前回 甘さゼロ!鉄壁のランゴ【仮面ライダーガヴ 第35話】感想 シゴデキ兄さんの本気
仮にBARに行ったとしても主人をマスターとは呼べないだろうなと思う男 アメイジングRYOです。
「すいませーん」って言うと思う。
オーバーに次ぐもう一つの最強形態登場!の36話を語っていきましょう。
あらすじ
ランゴに大敗を喫したライダー達は一時撤退し体制を立て直すことに。絆斗はこれまでとは規模の違う大量の人間狩りを前にグラニュートの存在をある程度公表して人々がそれぞれ警戒するよう呼びかけることを提案する。
しかしこの情報公開により一部の人達がビターガヴの事件のせいで仮面ライダーとグラニュートの区別が付かず却って混乱を呼ぶことになってしまう。
一方ランゴに言われた残酷な言葉が胸から抜けないまま攫われた人々を助け出そうと手当たり次第に走り回るショウマの前に意外にもジープが現れる。
その目的とは…
ショウマ、決意の「笑顔」

まずは大迫力のバトルの前にショウマ周りの話をしていきたい。
前回ランゴから投げかけられたあまりに残酷な、残酷過ぎて飛行機君がファインプレーに飛んだレベルで残酷な言葉
「赤ガヴ。お前は生まれて来たことが間違いだったんだ。」
これはグラニュートと人間の間に生まれたどちらの種族にもなれない中途半端な異形であるショウマ自身が心の隅に持ち続けていたであろう不安そのもの。それを真っ直ぐに言葉にしたえげつない一言であり今回のショウマを大いに苦しめることになった。
ところでこの上記台詞、前回不自然に聞こえにくい感じにした割に聞こえないと言う程ではなくあくまで聞こにくいレベルに留まる微妙な処置で且つ結構強烈な内容もありあの飛行機は自主規制のためのものなのかと思いきやTTFCのオーディオコメンタリーの杉原監督の話によれば
「ショウマにとってショッキングであり、ランゴにとっては長年持ち続けていた思いとなる台詞なので簡単に聞かせたくなかった」
とのこと。
今回のキーワードになってくる台詞だし見ている側にとっても印象付ける為にああしたと言う訳だったのね。
ランゴに勝てず、扉の間に繋がるドアも見つけられず、律を止めることも出来ない。ランゴの言った通り何も出来ない自分に苦しめられるショウマを救ったのは絆斗のブログに届いたショウマが救って来た人々の声だった。
側から事件を見て来た人々にとっては仮面ライダーもグラニュートも区別がつかない、違いのない化け物かも知れないが直接助けられた人達は違う。
グラニュートと戦い、化け物と呼ばれては次の街に行き、そうやって転々としながら人々を救っていたショウマにとっては辛かった時間であろう1クール目のロードムービー編の戦いも決して無駄ではなかった。今はあの戦いで出会った人が自分を支えてくれる。
自分の身を顧みず人々を救い戦ってきたヒーローが打ちのめされて苦しくて立ち上がれなくなってしまった時、そんなヒーローに手を差し伸べてくれるのはヒーローが救って来た人達という天下無敵の王道展開。
「これは王道ヒーローの勝ちパターンだ!これで負けるヒーローはいない!」
ちなみにあのシーンのコメントはよく見ると何人か特定できる人がいる。
エミたん「あの化け物は危ないです。ロマンス詐欺の手口とか使って攫ってきます〜」→11話の栄美
正也@975「これガチだよ。前にライブハウスで襲われたことあるけど〜」→20話の客の誰か
なみのあしあと「僕の動画チャンネルを乗っ取った化け物〜」→25話の浩二
などなど。
1話の始の母親が声のみとはいえ再登場して誤解が解けていることを描いたのも何気に嬉しいポイントだ。
そうやって救った人に救われて再び立ち上がったショウマはランゴの前に立つ。
母に隠れ、父に怯え、兄や姉の顔色を伺うしかなかった幼きあの頃とは違う。今の自分には愛する人も愛してくれる人もいる、力もある、支えてくれる人がいる、笑っていられる場所があると強くランゴに訴え最後には
「ここにいられて良かったと思ってる」
と笑顔を見せる。
最大の敵を前に見せるのが笑顔なのいいよね。ショウマは笑顔が印象的なキャラクターだけにこの大一番でもそこをフィーチャーしてくれるのは熱い。
だからこそ決してこの居場所を奪わせない、守ってみせるという覚悟が力に変わる展開も王道の大好き味だ。
〝力の〟オーバー!〝疾さの〟マスター!無敵のWガヴ登場

続いてはバトルシーンについて。
ついに登場したゴチポッドのもう一つの力 マスターモードはパワーはあるが鈍重で当たればでかいピーキーなオーバーに対してスピード特化+これまでのゴチゾウの力を同時に併用できる汎用型の最強形態。
『ガヴ』は度々野生味のあるアクションを取り入れて来たがマスターの構えはそこをこれまで以上に感じる前傾姿勢通り越して四肢を地につける獣の如き構えを取るがこれが伸びたマスクの耳(?)と合わせて狼感出てベストマッチ。
CGを駆使したランゴとの超スピードバトルもいいがやはりマスターガヴ最大の強みと見どころはそのシームレスなフォームチェンジにあるだろう。
ゴチポッドを逆転させることでマスターからオーバーに、オーバーからマスターにスイッチして変幻自在のバトルを再現。特オタならやはり思い出すのは『ジオウ』のゲイツリバイブじゃないかしら。
マスターでランゴの懐に入り、インパクトの瞬間にオーバーにスイッチして強烈な一撃を見舞うシーンは今回のバトルの大トロ部分。ここ嫌いな人などいなかろうよ。
攻撃の瞬間だけパワーを最大限引き出すってバトル漫画の定番だしな。『ドラゴンボール』で言ったらリクーム倒したアレよ。アレを特撮で見れるとは。
ランゴの剣を物理無効のオーバーでポヨンと跳ね返してからキャッチし投げ返してマスターにスイッチしてダッシュで剣に追いつき再度キャッチして斬りつけるとかも大好き。この一連の動きはショウマ役の知念さんもお気に入りなようだ。
『ドラゴンボール』でナメック星着く前に悟空が宇宙船でやってたやつじゃん!
藤田AC監督は前からアニメ的表現を特撮に落とし込むのがお上手なのよね。
目まぐるしくゴチポッドを逆転させて何度も何度もマスターとオーバーを往復するのも見ていて面白いし玩具持ってたらアレはやっちゃうよね。うん。販促としても上手い。
決め技の〝マスターブースト〟は対象の周辺に瓶型のグミが出現させそれを自分を弾く反射板のように使って四方八方から攻撃を仕掛ける『ドライブ』の〝スピードロップ〟に近い構図。最後のキックは足刀蹴りという足技がモデルとなっているんだとか。
蹴りの前に慣れした親しんだいつもの構えをしてくれるのもいいね。
CGの派手さのみならず『ガヴ』らしい本物志向というかランゴの目線になる場面でのアクションは実際にガヴのスーツを吊っていると思われるシーンもあり相変わらず話題に事欠かない。そりゃこんだけこだわってりゃ毎週『ぱくっとガヴ』みたいな公式バトルシーン切り抜きみたいなことやれるわ。
総じて最強形態の本命登場らしい見どころたっぷりなバトルになっていたと思う。
ランゴ・ストマック散…る(?)

ランゴ兄さん…死にましたねぇ〜。
いや!まだ分からない!ってか個人的に9割9部生きてると思う!
ショウマに目をやられたから生きてたとしても隻眼になってそうではあるな。
最後は35.36話のもう1人の主役であるランゴについて大いに語りたい。
てか上で長々ショウマとガヴのこと書いといてアレなんだが今回一番好きなシーン上げるとしたらランゴ兄さんのシーンなんすよ…。
U.M.Aのライブに訪れた客をまとめてヒトプレスにするべく再び実行された幸福ガスの散布だったがライダー達の妨害によりランゴも現場に出向くことに。
そこでショウマと対峙し上記のショウマからの強い思いをぶつけられた際のランゴ兄さんの表情がね…ちょっと良すぎたね。
ほんの少しだけ笑ってるのよ。
ただ怯えて守られるだけだった出来損ないの赤ガヴが今は自分の居場所を見つけ、その居場所を守る為に自分の前に立ち塞がったことが。
真っ直ぐにその瞳が自分を見ていることが。
恐怖の対象だった相手を前に大胆不敵にも笑って見せたことが。
弟が強くなったことが嬉しかったかのようにほんの少しだけ笑ってるのよ…!!
塚本さんの表情が素晴らしい。ランゴが内心何を思っているのかが全部伝わるよね。
もちろんショウマは人間とグラニュートのハーフという異形でランゴからすれば気味の悪さやどうしようもない嫌悪はあるだろうがそれ以上にランゴがショウマを嫌っていたのは母に隠れ、顔色を伺い、何もしないし出来ないのに庇護されている浅ましさが理由だったのではなかろうか
弱くてもビビらずに自分に意見が言えるような何か一つでも「強さ」をショウマが見せられたならランゴのショウマの評価は全く違うものになっていたのかも知れない。
シータとジープの「一緒にケーキを食べられたら…」もそうだがストマックとショウマの亀裂って実はどっか一つでも違っていれば少なくとも今ほど拗れてなかったのかなって。
あと珍しく色々心配してくれてるグロッタを安心させて肩ポンとして立ち去るシーンも良かったね。グロッタが安心して妹の顔になってるのもたまらない。
さて最初の話に戻るが多分兄さん生きてると思うんだよ。ただ目をやられたから次出てくる時は隻眼になってるかも。
…あのビジュで隻眼はちょっと尋常じゃない厨二放射線出ますね。
次回
辛木田早恵を攫った謎のグラニュートがついに登場!
片時も忘れたことのない仇を前に絆斗は…
ガヴvsジープ再び!兄さん今更無理だって!!
それではまた


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