前回 届け屋が届かない【爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ44】感想 君は「少年」のまま
『仮面ライダーガッチャード GRADNATIONS』の完成披露試写会も
『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の制作発表会見にもTTFCから応募したけどダメだった男 アメイジングRYOです。
会員日数3000日弱でもダメか…記事にしたかったな…
気を取り直してボッコボコにされた44話から少しだけ光が見えて来た(?)な45話を語っていきましょう
あらすじ
スピンドーの凶弾に倒れたブンブンを蘇らせようと必死に修理する大也。
寝ることも食べることもせず病的にひたすら作業を続ける大也の姿からはかつての「余裕」が完全に消え去っておりその耳には仲間達の声も届かない…
一方ブンブンを打ち取り上機嫌のスピンドーはブンブンジャーを完全に地球の敵にするべく再建隊長ディスレースを復活させる
着々と進むハシリヤンの地球乗っ取り、そして民への扇動…
立ち上がったのはかつて地球を捨てた男だった
蘇るディスレース!その名は2000!

まずはバトル周り…と言っても今回は基本ドラマメインの回だったのでバトルで語ることはあまりないのでディスレース2000のことをメインに話していきたい。
ブンブンジャーは敵であるという誤った認識を人々に植え付ける作戦を担わせるためにスピンドー(というよりはペットのシャイシャイサルカー)が復活させたディスレース。
マッドレックス・フューリーの時とは結末含め立場が逆なのね。
マッドのハシリケンの時もそうだけどペットをベースに復活するのってなんか意味あるのかな?
ひょっとしてスピンドー最大の弱点がサルカーだったりする?
それはさておき。復活したディスレース改めディスレース2000。
もちろん由来は『デスレース 2000年』。ハシリヤン幹部は皆映画が名前の由来だから復活したやつの命名ルールも分かりやすくて面白いな。
復活したことでパワーアップ…とかはあまりしてる感じはなかったが民を扇動しブンブンジャー憎しの人間を確実に増やし仕事を完遂しているので相変わらずの有能隊長っぷり。
突然マイクを使った街頭演説を始めそれっぽい横文字や「多様性」など聞き心地の良い言葉を交えながら人々の関心を引き、見ているごく数人だけを洗脳しデカい声で都合のよい意見を主張させることで周囲の人間を扇動。間違った熱狂を波及させ見事にスピンドーから与えられた任務をクリアというインテリヤクザらしいスタイルは復活後も健在。この仕事はディスレースにしか出来ないわ。
人間は正しい意見よりデカい声に引っ張られるというのを我々は去年も散々見たね…
?「やぁっぱりギラ王子はぁ!!ぐぉく悪人だぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ディスレースの独壇場から引き摺り下ろしたのは今回のメインたる始末屋コンビ。
ブンブンジャーが謂れのない迫害に襲われている今、地球がブンブンジャーの敵になるならばかつて地球を捨てた先斗がその危機に立ち上がり皆の盾になる展開はいいよね。
先斗が民の前で啖呵を切るシーンはめちゃくちゃドス効いた声で迫力が凄かった。あんなん目の前でやられたら怯むわ。
バトルシーンではビュンディーとの連携もありかつて玄蕃に何度も煮湯を飲ませたディスレースを相手に終始優勢。前回ぐらいからビュンディーもガンガン等身大戦に参加するようになったのが効いてる。
始末屋コンビにはるか上空に吹っ飛ばされたディスレースはグランツに取り付けられた爆弾マスクが起動し哀れ爆散。自分がマッドレックスにしたことがまんま帰ってくるという因果応報な結末を迎えた。
「人のハンドルばっか握ろうとしてるから てめえのハンドルが疎かになるんだよ」
マッドレックスを、民を操った再建隊長殿にブッ刺さる一言だがこの「他人のハンドルを握ろうとすれば自分のハンドルを別の何かに奪われる」というワード自体は20話で大也が既に言ってるのよね。
「どのハンドル握るかはあたしが決めるんだよ」
という前回のスピンドーの台詞にも刺さってるしここからのキーワードにもなって来そう。
サンシーターがマッドレックス死亡の真相を知ったのは結構大事なポイントの一つかなと思うな。これでサンシーターがブンブンジャー側に鞍替える準備が出来た!
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立ち上がるために…範道大也:オリジン

次に大也周りの話を。
まずOPからまさかのブンレッド、ブンブルー、ブンブンが消滅。初期メンバーなのに。
OPからブンレッドが外れたのは公式曰く「今回の大也は自分のハンドルを握れてない=ブンブンジャーじゃないから」
なるほどなあ…単純に離脱してるメンバーを外す以外にも物語上でのいろんな含みを持たせられるからこのOPのシステムはやっぱり面白いよ。
冒頭のすっかり余裕を無くしただ目の前のブンブンを救うことしか頭になく仲間の声も聞こえず、自分の身すら気遣えていない大也の姿は逆説的に「自分に余裕がないと周りが見えない」というのを証明してしまっている。構図が見事。
蘇らないブンブンを前に何度も何度もレバーを上げ下げする姿は痛々しく、玄蕃からの正論を前にしても「俺ならやれる…」と力なく返す姿も悲しい。
「傲慢だよ。大也」って玄蕃の台詞が良い…
そんなズタボロで自分のハンドルも握れなくなっている大也にピシャリと言えるのはやはりブンブンジャーの母 未来。玄蕃や錠が大也を思うがあまり何も出来ないでいる中、怒鳴ってでも彼の目を覚させてくれるのはやはり彼女しかいない。
未来の涙ぐんで上擦った感じの声好きなんだよね。
カレー出して「食べなさい」のお母さん感よ。お隣の『ガヴ』の幸果さんもだけど最近のヒロインにはこういう要素も求められてるんだろうか。
そして大也から語られた「余裕」を求め「悲鳴」にこだわる理由。即ち範道大也のオリジン。
視聴者的には以前の内藤とのやり取りから見えていた過去を改めて仲間たちに話す訳だが本人の口から語られることで新たに見えて来たこともあったな。
大也の家のお隣で起きた悲劇は錠も知っていて当時それなりにデカいニュースになっていたようだ。じゃあ我々が想像していたよりずっと悲惨なやつだったのかな…やめてよ。
「壁の向こう側は愛のない世界だった」
この台詞凄く詩的でいいよね…って言っちゃうとよくないんだけど。何というか、刺さる。
薄壁一枚隔てただけで自分の住む世界とは全然違うのが集合住宅だからね。
ショックを受けた幼い大也は同じような事件を調べ、調べるほどに世界ではもっと酷い悲劇が起きていると知り何が出来るのか悩んだ。子供が抱えるにはあまりに重く大きい悩み。
「余裕のある大人ほど何もしない」ってのも悲しい現実。まあ余裕のある人って大概は仕事頑張って余裕を手に入れてる訳だし、その余裕は自分の為に使うのが当たり前。まして手に入れた余裕を他人に使おうなんて人はそういない。
だから誰よりも余裕のある大人になって自分が世界から子供達の悲鳴を消し去ると誓った。自分が死んだ後もなくならない子供が悲鳴を上げなくてよくなる世界を築きたい。
それがブンブンではなく範道大也自信の「夢」
「大人」「余裕」「夢」全部の要素が空中分解せずきちんと範道大也というキャラを作っていてやっぱり『ブンブンジャー』っていいなあと思う。
大也は近年でもかなり好きなレッド。多分こうありたいって大人のファンだからこそ思えるキャラだわ。
ところでこの過去を知った上で22話で大也が内藤の甥っ子 千二に言ったセリフを思い出すと結構悲しい。
「千二君。大人って言うのはね子供の笑顔が大好きなんだ」
自分が良ければそれでいい。子供なんて知るかと唾吐く大人をたくさん見て来たし、子供に悲鳴を上げさせる酷い大人がいることも知ってる大也がこれを言うのか…
優しい嘘…いや、大人はそうあって欲しいと言う大也の願いなのかも知れない。
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次回
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それではまた


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