代案が必要でありそれがない以上闇菓子を手放すことはしない。考えてみればシンプルな話だ。
「約束なんて破る為にあるんだよ〜ケーケッケッケ!」みたいな四流か五流の小悪党のやりそうなことをノータイムでやっちゃったから小物っぽさは出たけどまあ元々小さい反社の頭だからね?
大物悪役はボッカがやったし程々に小物臭い方がなんかランゴ兄さんっぽいしいいんじゃないかな?って個人的には思う。
しかしながらやってることは小物でもベラボーに強いことは間違いないしラスボスの格としては十分。ラスト2話でジープとのドラマとかもありそうだしそちらにも期待していきたい。
次回
ランゴの裏切りで人間界は依然ピンチのまま!
ショウマvsランゴ再び!そしてラキアも自らの戦いに赴く
ぶっちぎりのイマイチ形態 ふわマロフォームのプッシュ回だと!?
それではまた


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